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社名
東亜ディーケーケー株式会社
設立
1944年
所在地
埼玉県狭山市
従業員数
連結 583名(2024年3月31日現在)
業界
測定器・理化学機械器具
事業内容
①計測機器(環境・プロセス分析機器、科学分析機器)の製造、販売②医療関連機器の製造、販売③計測機器の部品・消耗品の販売④計測機器のメンテナンス・修理
東亜ディーケーケー株式会社

事例 CADDi Drawer

設立80年の歴史の中の新たな一歩。「開発と生産の一体化」の実現に向けた図面活用改革。

生産本部 生産技術部 (CADDi Drawer導入時は設計部に所属)

工藤 肇

開発技術本部 設計部

小野 篤広

開発技術本部 設計部

橋場 生知

導入前・導入後

製品の特徴上、20年前の設計書が必要となることもあるが、当時の設計者がすでに不在で資料がどこにあるか探すのに時間がかかるなど、資料や技術をどう継承していくかが長年の課題。

図面を探すときはまずはCADDi Drawerでの検索を習慣化し、目的図面を早期に発見できるようになると共に、自発的に疑問点を解消できるようになり、1ヶ月単位では一人工分の効率化を実現。

インタビュー

20年前に設計された機器の図面が必要となることも。長年の課題だった資料や技術の伝承。

2024年6月に竣工した新しい建屋。「狭山インテグレーションセンター」と命名されたこの施設は、東亜ディーケーケーが目指す”これから”を、まさに体現するための施設である。

 

総合計測機器メーカーとして、「水・大気・医療・ガス」の分野における計測機器の製造販売を行なっている同社。2024年は設立80年を迎える。

冒頭の「狭山インテグレーションセンター」のインテグレーションは、統合・融合という意味であり、この名前に込められた思いの一つに『開発と生産の一体化』というものがある。中でも設計部は、開発を担当するのはもちろん、生産にも直結するため、ものづくりにおける重要な役割を担っている。

 

会社が掲げるインテグレーションという方向性に対して、当時設計部長だった工藤氏は次のように考えていた。

 

「設計の役割は、開発の中で”いいものを作る”のが中核ですが、ただ作ればいいのではなく、いかに効率的にものづくりをするか、が重要。過去のデータをうまく使っていくことで、設計効率化に繋げることができないかと考えていました。」

 

同社が取り扱うのは、環境計測機器。産業機器ならではの大変な点もあったという。

 

「産業機器なので、ライフサイクルが10〜20年と比較的長いのが特徴で、20年前に設計された機器を使っていただいているお客様も多くメンテナンスする必要もあります。しかし、当時の設計者はもう不在で、資料を探すのに時間がかかってしまうことも多々ありました。よって資料や技術をどう継承していくか、は長年の課題でした。」

 

これまで同社でも、古い手書き図面を電子化し、文書管理システムの中に保存するなどの取り組みは行なっていた。しかし、あくまで意味合いとしては”保管”状態。必要な図面を探すにも、ファイル名を検索する程度では、本当に必要な情報にアクセスすることは簡単ではなかった。

 

図面を探す以外にも、課題はあった。例えば、顧客仕様の製品を設計する際に、都度都度設計するため、結果似たような部品をたくさん作ってしまっていた。新しいものをイチから設計することは当然時間もかかるし、図面の数も増えて管理が大変になる。また、個々に仕様書は作成しているものの、それが全社的に共有されていなかった。新規に設計して図面を作る前に、同じような図面がないかを検索し、ちゃんと辿り着くことができるようになっていれば、もっと効率的に業務が進められていたはずだ。

 

「同じような製品のちょっとした仕様違いは検索できても、全然違う製品から似たような部品は検索することはできていませんでした。だから、広範囲で図面の検索性をいかに高めるか、が重要だと考えました。中でもテキストだけでなく、形状で探すことができれば非常に便利だなと思っていました。」

20年前に設計された機器の図面が必要となることも。長年の課題だった資料や技術の伝承。

出会いは展示会。出展ブースの中にあった「図面活用クラウド」という文字が気になって…

CADDi Drawerに興味を持っていただいたきっかけは何だったのでしょうか?

 

「会社として部品の共通化という課題がある中で、部品数を増やさないために形状で検索をかけることができればという思いはありました。当初は、設計部門での活用を想定していたので、CADで設計する際に形状検索できないか、と考えていました。しかし調べていく中で、図面自体で形状検索できるツールもあることを知りました。CADだと設計者しか使えず、活用範囲が狭くなってしまう。図面検索でさらに色々と調べていく中で、CADDi Drawerに出会うことができました。」

 

最初の出会いは展示会。出展ブースの中にあった「図面活用クラウド」という文字が気になった。一通りデモを見たり、機能の説明を聞いたりし、「これなら、やりたいことができるな」と感じた。また当時使っていたCADにアドオンするには新たな環境構築が必要だったが、クラウドベースであれば時間とお金をそこまでかけずに済む。いいことずくめだった。

 

「一緒に導入を検討していた設計課長が『これがいい』と言ってくれました。CADに機能を加えるか、CADDiの図面管理か、の二択で最後の最後まで比較していましたが、3D化されていない過去の図面も活用できることと、やはり実際に使う人が使いやすいと感じた方がいいと思っていたことが、決め手になりました。」

 

導入が決定した後も、苦労は絶えなかった。一番時間を要したのは、社内にあるどのデータをCADDi Drawerに取り込むべきか、データの整理に手間取った。どんなデータを乗せて、どう活用していくか、ここを決めるのには思っていた以上に時間がかかったという。

 

「これまでの図面となると、莫大な量がある。それを全て取り込むのか、基準を設けそこを中心に登録するのか。品質データや回路図なども登録すべきか。本当に色々存在していたので、何から手をつけていいのか迷ってしまって。でも、そんな時にキャディの担当の方が色々とアドバイスをくれて、結局は目的に立ち返って、まずはここまでだねという感じで登録範囲を決めることができました。キャディさんは、当社が導入を決めた後、しつこいくらいの頻度で『図面登録どうなりました?』『毎日使ってます?』って確認してくれるので、その後押しがあって社内でも使う機運が醸成されました。しつこいくらいがちょうどいいですね(笑)。今では、その熱意に私たちも応えたいと思い、CADDi Drawerを使い込んでいます。」

出会いは展示会。出展ブースの中にあった「図面活用クラウド」という文字が気になって…

Drawer導入の一番の効果は、若手社員の成長スピードUP。

CADDi Drawer導入後、どういった場面で一番の効果を感じているのだろうか。

 

「図面を検索すれば何かしら引っかかるので、人に聞かなくてもわかるようになったのは大きいようですね。以前は前任者やベテランの人に答えを聞きに行っていましたが、今ではまず自分で検索し、違いを見比べてどうすべきかを推測することができています。誰かに聞かなくても1人で業務を進められるようになり、若手社員の成長スピードが上がっていますし、以前は30分以上かかっていた検索作業が1分かからないくらいで見つけることができるので、業務の効率化にも繋がっています。」

 

部品名や機種、材質など、図面に書いてあると思われるキーワードで検索すれば大体は見つけられる。もし具体的な名称などがわからなかったとしても、類似検索を行うことができるので、ふわっとした「こういうものもあるのかな?」というレベルでも意外と参考図面を見つけることができていると言う。また、特注品だと、長さ違いや穴の有無といった細かな違いで同じような図面が多々あり、その場合は類似検索をかけることで、絞り込みができている。

 

導入から8ヶ月。今一番の使い手は、入社7年目の小野氏だ。

 

「設計に入る前、まずはDrawerで検索をする、という習慣が付きました。Drawerになければ、ないのだと判断しています。設計業務を行う日は一日中使っている感じです。設計を進めていると、疑問に思うことが出てくるのですが、以前は一つ一つベテランの人に聞いていたところを、今ではDrawerで検索をかければ、こういう加工をすればいいとか、こうすればミスが起きないなどがわかります。聞くより早いですし、自分で調べるので、理解度も深まります。」

 

今日現在、小野氏以上に使いこなせている社員はいない。今後は、小野氏の検索の仕方を分析し、もっと多くの社員がCADDi Drawerを使うことで、ロスなく目的の図面に辿り着けるようにしていける体制を作っていく予定だという。同じ課の橋場氏は、新入社員向けの教育プログラムを作るのにも活用しており、若手社員がさまざまな活用方法を、どんどんと見つけ始めている。

 

冒頭で工藤氏が言っていた「ただ作ればいいのではなく、いかに効率的にものづくりをするか」という言葉。単純に時間短縮というだけでなく、若手社員が主体的になって活躍し始めることが、まさに図面活用改革の一歩であり、東亜ディーケーケーにとってのインテグレーションの始まりになるのかもしれない。

Drawer導入の一番の効果は、若手社員の成長スピードUP。

導入から半年。着実な成果と、新たな効果を見据えての拡大。

CADDi Drawer導入から半年が経ち、その効果は早くも見え始めている。

 

「図面検索の時間や工数自体が削減できたので、社員一人一人の時間が確保でき、トータルで見れば、1ヶ月で一人工分は減っていると思います。導入から半年経ち、設計部門だけでなく、購買部門でも活用するようになりました。また、応用設計の仕様を作る部署でも導入したところ、新規で設計を依頼する前に、類似図面がないかを検索をしてくれるようになりました。彼らにしても、新規で依頼する必要がなかったり、ある程度参考になる図面が見つかったりして、うまく活用できているようです。」

 

会社が掲げる”インテグレーション”が、少しずつ形になってきているように感じる。しかし、工藤氏本人としてはまだまだのようだ。

 

「業務一つ一つを短くするという意識だけでは、会社が掲げている“インテグレーション”には近付けない気がします。同じデータをそれぞれの部門が見ることで、一つの業務が短縮されると、並行して進められる業務が増えてきます。足し算的ではなく、掛け算的な業務効率化を図ることができれば、その効果も大きく、目標達成に近づくことができるのではないでしょうか。そのためにも、図面をもとに共有できる情報は何か、を全社的に考える時間をもっと設けたいですね。」

 

東亜ディーケーケーが見据える”インテグレーション”の真の姿は、CADDi Drawerを使い同社にある図面を使い倒していくことで、一歩一歩確実に近付いている。

導入から半年。着実な成果と、新たな効果を見据えての拡大。
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