株式会社スギノマシンは、超高圧水切断装置や部品洗浄機、小型マシニングセンタなどの装置や技術を開発・設計、製造、販売する産業機械メーカーだ。創業の精神「自ら考え、自ら造り、自ら販売・サービスする」を受け継ぎながら80年以上にわたり技術開発を重ね、「切る・削る・洗う・磨く・砕く・解す」の6つの「超技術」を展開している。世界中の多様な業界の発展に貢献すると共に、高い評価を受けてきた。
スギノマシンでは、お客様の要望に合わせて標準の製品をカスタマイズする設計が多く発生する。設計の際には、同じ、または類似する形状の部品の過去の図面をできる限り探して活用していた。新規で図面を作成すると設計工数が増えるだけでなく、図面登録や加工方法検討などの工数が他部署でも発生して、コストが増大してしまうからだ。新規の開発案件でも、過去の図面を探して同じものならばそのまま使用し、類似のものがあれば、どのように設計しているか参考にしていた。また、調達部門でも、最適な購入量、価格、タイミングでの調達が重要であるため、過去の図面データを探して調達実績を確認することで業務を進めていた。
しかし、図面はPDFデータや紙による管理のため、各担当者の記憶に頼るか、図面名から予測して探すしか方法がなく、過去実績の検索に膨大な時間がかかっていた。図面管理システムは導入されていたが、図面の版管理や、図面に描かれた部品がどの図面の部品に取り付けられるかといった関係性を管理するものである。類似した形状の部品を検索したり、図面内に記載された文字から検索したりは出来ないので、過去の類似図面を探し出すことは難しい。本来の業務にかける時間が、図面を探す時間に削られる状態であった。