探す能力がないと、自分でできる事が制限される。新人が「簡単に類似図面を検索する武器」を得たことで自ら成長する環境へ

株式会社中田製作所はアルミ精密加工技術を得意とする技術者集団である。多くの経験とノウハウを持ったアルミ専門の技術者が、最新の設備を用いて、非常に難易度の高い精密微細加工を行っている。1個の試作開発品から量産品まで対応できる生産能力を持ち、半導体、液晶、光学電子、医療、自動車、宇宙航空、産業ロボットなど多くの業界に向けた製品を製造している。お客様から「精度の厳しい加工難度の高い製品なら、中田製作所にお願いする」と言われ、高い信頼を得ている。

中田製作所では、独自に開発した図面の管理システムを長く使用してきた。システムでは、図番、お客様の名前、寸法、材質、製品特徴、プログラムナンバーなどの製品仕様情報を登録する。それらをキーワードとして検索することで、製品仕様情報と、該当する図面のpdfファイルを見ることができた。見積もりや設計、製造の際に過去の類似図面を参照したい場合は、多くの社員がこの自社システムを使用して類似図面を検索していた。

しかし、システムには課題があった。単純なキーワードで検索すると、材質が同じだけで全く異なる形状のものなど、類似していない図面が結果に多く出てしまう。希望に近い検索結果を出すには、製品のことを良く知り、的確なキーワードが選べる経験者でなければ難しい。経験の浅い者では、探し出すことが困難であり、確実に有るはずの図面でも見つけることできない場合があった。経験者でも、検索結果から近いものを選びながら何度も検索していると、希望の類似図面にたどり着くまでに、平均して5分程度は必要だった。

中田製作所では、経験の浅い者でも簡単に使用できて、素早く希望する類似図面を探し出せるシステムを求めていた。

新たなシステムを検討していた代表取締役の中田氏は、展示会で訪れたキャディのブースで図面データ活用クラウドCADDi Drawerの説明を受けた。

中田氏

「操作が直感的で、簡単な説明なのに使い方が非常によくわかった。図面を登録さえしておけば、キーワードだけでなく、スキャンした図面や絵から検索して、類似図面がパパッと出てくる。これなら新人でも直ぐに使ってもらえると思いました。」

詳細説明を受けた中田製作所では、CADDi Drawerの導入を決定した。

営業担当の吉井氏は、導入の効果をこのように話す。

「図面を登録しておけば、調べたい図面をスキャンして検索すればただちに類似図面が出てくる。これが一番のメリットです。

中田製作所は、新規の開発案件が非常に多く、過去の図面との違いを素早く比較する必要があり、見積価格に反映させて、現場に差異を伝える必要があるので、過去の類似図面が必要になります。今までは、システムに厚みや形状、材質などを入れて探していました。経験のある私なら2～3分ぐらいで探せますが、経験が少ないと1枚探すのに10分以上かかっていました。」

導入効果は設計現場でもあった。設計の新人教育では、設計方法や自社内の図面作成ルールなどを指導していく。また、設計の際には、過去の設計事例を参考にするため、類似図面を参照することが多くある。中田製作所では独自システムで過去図面を探すことはできたが、経験者でなければ探すのが難しく、新人には検索方法の指導も必要だった。

新人教育は多くの時間と手間を要していたが、図面検索においては、CADDi Drawerにより新人でも過去の類似図面を探しだすことが容易になり指導が不要になる。自ら類似図面を探しだせるようになったので、それ参考にして設計することができるようにもなった。これにより、新人教育にかける時間が大幅に削減された。また、ベテラン設計者においても、類似図面検索の時間が従来よりも大幅に短縮されたので、業務効率が改善されている。

中田氏

「探す能力がないと、自分でできる事が制限されます。検索能力は今の若い人の方が数段上にいると思うので、簡単に検索できる武器を得たことは、非常にメリットがあったと思います。」

中田製作所ではCADDi Drawerの導入により、類似図面検索の時間を大幅に減らし、新人教育にも大きな効果を得ている。今後は、サプライヤー管理や工程管理などにも活用範囲を広げていきたいと考えている。

中田氏

「中田製作所の特徴は、難しく、他ではできないような、付加価値の高い案件のお客様から評価いただいていることです。最近は非常に工程の多い案件をいただくことも多くなりました。多工程では協力工場に依頼することも多くなります。CADDi Drawerを、サプライヤー管理や工程管理といったところにも活用できたらと思っています。協力工場ともやり取りしながら、今後も「中田製作所で」と、ご指名をいただくような案件を多く受けていきたいです。」

中田製作所は、今後もCADDi Drawerを活用していくことにより、全社的に業務効率を向上させていく。