株式会社アスクは、試作部品や多品種少量生産部品の短納期での製造を創業時から行ってきた。多種多様な加工設備を自社で所有し、内作率は90%にも及ぶ。最新の検査機器に加え、国家資格取得者のみで構成された検査チームにより、品質管理も徹底している。これらにより、高品質でありながら、最短当日、平均リードタイム4日での製品の出荷を実現している。「納期で困った時にはアスク」「アスクは短納期の最後の砦」と言われ、お客様からの評価も高い。
アスクは、製品をより早くお客様へ届けるため、見積もり回答も早い。午前中に見積もり依頼があったものは、1時間以内で回答することを目標としている。多い時には1日に200件もの見積もり作成を行うことがあるが、可能な限り最短での回答を実行してきた。
しかし、見積もり回答では課題もあった。見積もり作成では、まず営業担当がお客様から図面を受領して依頼を受ける。受領した図面は、事務担当が紙の状態で製造現場へ持って行く。製造担当は図面を見て、加工可否を判断し、加工時間を元にした見積もりを作成する。製造担当が作成した見積もりを元に、見積もり専門の営業担当が価格を決定する。最終的に正式な見積もり書を事務担当が作成してお客様へ回答していた。
この見積もり作成の流れでは作成にかかる工程が多く、短時間での見積もり回答の妨げに。。また、展示会等で各部署の人員が少ない状態になると、処理が遅れて見積もり回答が想定よりも大幅に遅れることも。営業担当の中村なのは氏は、見積もり回答の課題についてこのように話す。
「短時間での見積もり回答、短納期製作は当社の強みです。しかし、展示会に出展している時などには、事務担当の社員も少なくなります。展示会に出ている社員とメール等で情報共有はできるのですが、対応が遅れてしまいます。やはり、省ける手間はできるだけ省いていきたいと考えていました。」
アスクでは、見積もりにかかる手間を減らし、1時間以内の回答目標を完全に達成できる方法を探していた。