社名
株式会社森鉄工所
設立
1952年
所在地
愛知県稲沢市
従業員数
単体35名
業界
金属加工業
事業内容
ステンレス製溶接キャップの製造・販売 / ステンレス、アルミなど特殊鋼を中心とした、レーザー切断から、旋盤加工、マシニング加工、溶接までの一貫加工
株式会社森鉄工所

事例 CADDi Drawer

図面に加工指示書・材料の確認や手配・生産工程・製造へのフィードバックなどを紐付け、必要な情報に速やかにアクセスできる状態を構築

代表取締役

森 裕晃

生産管理 主任

谷口 広平

機械加工班 主任

酒井 順次

営業主任

吉田 隆宏

導入前・導入後

見積もり・生産管理などの業務で過去の情報へのアクセス性が悪く、非効率。さらに、経験が浅いメンバーに任せられない環境だった。その結果、育成がうまく進まずにベテランの業務負荷が高くなっていた。

過去情報へのアクセス性が向上したことで、慣れていなくても過去の情報を確認しながら業務を進められるようになった。浮いた時間で、さらなる受注拡大や環境改善の仕組み構築を進められる状況に。

インタビュー

92歳の先代から継いだ代表という職務と展望

1952年設立、創業70年を超える森鉄工所。現在の代表取締役である森氏は、10年前に入社し、その後1年で当時92歳の先代から代表職を引き継いだ。就任当時からステンレス製溶接キャップという強みはあったものの、長期的に考えると決して伸び代は大きくはない。森氏の「若い元気な人材が多く働ける会社にしたい」という思いもあり、お客様から図面を受け取って加工を行う事業に新たに着手。従来から行っていたステンレスに加え、銅やアルミなどの特殊鋼を中心に受託している。その過程で、汎用機しかなかった工場内には新しい設備が導入され、従業員も10年前と比べて約2倍に増えてきた。

 

新しい人材が増え、技術を持っているベテランとペアを組ませることで、技術力底上げに繋がってきた。また、実務レベルに必要な基本知識や資格試験に向けた教育としては、5〜6年前から外部の方に講師を依頼、成果も出始めてもいた。

人によっては1年程度で独り立ちできるようになるなど、以前はできていなかった技術伝承に向けた取組みが整いつつあるこのタイミング。さらに若い人材を増やしていくためには、現在の教育プログラムをもっと強化していきたい、と森氏は考えていた。

また、社内には残していくべき資産が多くあるにも関わらず、人の頭の中にしかなかったり、整理されていなかったりと、属人化されているものも多い。「管理できていない資産」を「共有できる資産」へどうやって変えていくか、技術継承できる形にするか。取り組みたい課題はまだまだあった。

 

生産管理の面でも、人材の育成が難しい状況は同じだった。業界未経験の新人など、図面が読めない人だと、正しい情報を効率的に探すのは難しい。例えば、「図面番号が一つだけ違うもの」「図面番号は同じでも更新が入ることで寸法が変更されているもの」などは、経験が浅い人だと目的の図面に辿り着くことは容易ではない。また、決められたフォルダに情報を集約するというルールを制定してもなかなか定着せず、ルールに沿って探しても、必要な情報にたどり着けないことは珍しくなかった。経験が浅い人材にも、安心して仕事を任せられる環境の構築が求められていた。

92歳の先代から継いだ代表という職務と展望

求められる見積もりの効率化と属人化の解消

森鉄工所では、多品種少量生産の加工を請け負っている。品種ごとに見積もりを行う必要があるため、その都度過去の情報を確認するのは時間がかかる。また、受注後の加工指示も品種ごとに指示する必要があり、過去の情報が使えないとかなりの労力が必要だ。担当者は記憶を頼りに過去の資料を探すが、見つからずに社内の基準に応じて金額を再度付け直すこともあった。

さらに、見積もりを行う際のフォーマットも共通化されていなかったため、第三者が確認するのに手間がかかる状況だった。属人化している状態が望ましくないことは認識できていたが、業務負荷が高いことから腰を据えた改善も難しく、新しい人材の育成も進められなかった。

 

多品種の見積もりを行える従業員は二人しかいない。今後、受託加工の業務を拡大していくためには、二人が対応できる見積もりの件数を増やすための効率化が必要だ。また、新たな人員を育成するために、時間の確保に加えて、戦力化を早めるための仕組みが求められる。共通のフォーマットを用いる見積もりシステムの作成には着手していたが、まだ十分な成果は得られていない状況だった。

求められる見積もりの効率化と属人化の解消

日本の製造業が輝くために。受託加工の拡大に向けて

森氏は、製造業を取り巻く現状に関してこう話す。「国内のメーカーで、一度は海外に出した生産拠点を国内に戻していく動きが増えています。一方で、部品製造を委託する加工屋はどんどん減っているので、メーカーは委託先がないという厳しい状況です。もう一度日本の製造業が輝くために、委託先がない企業の加工委託を受けられるようにしていきたいですね。そのためには、技術継承を進め、若い人が働きたい会社にする必要があります。CADDi Drawerは、情報の一元管理や図面を軸に情報を紐づけるという考え方。まさに、私が『あったらいいのに』と思っていたものと同じでした。」

 

CADDi Drawerの導入・活用によって、少しずつ森社長の目指す姿に近づいている。

受託加工の一連の流れについては、図面に受注後の加工指示書が紐づけられた。その他過去の情報に対しても、材料の確認や手配、生産工程決め、製造へのフィードバックなどが紐付けられ、必要な情報に速やかにアクセスできる状態が構築できた。

 

営業担当の吉田氏は、CADDi Drawerでの検索についてこう話す。「細かく品番や品名を入れなくても類似検索で必要な情報が見つかりますし、サムネイル確認できるのでファイルを開いて探す必要もありません。最近営業先の入れ替えがあり、担当が変わったことで、異なる見積もり額を出すことができなかったので、過去の情報をすぐに把握できるのはすごく助かっています。」

 

また、生産管理の谷口氏は、属人化解消に向けた効果を実感している。「これまでは、どんな案件でも自分で工程決めをしていました。今は、CADDi Drawerで過去の情報をすぐに見つけられるようになったので、過去実績品や類似品は新人や慣れていないメンバーに任せています。その分空いた時間で、実績のない案件や特殊なケースに注力できるようになりました。」

 

業務効率化によって、これまで中軸を担っていたメンバーが、育成や新たな取り組みに時間を割けるようになってきた。まだ導入直後で、CADDi Drawerの一部の機能しか使えていないような状態でも、早速結果が出ている。さらに多くの機能を使いこなすことで、「町工場から、さらに一歩先へ進めるのでは」と感じている。

日本の製造業が輝くために。受託加工の拡大に向けて

加工も加工以外も。優秀な人が楽しめる会社へ

森鉄工所の今後について、森氏は強く語る。「5年後、10年後は、加工もやっていたいですし、加工以外のこともやっていたいですね。優秀な人が集まって、外からはかっこよく見える。でも、実は中の仕事は泥臭く取り組む。その泥臭さすらも、楽しんで乗り越えられるような職場でありたいと思います。社会を変えるという気概をもって働くって、かっこいいと思いませんか?」

 

町工場から、さらに一歩先へ進むことを目指し、日本の製造業を再度輝かせるために奮闘する森鉄工所。CADDi Drawerは、森鉄工所の目標の実現に向けて、伴走していく。

加工も加工以外も。優秀な人が楽しめる会社へ
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