社名
株式会社弥富製作所
設立
昭和29年 4月
従業員数
50名
売上高
非公開
業界
金属加工業
事業内容
ホイスト走行車部及び減速機の機械加工及び組立、モーターブラケット・フレーム・シャフトの加工、各種バルブの部品加工・組立、工作機械部品・変電設備関連部品・その他一般機械部品の加工等
株式会社弥富製作所

事例 CADDi Drawer

このままだと業界の変化についていけなくなる。未来を見据え会社を変えるために始めたのは、過去データの活用

代表取締役

角谷秀樹

総務部長

角谷由梨

導入前・導入後

社長が見積もり業務を1人で全て行い、進捗状況が可視化されておらず、担当者がお客様から督促を受けることも。紙やPDFファイルで図面が残されていて、記憶を頼りに過去の図面を探していた。

見積もり業務を分担し、担当者が進捗状況を確認できるように。また製造現場で事前に図面を見られるようになり、予測して段取りを立てられるようになった。

インタビュー

見積もりできるのは社長だけ。属人化し、情報共有も進まず、過去データも活用しきれない、見積もりにおける課題

 昭和29年設立の株式会社弥富製作所は、モーターやホイスト向けの部品を中心として、様々な金属部品加工を行っている。多品種少量での切削加工を主に行い、対応できる部品の種類の増加とともに年々業績を伸ばしてきた。難しい加工であっても、お客様からの依頼には積極的に対応し、信頼も厚い。設備の増強も進めており、今後も業績の伸びが見込まれる。

 

 弥富製作所では、見積もり業務に課題を持っていた。日々多くの見積もり依頼の図面が、お客様からメールやFAXで生産管理の担当者に送られてくる。見積もり作成は代表取締役の角谷氏が全て行っていたため、担当者は送られてきた図面を角谷氏に全て作成を依頼、完了次第お客様へ返答する。回答期限や作成の進捗に関しては角谷氏ひとりが管理していたため、作成が遅れていても担当者には進捗が分からない。お客様への状況説明がないまま時間が経ってしまい、催促を受けることもあった。見積もり作成を角谷氏がひとりで行うのではなく、役割分担をし、進捗状況を可視化したいと考えていた。

 

 見積もり業務における課題はもう1点ある。図面の保管と活用についてだ。以前は基本的に紙で図面を保管していた。数年前からは、角谷氏以外でも作業指示などができるように、図面をPDF化して保存し始めた。PDF化された図面は8000枚以上になり、徐々に活用されるようになってきた。しかし、PDFの図面は、受注されて実際に生産したものだけである。見積もりだけを行った図面に関してはPDF化されておらず、紙のままの図面が大量に保管されているだけであった。例えば、見積もりだけで生産されなかった図面の内容を一部変えて再見積もりをするような場合には、図面の変更点や過去の見積もり実績を確認して再見積もりを行うことになる。

 

 そのような場合は、角谷氏が記憶を頼りに紙の図面の束から過去の図面を探していた。また、新規の見積もりで、過去の類似形状の図面を参考にして見積もりを作成しようとしても、記憶を頼りにPDFファイルを一枚一枚開いて類似図面を探すことになり、時間がかかり、非常に効率が悪かった。

見積もりできるのは社長だけ。属人化し、情報共有も進まず、過去データも活用しきれない、見積もりにおける課題

CADDi Drawerで業務分担と情報共有が実現。製造現場で先回りの作業が可能に

 角谷氏は、DXによる業務改革や効率改善に関心が強かった。業績を順調に伸ばし、製造業全体が変わっていく中で、このままでは世の中の動きについていけなくなる可能性があると考えていたからだ。そうした中で、キャディから図面データ活用クラウドCADDi Drawerを紹介された。

 

角谷氏

「製造業は、年配の人同士が昔ながらの価値観でやり取りをすることが多いと感じている。キャディの方は、皆さん若く、スピード感があって良かった。未来を見据えた話が多くできました。」

 

 弥富製作所では、CADDi Drawerの導入を決めた。運用開始後は、新規で見積もり依頼が来た際、その図面はCADDi Drawerに保存し、見積もり価格が紐づくようになっている。これにより、今まで角谷氏が全ておこなっていた見積もり作成作業を、担当者へ分担できるようになった。依頼を受けた担当者は、過去の図面の見積もり価格や材料費などの情報を調べてから、角谷氏に見積もり作成を依頼するようになっている。

 

 また、担当者側ではCADDi Drawerを使うことで、どの図面が見積もり中なのか、見積もり回答済みなのかを確認でき、進捗状況が可視化されるようになった。角谷氏側では、現在依頼が来ている図面がどのようなものであるかを一覧で見られるようになっている。見積もり業務におけるコミュニケーションが円滑になり、効率が大きく改善された。

 

 さらに、製造現場においては、見積もり依頼の来た図面がCADDi Drawerで見られるようになり、受注して実際の図面が製造現場に来る前に、事前情報として確認ができるようになった。これにより、加工の段取りや、業務の内容を事前に予想して準備しておくことができ、製造現場の効率改善にも役立っている。

CADDi Drawerで業務分担と情報共有が実現。製造現場で先回りの作業が可能に

若い世代に経験や知識を伝えていく。

 CADDi Drawerで若手への知見の共有をし、さらに製造現場でも活用を

 

角谷氏

「今までは図面を探すことが大変でした。図面と見積もりデータが蓄積されていくことにより、CADDi Drawerを使って過去のものを調べるのが普通になりました。今後はもっと製造現場で活用できるようにしたいと考えています。少し前から、別のシステムを使って、治具の組み方や加工の段取りといったノウハウを画像に撮って残していました。これを図面に結び付けることによって、類似品が来た時に、CADDi Drawerで図面を探してそのノウハウを活用することができるようになります。品質管理の情報も結びつけてCADDi Drawerで活用していきたいです。

 若い社員が増えてくると、今までの経験や知識をうまく伝えていかなければなりません。CADDi Drawerで過去の知見を共有できるのを目指しています。若い人は覚えるのが早く、積極的に使ってもらえるので、頼もしく感じています。」

弥富製作所は、CADDi DrawerによりDX推進を加速させ、さらなる業務の効率化とデータ活用を実現していく。

若い世代に経験や知識を伝えていく。
顧客事例一覧に戻る