社名
三研工業株式会社
設立
昭和27年11月1日
所在地
愛知県安城市箕輪町唐生197番地3
売上高
非公開
業界
金属加工業
事業内容
メッキ加工、金属の表面処理加工
三研工業株式会社

事例 CADDi Drawer

労働環境の厳しさから人材獲得が難しい表面処理業。今後の会社の成長に必要なのは、生産性の向上。 紙ベースの仕事からデジタルへの転換を行い足元業務の改善から、全社での生産性向上を実現する。

代表取締役

沓名 勝正

導入前・導入後

業務効率を改善して利益率を上げたいが、紙でのやり取りが主で、業務のデジタル化が進んでおらず効率化を進められない。

図面のやり取りが紙からデータに代わり、業務効率が改善。品質不良を出さない仕組みを構築していく。

インタビュー

効率化のためのデジタルツールを探したが、何年探してもこれだというサービスに決めることができなかった。

三研工業株式会社は、創業から70年以上にわたりメッキ加工、金属表面処理加工を行ってきた。硬質クロムメッキ、亜鉛メッキ、無電解ニッケルメッキなどのメッキ技術を持ち、特に大物、長尺物の対応では、国内トップレベルの技術と設備を備えている。長い歴史により培われた技術と豊富な経験により、お客様の要望に迅速に対応し、ハイクオリティな製品を提供し続けている。

 

三研工業が関わるメッキ業界では、後継者不足や環境問題への対策など、多くの課題を抱えている。また、希少性や特殊性の高いメッキ技術に対する認知が低く、価格への反映が難しい状態が続いてきた。そのため、価格競争が激化し、売上を上げるだけでは、十分な利益に結び付かなかった。

 

三研工業では、既存の事業を継続しつつ、メッキ業界内での事業拡大を目指してきた。それを実現するための方針として、利益率を重視し、生産性や業務効率の改善を目指している。代表取締役の沓名氏は、業務効率改善の方法として業務のデジタル化の推進を挙げる。

 

「どうしたら業務が楽になるかを考えたとき、人が実際に手を動かして作業をしているような時間がかかってる作業をデジタル化していきたい。そこから生産性向上を実現することで利益を出す。」

 

「今までは社内業務のデジタル化は全く進んでいませんでした。お客様から電話を受けたら、品番を書いた紙を持って現場にいって、この品物は無いかと聞く。図面も印刷してから持って行きます。本当に紙でのやりとりがメインで、無駄が多いとは考えていました。紙でのやり取りを減らせるように、図面管理システムの導入は以前から考えていました。自分たちが希望する項目を複数挙げて、3、4年探し続けていたのですが、希望を満たすものはなかなか見つかりません。最終的に、どこかのベンダーにお願いして自社で作ることを検討していました。」

 

効率化のためのデジタルツールを探したが、何年探してもこれだというサービスに決めることができなかった。

自社でのシステム構築を取りやめ、CADDi Drawerの導入を決定。図面が紙からデータに変わる。

 自社での独自の図面管理のシステム構築が決まりかけていた時、沓名氏は展示会で図面データ活用クラウド CADDi Drawerを知った。機能の説明を受け、自分たちの希望を満たせると考えた沓名氏は、トライアルを経た後に導入を決定する。キャディとのやり取りを通して、これならば自分たちの希望を聞いてくれて、しっかりやってくれると思えた点も導入の決め手となった。

 

「CADDi Drawerの導入は、図面を探す工数を減らす目的もありましたが、現場の社員にデジタルに慣れてもらいたいという点もありました。基幹システムは使っていますが、それ以外の所でも活用すれば業務が楽になることを知ってもらいます。その次には、品質不良対策として、CADDi Drawerに情報を蓄積し、簡単に共有できるようにして、不良を無くしていく。」

 

また、図面を他拠点に送る際には、印刷してFAXを使って送っていました。お客様からは、図面を紙で貰って一度コピーしたうえで、見積担当者が見積もりをしていました。その後、見積内容と図面をスキャンしてから、紙でファイルに保存していました。何度も印刷とスキャンの工程があり非常に無駄が多い作業でした。今後は基本的に図面はデータにしていきたいので、今は一部のお客様にも図面はデータでくださいとお願いをし始めています。」

 

 三研工業では、CADDi Drawerの導入をきっかけに、RPAやAI OCR、訓練研修用のVRシステムの導入といった、業務効率改善に向けた様々なデジタル化を検討している。より働きやすい環境を作り、利益率を上げるだけでなく、離職率の低下も目指している。

 

自社でのシステム構築を取りやめ、CADDi Drawerの導入を決定。図面が紙からデータに変わる。

メッキ業界を変え、地域貢献や環境対策も推進していく

 三研工業は、CADDi Drawerを活用することで、今後さらにお客様とのデータ連携を強化し、紙からデジタルへの移行を促進していく計画だ。業務効率を改善することで利益率を向上させて、生まれた利益を従業員へ還元していく。さらに、メッキ業界の認知向上とともに、「安価なメッキ」という認識を変え、高品質かつ価値あるサービスの提供を目指していきたいと沓名氏は話す。

 

「メッキがどういうものか、皆さんにもっと認知してもらいたい。今は昔のように極端に安い単価でやる時代ではありません。単価を上げて、よりいいものを作っていく方向に転換する必要がある。それから、この業界だけの話かもしれないですが、今までのメッキ業界では横のつながりが少なかった。世代が変わり、情報交換も含めて、横のつながりが出来始めています。案件を取り合って、どこかが安くやるみたいなことは無くしていき、業界全体の利益構造の改善をしたいと考えています。」

 

 三研工業では、利益の従業員への還元に加え、地域貢献や環境対策も目指している。

 

「当社は今年創立70年で、安城市も市になって72年です。祖父の代からこの地で事業を続けて、やっとここまで来ました。表面処理の事業は制約があって色々難しいですが、今まで築いた会社の伝統を守りつつ、これまでのやってこれた恩が安城市にはある。安城市にも何らかの形で還元していたいと考えています。」

 

「表面処理の業界はやはり環境への影響の話は切っても切り離せません。そのため、自然環境への配慮は常に意識しています。工場にソーラーパネルをつけることでの自然エネルギーの活用や、殺風景になりがちの工場の敷地にもっと木を植えて緑化を進めたいとも考えています。建物の制約で難しいですが、他にも何かできるような環境対策は行っていと考えています。」

 

三研工業は、CADDi Drawerを活用することで利益をより多く出せる会社へ変革し、従業員や地域へ還元するとともに、業界全体の改善に貢献していく。

メッキ業界を変え、地域貢献や環境対策も推進していく
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