三研工業株式会社は、創業から70年以上にわたりメッキ加工、金属表面処理加工を行ってきた。硬質クロムメッキ、亜鉛メッキ、無電解ニッケルメッキなどのメッキ技術を持ち、特に大物、長尺物の対応では、国内トップレベルの技術と設備を備えている。長い歴史により培われた技術と豊富な経験により、お客様の要望に迅速に対応し、ハイクオリティな製品を提供し続けている。
三研工業が関わるメッキ業界では、後継者不足や環境問題への対策など、多くの課題を抱えている。また、希少性や特殊性の高いメッキ技術に対する認知が低く、価格への反映が難しい状態が続いてきた。そのため、価格競争が激化し、売上を上げるだけでは、十分な利益に結び付かなかった。
三研工業では、既存の事業を継続しつつ、メッキ業界内での事業拡大を目指してきた。それを実現するための方針として、利益率を重視し、生産性や業務効率の改善を目指している。代表取締役の沓名氏は、業務効率改善の方法として業務のデジタル化の推進を挙げる。
「どうしたら業務が楽になるかを考えたとき、人が実際に手を動かして作業をしているような時間がかかってる作業をデジタル化していきたい。そこから生産性向上を実現することで利益を出す。」
「今までは社内業務のデジタル化は全く進んでいませんでした。お客様から電話を受けたら、品番を書いた紙を持って現場にいって、この品物は無いかと聞く。図面も印刷してから持って行きます。本当に紙でのやりとりがメインで、無駄が多いとは考えていました。紙でのやり取りを減らせるように、図面管理システムの導入は以前から考えていました。自分たちが希望する項目を複数挙げて、3、4年探し続けていたのですが、希望を満たすものはなかなか見つかりません。最終的に、どこかのベンダーにお願いして自社で作ることを検討していました。」