抱えていた課題
CADDi による解決
「BIM/CIMだけでは勝てない」―― “文脈”をつなぐために選んだ、必然の選択
建設業界でDX推進の鍵とされるBIM/CIM。しかし、三建設備工業でDXを牽引する日比氏は、その先に潜む課題を冷静に見つめていた。
日比氏
「建設業は特殊な業界ですが、BIM/CIMだけでは勝てない、というのが私の結論です。そこから“文脈”のようなものが生まれてこない。我々が従来使ってきた図面や書類は、その文脈を経て完成した人の想いの形です。これをどう繋いでいくかと考えた時、BIM/CIMだけでは限界があると感じました」
過去の経験則という「属人化」した知見。その背景にある意図や経緯といった「文脈」。それら無形の資産をいかにして組織の力に変えるか。当初、調達マネジメントの文脈で出会った製造業AIデータプラットフォームCADDiに対し、日比氏は別の可能性を直感していた。それが、CADDiのアプリケーションである「製造業データ活用クラウド CADDi Drawer」であった。あらゆる図面や書類を繋ぎ、そこに眠る「意味」を抽出できるのではないか。その確信が、同社のDX戦略を大きく前進させる号砲となった。
“入れる”行為から生まれた大きな変化。組織変容で生まれた「まず試してみる」文化
導入から半年。三建設備工業は今、最も重要かつ地道なフェーズにある。それは、社内に散在する膨大な情報をCADDiに「入れる」ことだ。DXチームは全国の支店に足を運び、対話を重ねている。
高橋氏
「まず『CADDiって何なの?』というところから始まります。目先のメリットが見えないと、なかなか使おうと思ってもらえません。そこで支店を回り、ヒアリングしながら『こういう使い方ができるよ』と模索している段階です」
地道な活動は、着実に組織の意識を変えつつある。これまで眠っていた多種多様な書類や図面が、全国から集まり始めたのだ。
高橋氏
「『これも入れてみよう』『あれも入れてみよう』と、皆が『これを入れたら何かできるんじゃないか』という思いを持っている。CADDiを入れたことで、やっとみんなが動き出した感じです。まず『入れてみよう』という機運が生まれただけでも、大きな変化です」
この「まず試してみる」という文化は同社に深く根付いている。この土壌が前例のない挑戦を後押ししているのだ。
ベクトルを“内”から“外”へ。日本の建設業が世界に貢献するための「新たな羅針盤」
三建設備工業が見据えるのは、単なる社内業務の効率化ではない。その視線は、業界全体の構造変革、そして世界へと向けられている。
日比氏
「日本のDXは『業務の効率化』と、どうしてもベクトルが内に向いてしまいがちです。私が変えたいのはそこで、お客様含めて外向きのベクトルにし、我々が全てのステークホルダーに対して価値を提供できる企業に変えていく。それが建設業が今後生き残り、成長するためには絶対必要だと考えています」
日比氏によれば、日本の強みは、属人化と表裏一体で培われてきた「暗黙知」や「ノウハウ」の歴史にあるという。これをテクノロジーの力で構造化し、資産に変えることができれば、日本の建設業は世界に貢献できる。CADDiはそのための「きっかけであり、基盤になる」と日比氏は断言する。
日比氏
「何も考えずに、いつの間にか普通にCADDi Drawerを使っている、という形が理想です。そして、これを通して部署を、業界の構造を変えたい。キャディさん全体のソリューションをトータルで活用させてもらうことで、我々が目指している『業界を変えていく』ということが実現できるのではないかと感じています」
社内に眠る膨大なデータの先にある、ユーザーが本当に求めている情報の可視化。そして、協力会社を含めた全てのステークホルダーが共に成長できるエコシステムの構築。三建設備工業の挑戦は、日本の建設業の未来を照らす、新たな羅針盤となるだろう。
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