ベトナムは今、二輪車の市場が成熟期を迎えつつある。人口1億人を突破し、急速に豊かになるこの国では、かつて右肩上がりだった二輪市場が飽和に近づき、EVシフトという次の波も押し寄せ始めている。
二輪サスペンションを手がけるAstemo Hanoiにとって、この変化は経営の根幹に関わる問いを突きつけた。限られたパイの中で、いかにシェアを維持し競合に打ち勝ち続けるか ─── その答えを出すためには、競合の動向調査や、顧客要求対応の品質向上といった付加価値の高い戦略的アクションに、現場の時間とエネルギーを集中させなければならない。
しかし現場は、膨大な手作業と重複業務に埋もれていた。競争に勝つためのアクションが急務だとわかっていても、そのための時間が捻出できない。構造的な忙殺が、変革の足を止め続けていたのだ。






