レイズネクスト株式会社のタンク本部は、石油化学タンクなどの設計および各事業所と連携して施工を手がける部門で、全国各地のタンク建設・メンテナンスの事業を行っている。タンク事業は同社の強みの一つとなっており、高度成長期に大型タンクを製造してきた数少ないメーカーとしての実績を持つ。
「当社のタンク事業は、過去数年~数十年前に建設されたタンクのメンテナンスが中心であり、新たなタンクを建設することは少なくなっている。そのため、過去の図面を管理し、活用することが事業遂行において非常に重要になる」と谷内氏は語る。
しかし、この業務には大きな課題があった。設計グループの福井氏は「ベテランの方たちも年々退職していなくなっている。補修とはいえ単に元あったものをそのまま直すのではなく、機能改善や課題解決のための改修・改造も行う。当時設計されていたものと時代背景が異なるので、作り方や材料も変わってくる。過去の図面の設計思想を解読するため、非常に苦労している」と課題を説明する。
また、タンク設計者として一人前になるには長い年月を必要とする。谷内氏は「一言で言えば経験。それから失敗。そして、それらに対してどのように向き合っていくか」と人材育成の難しさについて語る。