現在、自動車産業は異業種からの参入なども含めた100年に一度の変革期にあると言われ、CASE(Connected、Autonomous/Automated、Shared、Electric)とも表される4つの構造変化が起こっている。製品だけでなく、製造方法の改革も求められる中、「新経営体制における方針」を発表した株式会社SUBARU。重要なテーマの一つである「ひとつのSUBARU化」を推進し、柔軟でスピード感を持った風土・体制に立ち返り、製造・開発・サプライチェーンを高密度に繋げることによるモノづくりの生産性向上を掲げている。こうした中で、コストイノベーション推進部はビジネスモデルを含む原価に関する課題の形成・企画を中心に、組織全体に横串を通す部門として新設された。
SUBARUでは、新経営体制の下で「モノづくり革新」と「価値づくり」において世界最先端であることを目指している。「モノづくり革新」においては、各部門の各組織が自部門の領域において、各々の目標をリレー方式で達成するという現在の状態を変え、手番、部品数、工程を1/2にする取り組みを進めている。その一つが、非生産的な作業の削減である。
画像出典:https://www.subaru.co.jp/outline/about/policy/
これまで、設計部門で作成された図面は後工程の調達部門、製造部門等でも必要とされる一方、既存のシステムでは品番や品名、設計通知書ナンバーなどの基本情報がなければ検索ができなかった。多忙な設計部門に問い合わせをしても回答に1~2週間かかることも多く、問い合わせの度に業務が停滞していた。また設計部門内でも、異なる領域の設計者や、新人・経験の浅い担当者は、図面を探し出すのは困難だった。