製造業AIデータプラットフォーム CADDi

CADDi
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社名
株式会社アサヒ
設立
1946年
業界
電子部品・精密部品製造
事業内容
PC応用FA制御システム設計製作、公共事業、省力、省エネ、公害防止、等制御システム設計製作、PLC制御システム設計製作、マイコン応用電子制御システム設計製作、各種プリント基板設計製作、自社開発電子機器及び部品の設計製作、板金・製缶設計製作、医療機器修理業
株式会社アサヒ

事例 CADDi Drawer

制御盤設計の「暗黙知」を会社の「資産」へ。アサヒが挑んだ、一品一様のモノづくりを支えるデータ変革の舞台裏

生産本部 副本部長

米本 賢一

生産本部 技術部設計課 課長

秋山 祐二

生産本部 技術部設計課 技師

佐藤 伸樹

導入後の効果

板金図面(形状図面)と回路図(電気図面)のいずれでも、類似検索機能を活用して設計効率化と新図抑制を実現

製造部門からの問い合わせ対応や、営業部門での過去データ活用が進み、複数の部署で生産性が大幅向上

圧倒的なデータ量を短期間に投入し、全社を巻き込んだ利用活性化を後押し

インタビュー

「描いたほうが早い」という諦め。属人化が招いた技術継承の限界

株式会社アサヒの強みは、顧客のこだわりに応えきる柔軟な設計力にある。しかし、その裏側では「一品一様」ゆえの深刻な課題が横たわっていた。

 

同社の設計業務は、一人の担当者が打ち合わせから図面作成、部品発注、現地立ち上げまでを一貫して担うスタイルが基本だ。この体制は高い専門性を生む一方で、情報は個人のハードディスクや記憶の中に「暗黙知」として蓄積されていった。

 

設計課の佐藤氏は、当時のもどかしさをこう振り返る。「サーバー内のフォルダ構造は人それぞれで、どこに何があるか、その人の『癖』を知らないと見つけられない。10分探して見つからなければ、もうゼロから描いたほうが早いと諦めていました。熟練者は自分の型で描いてしまい、新人は過去の資産があることすら知らずに、同じ図面をまた一から考える『車輪の再発明』が起きていたんです」

 

さらに、同設計課の秋山氏は「案件の波」によるパンク状態を危惧していた。「特定の担当者に負荷が偏った際、他の人に仕事を振りたくても、過去の資料が見つからず、結局引き継ぎサポートが必要になる。それでは分担の意味がありません。上流の設計が詰まれば、最終的に現場(製造)に無理を押し付けることになってしまう」

「描いたほうが早い」という諦め。属人化が招いた技術継承の限界

(左から)株式会社アサヒ 秋山 氏 佐藤 氏 米本 氏

覚悟のデータ投入。「ミニマムスタート」を捨て、10年分の資産を解放する

この状況を打破するために選んだのが、製造業AIデータプラットフォームCADDi(以下、CADDi)だ。生産本部副本部長の米本氏は、導入にあたって「ミニマムスタート」という安易な道を選ばなかった。

 

米本氏
「CADDiで成果を出すための取り組みにおいて、勝負を分けるのはデータの量だと思いました。制限を気にして小出しにするのではなく、まずは全顧客の5年分、主要顧客については10年分の図面、手配書、受発注データなどをすべて取り込むという『覚悟』を決めました」

 

データを投入する作業は容易ではなかった。しかし、現場で実際に使われているデータを取り込むことで、各部署の担当者はその効果を実感し、納得感を得ることができた。

 

特に、形状検索が難しいとされていた「回路図」のデータ投入については、当初迷いもあった。しかし、現場の気づきと強い熱意がその課題を乗り越える原動力となりました。

 

秋山氏
「ある担当者が試しに回路図を入れてみたところ、特定の部品型式やモーター容量などのキーワード検索が、電気設計において非常に有効だと気づいたんです。そこから一気に1ヶ月で全図面を投入しました」

覚悟のデータ投入。「ミニマムスタート」を捨て、10年分の資産を解放する

生産本部 技術部設計課 課長 秋山 祐二 氏

「キャディで見た?」が合言葉。営業も現場も巻き込む変革の波

CADDiによって点在していたデータが構造化・統合され、そのデータをCADDiのアプリケーションである製造業データ活用クラウドCADDi Drawer(以下、CADDi Drawer)から各部門が横断的に活用できる環境が整うと、社内の風景は一変した。

 

形状を持たない回路図は、機械図面のように物体の形状で類似検索はできない。しかし、CADDi Drawerでは、部品の型式、モーターの容量、機器名といったキーワードで検索することで、求める回路図に近いものを容易に見つけ出せるようになった。その結果、設計業務の工数削減につながっている。

 

また、「あれ、何だっけ?」から始まっていた製造部門からの問い合わせへの対応は、CADDi Drawerを介することで劇的に効率化した。

 

佐藤氏
「現場からの電話中に、製造番号を叩けば即座に図面が出てくる。今までは『折り返します』と言って資料を探しに行っていた時間がなくなり、その場の回答で完結するようになりました」

 

さらに、変化はそれだけにとどまらない。営業部門でもCADDi Drawerの活用が始まった。営業担当者が、CADDiに取り込んだ受注リストに、関連データのURL(SharePointのURL)、各種製造書類、帳票データを紐づける取り組みも功を奏し、製造番号から図面、発注データ、さらには受注の背景情報まで、一連の情報がスムーズに把握できるようになった。

 

秋山氏
「今では上司からも『その図面、キャディで見た?』という声がかかります。若手も、まずは自分で類似案件を検索してから質問に来る。コミュニケーションの質が『探し方を聞く』から『設計の妥当性を確認する』へと高度化した実感があります」

「キャディで見た?」が合言葉。営業も現場も巻き込む変革の波

生産本部 技術部設計課 技師 佐藤 伸樹 氏

技術継承の壁を越え、次世代の設計者を育てる未来の基盤へ

米本氏は、今回の変革の本質を「資産の有効活用」だと語る。「設計の属人化は、ある意味でその会社独自の強みの裏返しです。しかし、過去の知恵が引き出せない状態では資産とは言えません。CADDiは、いわば『引き出せなかった銀行口座』を自由に使えるようにしてくれた。これにより、ベテランがいままで培ってきた経験が、本当の意味で会社の資産になったのです」

 

一品一様かつ図面をはじめとしたドキュメント種類が多い制御盤メーカーであっても、CADDiは強力な武器になる。今回は膨大な過去データ投入に多大な労力を要したが、キャディの担当者が寄り添い、運用まで徹底的に伴走したからこそ、この変革を実現することができた。

 

属人化された暗黙知という「牙城」を守るのではなく、それを「共有可能な資産」へと昇華させたアサヒ。”顧客のこだわりに応える制御盤メーカー”の誇りを守り続けるための彼らの挑戦は、これからも続いていく。

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