CADデータとは?拡張子の選び方や変換する方法を解説
製造業のDX推進に伴い、取引先からCADデータでの図面提出を求められるケースが増えています。これまで紙図面やPDFが中心だった企業にとって、CADデータの取り扱いに悩むことも多いでしょう。
特に、CADソフトの違いによるデータ形式の問題や、変換作業の非効率さ、安全な共有方法の確立などが課題となっています。さらに、限られたリソースでこれらの課題に対応しながら、通常業務も進めていかなければなりません。
しかし、CADデータの拡張子や変換方法がわかれば、これらの課題を解消でき業務効率化はもちろん、取引先とのやり取りをスムーズに行えます。
この記事では、CADデータの基礎知識から拡張子の種類や効率的な変換方法などを解説します。
目次
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CADとは
CAD(Computer Aided Design)は、コンピュータを用いて設計や製図作業を支援するシステムのことです。CADは製図データの修正やデータの管理が容易に行えるツールで、製造業や建設業など多くの業種で使用されています。CADを使用することで、設計・製図作業の効率化や品質向上を実現できます。
2D CADとは
2D CADは、平面的な図面を作成するためのシステムです。従来の手描き製図をデジタル化することで、作業効率を大幅に向上させます。
2D CADの主な特徴は、図面の修正が簡単にできたり、図面をデジタルデータとして保存・共有できたりする点です。機械部品の設計図や建築の平面図など、平面的な図面を作成する際に活用されています。
3D CADとは
3D CADは、製品や建築物を立体的に設計できるシステムです。従来の2次元図面と異なり、高さ・奥行き・幅の3次元で対象物を表現できます。
3D CADの特徴は、実物に近い形で設計できるため、イメージの共有が容易である点です。また、干渉チェックや強度解析などのシミュレーションが可能で、設計データを元に3Dプリンターでの造形にも対応しています。
3D CADの活用により、設計の効率化だけでなく、試作回数の削減やコスト削減にもつながります。
CADデータの拡張子
拡張子とは、ファイルがどのような種類のデータなのかを示す識別記号です。例えば、「.dwg」や「.dxf」といった拡張子を確認することで、そのCADデータがどのソフトウェアで作成され、どのソフトウェアで開けるのかを判断できます。
拡張子の種類と用途は以下の通りです。
フォーマット | 特徴 | 主な用途 |
DWG |
|
2次元・3次元CADデータの作成・編集 |
DXF | CADソフト間のデータ交換用形式 | 2D図面の受け渡し |
IGES | 3次元CADデータの交換用標準フォーマット | 単純な形状データの交換 |
STL | 3Dプリンター用の標準フォーマット | 3Dプリンターでの出力 |
CADデータの拡張子は、用途や取引先との関係性に応じて適切に選択する必要があります。
拡張子の選び方
CADデータの拡張子を選ぶ際は、プロジェクトの種類や使用するソフトウェアの互換性を確認することが重要です。まずは社内での設計・編集が目的なのか、取引先とのデータ共有が必要なのか、3Dプリンターでの出力を行うかなど、プロジェクトの目的を確認しましょう。
また自社で使用しているCADソフトの種類、取引先が使用しているCADソフトの種類、両者の互換性の有無など、使用するCADソフトの確認も必要です。
取引先とのデータ受け渡しでは、互換性の高いフォーマットを選択します。これらの要素を総合的に判断し、プロジェクトに最適な拡張子を選択することで、スムーズなデータ連携と効率的な作業が可能になります。
CADデータの拡張子を変換するケース
CADデータの拡張子を変換する必要性は、主に以下のようなケースで発生します。
- 取引先が異なるCADソフトを使用している場合
- 過去の設計データを新しいCADソフトで編集する場合
- 3DプリンターでSTLファイルを出力する必要がある場合
- 図面をPDF形式で共有したい場合
適切な拡張子への変換ができないと、図面の展開や共有ができず、業務に支障をきたします。一方で、必要に応じて拡張子を変換できれば、取引先との円滑なデータ共有が可能になります。
このように、CADデータの拡張子変換は、業務の効率化や他システムとの相互運用性を確保するために欠かせない作業なのです。
CADデータの拡張子を変換する方法と注意点
CADデータの変換には専用の変換ソフトを利用する方法やオンラインの変換サービスなどがあります。この章ではCAD形式を変換する方法や注意点を解説します。
専用の変換ソフトを利用する
CADデータの変換には、専用のソフトを利用するのが確実な方法です。代表的な変換ソフトとしてProTRANSやAide PDF to DWG Converterなどがあります。特に3DCADデータの変換では、形状や寸法の正確性が重要となるため、信頼性の高い専用ソフトの使用をおすすめします。
ただし、最新バージョンのCADデータを扱う場合は、使用するソフトのバージョンにも注意が必要です。導入する際は、各ファイルのバージョンへの対応状況を確認してから導入を検討しましょう。
オンラインの変換サービスを活用する
オンラインのCAD変換サービスを利用することで、専用ソフトのインストールなしで手軽にファイル形式を変換できます。代表的なサービスは、CADデータ変換サービスDAREやCADdoctorなどです。これらのサービスは、Webブラウザからアクセスし、変換したいファイルをアップロードして出力形式を選択するだけで利用できます。
ただし、オンラインCAD変換サービスを利用する際は、データ流出やスパイウェアの感染リスクがあるため注意が必要です。データセキュリティサービスを活用するなどして、セキュリティ対策を行いましょう。
効率的なCADデータ管理方法
CADデータの管理において、多くの企業では個人ごとに保存方法が異なったり、最新版の特定が困難になったりするなど、さまざまな課題に直面しています。特に図面の修正履歴が不明確になったり、関連資料が社内に散在したりすることで、業務効率が著しく低下するケースも少なくありません。
CADデータ管理を効率化するためのシステムとして有効なのが、製造業の設計や開発で使用されるPDMです。PDMを導入することで、CADデータの紐付けを可能とし、最新版のデータを社内で一元管理できます。また部品や図面などをファイル名や番号で検索できるため、煩雑になりがちな図面検索を時短で行えます。
まとめ
CADデータは、設計・製造プロセスにおける重要な情報資産です。効率的な運用と円滑なデータ共有を実現するためには、用途に応じた適切な拡張子を理解し、選択することで、スムーズなデータ連携を可能にします。
また専用の変換ソフトやオンライン変換サービスを活用することで、取引先とのスムーズなデータ共有が実現します。このように、CADデータの基本的なポイントを理解することで、関連するトラブルを防ぎ、業務効率を大幅に向上させることができます。
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