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CADDi DRAWER 活用現場に密着取材

わずか半年で全社横断の生産性向上を実現課題解決のカギは過去の図面のフル活用だった

富士油圧精機株式会社様

  • 設立
    1965年
  • 従業員数
    85名
  • 売上高
    非公開

印刷機械関連装置、上製製本機械ライン、並製製本機械ライン、事務機・電動帯封機、一般産業機械の自動省力機械の設計、制作及び販売・サービス、メカトロニクス機械の製造・販売

話し手:第二工場長 執行役員 剱持卓也氏

離職者増加で抜けた穴も埋まらない。社外取のアドバイスで図面DXに着目

富士油圧精機株式会社は、印刷機械関連装置を主軸とする自動省力化機械のメーカーだ。近年、デジタルメディアへの移行が進み市場は縮小傾向。世界的に人気の高まるトレーディングカード向けカードフィーダー装置のグローバルトップメーカーの地位を獲得するとともに、他分野への新規参入も不可欠と考えていた。

事業伸張の兆しがある一方、業務の属人化、離職者の増加、生産性低下等の悩みを抱えていた。過去実績を活用したくてもベテランの記憶頼りで誰かが離職すれば知見が失われる。システム化を進めたものの図面の取扱いを中心に紙のやりとりが残った。ある日、剱持氏は新任の社外取締役からこう問われたという。「なぜ図面を紙やPDFで扱うのですか?」「部署を横断してみんなで同じデータをみれたほうが便利なはず」「今は良いツールが社外にたくさんあるのだから探して試してみたらどうですか?」こうした対話が契機となり同社は改めて図面データ活用を始めようと決断、『CADDi DRAWER』の導入に至る。「今まで当たり前すぎて気づかなかったのですが、図面を探す・問い合わせる業務に時間を奪われ気持ちを擦り減らす人が会社中にたくさんいた。せっかくデータがあっても必要なときに取り出せなければ意味がありません」と剱持氏は振り返る。

ものは試しと、見積り・調達業務で着手。部署横断で成果が上がる

図面データ活用は調達・見積りの部署から始まった。「図面を探す」仕事にかかる時間が95%以上減少、短期間で目に見える形で成果があがった。わずか半年間で加工、製造組立て、設計、営業など全社横断で導入が進み、業務効率の向上と高度化が進んでいる。各所で従業員から図面データの活用を介した業務改善の提案があがるようになり、新規事業開発への取組みも始まったという。思わぬ効果として、リモートワークも可能となり人員の適切配置や中途採用など組織への良い影響も。図面データを使うだけで会社全体を巻き込む大きな変化が起きた。

DXは同社にとって殆ど初めての試み。そのうえ図面データ活用は他社に目立つような成功事例はなかった。始める際にどう決断したのだろううか。「実はROI試算を突き詰めずとにかく始めようと上役と握りました。当時の私たちには非常識なやり方でしたが、経営者が『絶対に成功することの証明』に時間を費やすよりアクションに集中し都度修正するほうが成功確率が高まると判断したこと。実行権限を私に預けてくれたことが決め手です。ありがたかったですね。」「今から半年前の業務の仕方にはもう戻れません。それくらい変わったのです。」

写真左から:
設計部長 伊藤雄一氏(設計)、第一工場長 執行役員 吉田忍氏(製造組立)、第二製造部 製造技術課 齊藤彩乃氏(調達・見積り)

導入後の各業務の変化

調達・見積

急ぎ案件もスムーズ。原価ブレや属人化も解消

同社では部品部材の製造加工を内作し、近隣事業社からの依頼も請け負う。調達・見積りの業務遂行には過去実績の図面を参照したいが時間がかかる。結果、業務は主に入社14年でベテランに集中・属人化していた。
導入後、図面が確実に見つかり、大幅な時短を実現、新人のアサインも可能に。

『CADDi DRAWER』にキーワード入力するだけで目当ての図面がすぐ見つかる

導入前

  • 大量のファイルやPDFから記憶を頼りに図面を探す
  • 頻繁に設計部署に図面の印刷を依頼し、行き来
  • 複数システムを往復しながら見積り工程を組む

導入後

  • システムで検索するだけ。図面探しが1分で終わる
  • 少ない手がかりでも探し出すことができる
  • 新規図面の工数減、類似図面で同じ工程を組める

製造組立

製造現場の気づきを図面を媒介に設計に連携

部品の組み上げ時、紙で供給される組立図は印刷サイズの限界で実際の大きさよりも小さい。細部の確認が必要な場合は設計部に依頼して紙の印刷を待っていた。
『CADDi DRAWER』導入後はタブレットで図面の目的の場所を拡大して確認。不具合などの現場のメモ追記・共有も可能に。

クラウドサービスは、タブレットやスマホで、製造現場からもアクセス・確認可能

導入前

  • 組立図の一部を設計に依頼して紙出力
  • 組上げ時の不具合を現場でメモするが共有できない

導入後

  • その場でタブレットで拡大して確認。印刷レス
  • 組上げ時の不具合はクラウドを通じて設計に共有

設計

本当に書くべき、より高度な設計に集中できる

開発案件が増え、顧客ごとの対応も必要な同社の設計。新図も増えがちだ。
以前は、1日何枚図面を書いたかが評価観点になり、その図面を書く必要が本当にあるのか検証されにくかった。今では、図面流用しやすくなり、ゼロイチの図面設計に工数を割こうという意識が生まれた。

過去図面のうち形状類似品もすぐに見つかる。CADと併用して『CADDi DRAWER』を利用して効果をあげているという

導入前

  • 過去の図面を検索せず、簡単な図面は書く
  • 図面を起こした数が多いほど評価されやすい

導入後

  • 新図の依頼がきたら、まず過去の図面を検索
  • 新図が減り全社コストダウン、高度な設計に

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