株式会社西野精器製作所は、板金・機械加工から表面処理まで一貫対応できる総合試作メーカーとして、多くのお客様から高い評価を受けてきた。最新鋭の設備を備え、20万件以上にも及ぶ製作実績により培われた高い技術力と万全の検査体制により、高精度の製品を短納期で製作している。他社で断られた加工の難しい製品であっても対応し、お客様のあらゆる試作・部品加工の要望に総合力で応えている。
西野精器製作所では、過去図面の活用に課題があった。試作は少量多品種での加工となるため、見積もり依頼の数が非常に多い。見積もり作成担当者は数名いたが、月に2,000枚にもなり、1人あたり週に200件にも及ぶ数を作成することもあった。類似形状の部品の見積もり依頼も多く、見積もり価格に差が出ないように、見積もり作成の際には過去の図面を参考にしている。図面を探す際には、経験のある社員に頼んで探していたが、記憶を頼りに紙で残された図面を見て探すことになるため、非常に時間がかかっていた。
また、過去図面の活用は、製造現場でも行われていた。新規の図面が来た際には、加工プログラムを新たに作成することになる。簡単な形状の物であれば一から作成しても良いが、複雑な形状の物では作成に2、3日かかる場合があった。そのような物でも、過去の類似形状の製品のプログラムを活用すれば2、3時間で終わる可能性がある。プログラムや加工工程、必要な金型、検査結果などの加工に必要な情報は、図面番号に紐づけられて管理されていたので、類似図面さえ分かれば見ることが出来る。
受注のうち7割ぐらいは新規で類似品が多く、時間短縮のためにも類似図面をなんとしても探し出したかったが、記憶を頼りに顧客名、品名、材料などで探すしか方法が無い。非常に時間がかかり、見つけ出せないこともあった。