株式会社東和理研は、無電解ニッケルめっき、硬質クロムめっき、アルマイト、黒染処理、パーカーなど、様々な金属表面処理加工を行っている。単品、量産品のどちらにも対応が可能であり、大型製品のめっき処理にも対応できる設備も備えている。各種金属表面処理が行える対応力と高い技術力により、お客様からの相談や紹介を受けることも多い。それにより、年々着実に業績を伸ばしてきた。受注件数の増加に合わせて新工場を操業させ、物流拠点を新設する計画も進めている。今後も受注増加が見込んでいる。
東和理研では、見積もり業務において大きな課題があった。見積もりは、お客様から営業担当にメールやFAXで図面が送られてきて依頼が入る。営業担当は数名いるが、見積もり対象となる図面の1人あたりの処理枚数が、1日あたり200枚にも及ぶことがあった。見積もり業務に多くの時間を取られ、営業が行うべき他の業務の時間を圧迫することになる。見積もり業務の効率化が求められていた。
また、見積もり価格は、おおよその表面積や表面処理の内容から、基準となる単価表を元に算出されている。しかし、似たような形状のものでも、営業担当により見積もり価格にバラつきが大きかった。同じお客様から依頼のあった似た形状の物を、以前と大きく異なる価格で見積もっていることも多い。同じ担当者が見積もりを行っていても、以前依頼を受けた物を記憶していなければ、そのような価格の差が発生することがあった。
東和理研では、お客様から送られてきた図面は、各担当者が各自のPCに保存しており、共有は行われていなかった。過去の類似図面と受注履歴を活用して見積もり業務を行い、価格のバラつきを減らすことも難しい状態である。見積もり業務の効率化のためにも、図面の管理や活用を円滑に行える新たな仕組みツールが必要だった。