1966年創業した株式会社イズミテクノは、アルミニウムに耐久性をもたせるアルマイト処理の専門メーカーだ。多くの業種のお客様を持ち、常に高い評価を受けてきた。2021年に竣工した宮城工場では、半導体装置メーカーを中心に、様々なお客様からの仕事を受注している。宮城工場に勤務する社員は数年で大幅に増えており、平均年齢は28歳と、若い世代が活躍している活気ある製造現場だ。
イズミテクノでは、図面管理に課題を持っていた。見積もりを行う際には、過去の図面を見て価格を参考にしている。図面はデータ化されていたが、参考となる類似図面を探すには、担当者の記憶に頼るか、図面名や期間などで絞って検索するしか方法が無かった。探し出すのに時間がかかり、非常に効率が悪かった。
また、お客様の元に訪問して営業活動を行う外部担当が、お客様との打ち合わせの際や、内部担当と連絡をとって詳細確認をしたい時などに図面を探して確認する必要がある。目的の図面を探すのに時間がかかるだけでなく、図面データに外部からアクセスするためのセキュリティ認証に時間がかかり、更に効率の悪い状態であった。
宮城工場においても、図面データの活用において課題があった。イズミテクノでは、見積もり段階でお客様から受け取る図面のほとんどが電子データとして送られてくる。しかし、受注後にお客様の製品についてくる図面は、紙ベースである場合が多い。加工についてお客様へ問い合わせる場合は、現場から営業に連絡が来るが、紙の図面を確認するために営業は現場に行かなければならない。また、見積もり時に送られてきた図面データを現場や生産管理が確認したい場合は、見積もり担当の営業に問合せて図面を送ってもらう必要があった。対応に時間がかかっていた。
他にも、類似案件やリピートの案件が来た際に図面を確認しようとしても、記憶を頼りにファイルを開いて探すか、見積時期や品名などから予想して探していくしか方法が無かった。見つけ出すのに非常に時間がかかり、効率が悪い。イズミテクノへの発注は短納期のものが多く、価格や納期の回答は速やかに行う必要があったが、図面検索に時間がかかれば対応が遅れる。類似図面を速やかに探し出せる方法が必要だった。