有限会社富張製作所は、エレベーターの設置工事で用いられる金属配管部品を主として、機械板金加工を長年行ってきた。エレベーター業界で40年以上培ってきた経験とノウハウを活かし、オーダー1品モノでも短納期で対応できる事を強みとしている。「利用視点」に立ったモノづくりをお客様と一緒に考えることを大切にし、お客様との長期的な信頼関係を築いてきた。
富張製作所では、送られてきた発注書と図面を元に部品を製造しているケースが大半だ。特注品は部品図面が添付されており、図面を元に通常はイチから製造が行われる。特注品の図面は、特別に管理するものでない限り、発注書と一緒にスキャンし、得意先発注番号をファイル名にして保存していた。
富張製作所で請け負っている特注品は、リピートでの発注も多い。リピートの間隔は、長ければ1年後になることもあり様々だ。特注品の図面は、同じ図面番号の場合もあれば、図面番号が異なる場合もあり、以前対応したものと類似の形状で寸法が異なる場合もある。同じものならば以前製作した加工情報を活用することが可能だ。近い形状のものならば、形状や寸法の多少の修正で対応することができる。生産効率を上げるには、過去の図面の活用は必要不可欠であった。
しかし、異なる図面番号での注文や、発注頻度が非常に少ない形状、新たな形状の場合、過去の実績がある図面や類似図面にたどり着くことは困難だった。探すには、受注時期、注文情報、担当者の記憶やメモ、CADデータから1つ1つたどる必要があり、すぐに探し出すことは難しかった。
また、以前に寸法が不明でお客様に問い合わせを行い確認をとった図面が、異なる図面番号でリピート発注となる場合がある。同じ箇所の寸法不明があっても、その都度、お客様に寸法確認をお願いする必要があった。実績がある図面と照らすことができれば、以前と同じでよいかなど、確認対応を改善できる可能性があるが、該当の図面を探し出すことは難しかった。