社名
徳山興産株式会社
設立
昭和26年
所在地
〒745-0037 山口県周南市栄町2丁目31番地
従業員数
170名
売上高
約43億円
業界
金属加工業
事業内容
ステンレス加工品の製造・施工・販売、製鋼用主原料の選別・切断処理・販売、ステンレスメーカー内での構内作業など
徳山興産株式会社

事例 CADDi Drawer

従業員への還元を増やすことが使命。実現するための生産性改善のために、過去のデータを活用し資産化していく

代表取締役社長

管田 英男

製造部、部長

岡本 浩

導入前・導入後

鉄鋼業界全体で生産量を追求しなくなる中、利益体質の改善が必要。そのために、部門を跨いだ情報共有の仕組み構築と見積もりの属人化解消を目指していた。

情報共有と見積もりの属人化解消に向けた仕組みの構築を進め、運用しながら成果に。生産性を高めることで生み出した時間を、未対応の業界への受注拡大の体制構築に活用。

インタビュー

量を追求しない、状況で求められる利益体質の改善

昭和26年に創業した徳山興産株式会社では、原料供給の金属リサイクル、ステンレスメーカー内での構内作業、板金加工を事業の3本柱としている。顧客の要望に応える、”総合的な供給力”の向上を目指して、少量多品種や加工難易度の高い案件への対応を進めてきた。また、これまでは半導体業界を主軸としてきたが、総合的な供給力の強みを活かして他業界への展開も進めている。

 

管田氏は、こう話す。

 

「業界大手を含め鉄鋼メーカー全体として、生産量を追求する時代ではなくなってきました。設備を稼働させ続けない状況であっても、きちんと利益を出せる体質にするために、継続した改善が必要です。」

 

利益体質を強化するために、徳山興産では3本柱の一つである板金加工に関する製造部門を、どのように強化していくかを考える必要があった。競合他社が数多くある中で、いかに付加価値が高い製品を受注するか、価格競争ではなく、納期や対応ロット数、加工難易度などの観点で徳山興産を選んでもらうためにはどうすればいいのか、を考え続けてきた。厳しい条件の仕事を受注し、利益を出していくために緻密な計算が必要となり、そのためには図面やそこに紐づく情報を複数の部門で共有していく必要がある。

 

しかし、現状はその仕組みが十分にできていない。

 

また、利益体質の改善には、製造部門における業務効率化や生産性向上を進めていく必要があるが、現状は製造の開始時及び終了時のデータを取得しているものの、途中の進捗管理は十分にできていない。製造工程と生産管理システムを連携させて進捗管理を行えば、どの工程がボトルネックになっているのか、改善する余地があるのかを明らかにできる。優先順位をつけて課題の解消を行えば、生産効率が高まることで多くの仕事を受けられるようになり、売り上げの増加にも繋がると考えていた。

 

また、岡本氏はこう話す。

 

「進捗管理ができれば、各担当の仕事量も把握できますので、その結果を人事考課に反映させていきたいと考えています。また、生産性向上により会社の利益増加に繋がれば、それをきちんと従業員に還元していきます。こうした流れを構築できれば、従業員のモチベーション向上にも繋げられますし、いい循環を構築できると考えています。」

 量を追求しない、状況で求められる利益体質の改善

根拠を持った見積もりによる交渉力の強化

徳山興産が受注する案件の中には、月に数万件もの小ロットの案件がある。少量多品種の見積もりを適切に行うことは、幅広い知見が必要なため難易度が高い管田氏は見積もりに関しての課題認識をこう話す。

 

「件数が膨大なのですべて調査できているわけではありませんが、過去をさかのぼってみると実は赤字だったという案件もあります。これは、見積もりが属人化していて、担当者によってばらつきがあることが要因の一つです。きちんと根拠をもって、客観的な見積もりのプロセスを構築する必要があります。」

 

また、根拠を持った客観的な説明性の高い見積もりは、利益体質の改善にも貢献する。初めての受注時に赤字で受注してしまうと、それ以降は同様の案件の価格交渉を行うことは難しく、赤字で受注し続けざるを得なくなってしまう。一方で、近年は燃料や原材料費、人件費の高騰によって調達価格を見直す機運が高まっている。これを機に、根拠をもって価格交渉を進められるように、見積もりの標準化を進める必要があった。

根拠を持った見積もりによる交渉力の強化

CADDi Drawerによる体質強化と属人化解消への期待

業務効率の改善や生産性の向上による利益体質の強化。また、見積もりの属人化を解消するために、デジタルツールの活用を検討していた。そんな中、部下が展示会でCADDi Drawerに関する興味を持ち、導入の相談をしてきたことから部門間を跨いだ情報共有や見積もりの属人化解消に対する効果を期待し導入を決めた。

 

CADDi Drawerでは、登録した図面に対して製造工程や見積もり時の条件、原価に関する情報などを紐づけることが可能だ。情報を必要とする部署が効率的にアクセスできるため、原価管理や生産量調整などの精度向上に繋がる。

 

また、CADDi Drawerに登録した情報は、見積もりの属人化解消にも活用できる。手書きの画像検索や類似図面の検索精度が高いため、少量多品種の案件に対しても、過去の類似案件の見積もり情報を参照することが可能だ。見積もり時の検討事項や最終的な見積もり額を紐づけておけば、見積もりに関する知見やノウハウを蓄積できる。新規案件を受注した際に、まずCADDi Drawerで類似案件を検索すれば、蓄積された情報を用いた見積もりを行うことが可能だ。このプロセスが定着すれば、見積もり業務の属人化解消を実現できる。

 

また、企業規模拡大に伴い新たな人材を採用した場合でも、蓄積された情報を活用することで効率的に基礎教育を進め、従来よりも早く戦力化することが可能だ。

このように、CADDi Drawerの特徴を生かして、利益体質の強化と見積もり業務の属人化解消を進めていく。

CADDi Drawerによる体質強化と属人化解消への期待

総合的な供給力の強化で選ばれる供給先へ

徳山興産では今後、主力である半導体市場の伸びに伴い、新たな人材の採用や生産工場の拡張、設備の導入などを進めて規模を拡大していく。一方で、半導体市場に依存しすぎている現状を改善するために、現在繋がりのある医療関係の案件拡大も並行して進め、社会環境が変化しても安定的に仕事を行える体制を構築していく。利益体質の改善にCADDi Drawerを活用しつつ、事業としての安定性を高めるために技術力を高めていく必要がある。

 

管田氏は、こう締め括った。

 

「顧客に選ばれるためには”総合的な供給力”を高めていく必要があります。総合的な供給力というのは、単に量が多い、金額が大きいという話ではなく、品質面や納期面も重要な要素です。多品種少量生産、短納期の依頼も多い中で、顧客の要望に応じて適切な対応ができる力を、総合的な供給力とよんでいます。加工難易度が高い製品を1つだけというのは、時間とお金をかければどこでもできます。一方で、我々は少量多品種のものでも、短納期で継続して供給し続ける力を付けていきます。供給先の購買担当の立場で考えた際に、必要とされ続けることが重要です。」

総合的な供給力の強化で選ばれる供給先へ
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