昭和26年に創業した徳山興産株式会社では、原料供給の金属リサイクル、ステンレスメーカー内での構内作業、板金加工を事業の3本柱としている。顧客の要望に応える、”総合的な供給力”の向上を目指して、少量多品種や加工難易度の高い案件への対応を進めてきた。また、これまでは半導体業界を主軸としてきたが、総合的な供給力の強みを活かして他業界への展開も進めている。
管田氏は、こう話す。
「業界大手を含め鉄鋼メーカー全体として、生産量を追求する時代ではなくなってきました。設備を稼働させ続けない状況であっても、きちんと利益を出せる体質にするために、継続した改善が必要です。」
利益体質を強化するために、徳山興産では3本柱の一つである板金加工に関する製造部門を、どのように強化していくかを考える必要があった。競合他社が数多くある中で、いかに付加価値が高い製品を受注するか、価格競争ではなく、納期や対応ロット数、加工難易度などの観点で徳山興産を選んでもらうためにはどうすればいいのか、を考え続けてきた。厳しい条件の仕事を受注し、利益を出していくために緻密な計算が必要となり、そのためには図面やそこに紐づく情報を複数の部門で共有していく必要がある。
しかし、現状はその仕組みが十分にできていない。
また、利益体質の改善には、製造部門における業務効率化や生産性向上を進めていく必要があるが、現状は製造の開始時及び終了時のデータを取得しているものの、途中の進捗管理は十分にできていない。製造工程と生産管理システムを連携させて進捗管理を行えば、どの工程がボトルネックになっているのか、改善する余地があるのかを明らかにできる。優先順位をつけて課題の解消を行えば、生産効率が高まることで多くの仕事を受けられるようになり、売り上げの増加にも繋がると考えていた。
また、岡本氏はこう話す。
「進捗管理ができれば、各担当の仕事量も把握できますので、その結果を人事考課に反映させていきたいと考えています。また、生産性向上により会社の利益増加に繋がれば、それをきちんと従業員に還元していきます。こうした流れを構築できれば、従業員のモチベーション向上にも繋げられますし、いい循環を構築できると考えています。」