仲精機株式会社は、創業から70年以上にわたり、金属精密部品加工を追求してきた。量産から少量多品種まで対応が可能であり、精密を裏付けるための信頼性の高い検査機器及び検査技術も擁している。精密加工技術を活かした自社製品の開発も積極的に行い、エアチャックやハンドプレス、ラジアルかしめ機などの各種製品も開発製造している。誠意、技術、実行、合理性を信条として、顧客の要望に日々対応している。
仲精機では、数年前から業務のDX化に力を入れてきた。その一環として、今まで紙ベースであった受発注のデータや、製造に関わるデータのデジタル化を行い、独自にExcelでマクロを組んで蓄積する取り組みが行われていた。しかし、データの蓄積は、複数ある各拠点で異なる方法で行われていたため、データ蓄積方法の一本化と拠点間でのデータの相互活用において課題があった。
また、仲精機では、顧客から受注した部品、装置の製造において、以前製作したものと類似した形状のものや、一部仕様を変更したものを受注することが頻繁にあった。そのような場合、以前提出した見積価格と比較して大きな差が出ないようにしなければ、顧客からの信頼に影響する可能性がある。また、材料価格上昇などの理由により見積価格が大きく変わる場合もあるので、前回との違いを明確に把握する必要もあった。
しかし、受注したものが以前製造したものと類似しているかどうかは、見積担当者の記憶に頼るしかなかった。担当者が顧客から受け取った図面を見て、記憶に残っていれば、該当すると思われる品番や受注時期などの製品情報から図面を探し出し、紐づけられた見積データを探して活用していた。時間がかかるだけでなく、記憶に無ければ探すことも無かったので、非常に効率が悪い作業であった。業務の効率化のため、類似図面を簡単に探しだすことが出来て、紐づけられた各種データと共に確認できる仕組みが求められていた。