製造業AIデータプラットフォーム CADDi

CADDi
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社名
オムロン株式会社
設立
1933年
所在地
京都市
業界
電子部品・精密部品製造
事業内容
制御機器事業、ヘルスケア事業、社会システム事業、電子部品事業、データソリューション事業
オムロン株式会社

事例 CADDi Drawer

オムロンはデータで「人」と「人」をつなぎ、暗黙知を資産へ─設計品質を追究し、グローバル競争で勝ち抜くQCDを実現する

グローバル購買・品質・物流本部 開発購買推進室 加工品開発購買部 加工技術グループ長

桑江 伸明

導入前・導入後

・有識者の高齢化によるナレッジの損失
・様々なDBの構築によるナレッジのサイロ化
・(事業責任を追及するための)組織の縦割り化

・全社ナレッジの資産化(プール)
・他事業のナレッジの探索/活用
・データを起点とした新たな人的ネットワークの構築

インタビュー

「開発プロセスの最上流」における「設計品質のつくり込み」こそグロー バル競争を勝ち抜く源泉

「CADDi導入の⼀番の狙いは『部品の設計品質の向上』。部品品質のつくり込みを通して、商品のQCDを高めることが目的です。」

 

オムロン株式会社のグローバル購買・品質・物流本部に所属し、全社を横断して、技術に基づく加工品コストのつくり込みを推進する桑江⽒は、製造業 AI データプラットフォームCADDiと、そのアプリケーションである製造業データ活⽤クラウドCADDi Drawer導⼊の核⼼をそう語る。

 

多くの企業がDXにおいて「業務効率化」や「目先のコスト削減」といった⽬に⾒えやすい成果を求める中、オムロンが重視するのは、より本質的かつ⻑期的な視点に基づく成果だった。

 

同社が直面する課題は、加工品設計に関する設計者の⾼齢化によるリソースの減少、そして彼らが⻑年培ってきた「暗黙知」の喪失である。

 

桑江⽒
「技術によるコストのつくり込みに取り組む中で図面を見る機会が多いのですが、過去のナレッジが反映できていない事例が散見されています。

 

その理由は、高齢化等により設計有識者が減少する中で、開発テーマが増加しているため、有識者の細かいサポートが行き届かなくなっていることだと、現場の設計者との会話を通して判ってきました。

 

また、多くの設計者はナレッジ/DBのサイロ化にも苦しめられているようで、設計者が必要なナレッジに辿り着けないことがあるそうです。」

 

同社は、設計品質のリスクに繋がるこの状況を経営課題と捉えて、ナレッジマネジメントを強化する取り組みを始めた。

 

そのための切り札として選ばれたのがCADDiであった。

こうした背景に加えて、桑江⽒は設計品質に拘る理由をこう語る。

 

桑江⽒
「CADDiの説明をされた時に、上手く活用すれば、開発プロセスの最上流で設計品質がつくり込めると感じました。

 

最上流での設計品質のつくり込みは、開発後戻りを防ぎ、開発の生産性を高める効果だけではなく、量産後の不具合低減にも繋がる。開発・購買・調達・品質など、多くの関連部門の負荷を軽減できるのです。」

「開発プロセスの最上流」における「設計品質のつくり込み」こそグロー バル競争を勝ち抜く源泉

経営層と現場の課題意識が一致した導入決断

グローバル購買・品質・物流本部が主体して進めた全社/事業部の品質点検において、現場の声を集める中で、ナレッジの伝承に関する技術者の不安の声があがってきた。

 

「自身がこれまで蓄積してきたナレッジを残したいが、どう残していけばよいのか、残すための良い方法がわからない。」

 

その切実な状況を知ったグローバル購買・品質・物流本部⻑が、当時注目され始めていたCADDiで解決できないかとメンバーと議論を重ねて、思いを一つにして/まずはやってみようということで、実用化検証をスタートさせた。

 

桑江⽒
「CADDi Drawerの導入目的を現場の方々に説明に回った際、みなさん賛成してくれました。現場の皆さんとの会話を重ねる中で、『有識者が少なくなっている』ことに対する強い危機感を感じることができました。」

 

その⼀⽅で、CADDi Drawerの機能を踏まえた具体的な活用タイミングや誰がナレッジをCADDi Drawer上に格納するのか?など、1 人1 人が個別に抱く疑問に答えて、納得してもらう過程は必ずしも⼀筋縄ではいかなかった。

 

多忙を極める現場の⽇常業務の中で、「新しい取り組みを加える」ことへの負担感から、活用が停滞し、ログインしない/CADDi Drawerから遠ざかるといった、負のスパイラルに陥る利用者がおり、 一方で各部⾨でも様々なAIツールを検討/次々と現れる新興のAIベンダーからの売り込みもあり、「本当にCADDiで良いのか?」を証明しないと、現場が前に進まない状況になっていった。

 

さらには「AI」や「DX」に対する漠然とした期待感とCADDi Drawerのできることにギャップが生じ、総論賛成、各論反対の状況になってしまった。

 

桑江⽒
「現場の状況をみて、推進メンバーとキャディのカスタマーサクセス(以下 CS)の目が届く範囲で活動を小さくスタートさせ、ユーザーが小さな成功を実感し、CADDiのファンになるように進めることにしました。

 

また、実用化検証は電子部品事業部の開発部門、制御機器事業部のセンサ開発部門に絞った取り組みにしました。」

 

開発部長と協議し、重点開発テーマとそれに関わる人を特定し、その人達に推進メンバーとCSが伴走。テーマが抱える課題に対して、CADDi Drawerを活用した解決法を一緒に考え、具現化した。

 

中には、CADDi Drawerでは解決できない課題もあったが、それは『将来の機能アップデートを待とう』と、割り切って、取り組みを進めていったという。

 

「1人1人の課題と向き合い、CADDi Drawerを活用した成功体験をつくり、その体験を一般化/ユースケース化して、他者に展開していく活動に地道に取り組みました。

 

キャディの社内で、CSチームと技術チームが密に連携されて、CADDi Drawerの問題点を大小問わずクイックに解決し、ユーザビリティを改善し続けたことも社内のCADDiユーザーとの関係構築に大きな効果がありました。

 

ユーザーがAI/DXの技術進化/アップデートの早さを体感したことで、『今は期待通りのアウトプットが出なくとも、少し待てば技術が追い付いてくる』という気持ちを持ってもらえるようになり、ユーザーが少しずつCADDiに前向きになってきたことが実感できてきました。」

 

地道な活動は、徐々に実を結び始めている。一部の事業部ではアクティブユーザーが増加。推進メンバーやCSの伴走なしでも、ユーザーが自らCADDi Drawerの使い方を工夫し、ユースケースを作りだせるレベルになってきている。

 

「本当にCADDiが良いのか?」と投げかけていた現場/事業部のメンバーも、CADDi Drawerを活用する中で、『CADDiに一本化しよう/もっと活用しよう』という姿勢に変わってきており、ターニングポイントを越えつつある。

経営層と現場の課題意識が一致した導入決断

組織・部門の壁を越え「ナレッジ」がつなぐのは「人」

CADDiに蓄積された図面・購買情報などをCADDi Drawerで活用することに加え、関連する技術ドキュメントなどを紐づけることで、CADDi Drawerの活用成果がでてきている。その中でも特に効果的だと感じるのは、部⾨を超えた「ナレッジの横展開」である。

 

桑江⽒
「全社のナレッジをCADDiに格納しているため、異なる事業部/拠点/部門のナレッジを活用して、成果に繋げる事例が出てくるようになりました。」

 

自部門でも有識者が減り、ナレッジに辿り着き難くなる中、他部門のナレッジを活用するとなると更に難しい。これがCADDi Drawerの活用により、設計者が⾃⼒で調べられるようになったのだ。

 

さらなる期待としては、CADDiに格納されているナレッジが単なる情報探索の枠を超えて、「⼈と⼈をつなぐハブ」になりつつあることだ。

 

桑江⽒
「CADDiに格納される他部門の技術文書を読み解くことで、様々な技術に関する社内の有識者が判るようになりました。

 

これまでは知りたい技術があっても、特に他部門になると『誰に聞けば良いかが判らない』状態でしたが、これが解消され、技術に/有識者にアプローチできるようになったことは、⼤きな変化だと思います。」

 

対話を通じ組織の壁を超えて知⾒が共有される。これまで知らなかったナレッジが「⾒える化」されることでコミュニケーションが⽣まれ、深い「暗黙知」が引き出される。

 

技術を軸に全社でナレッジマネジメントを強化する効果、その可能性の大きさを感じているという。今後は、実用化検証中以外の事業部にも取り組みを拡大し、全社の活動としていく予定だ。

 

また、今後は本社が推進するのではなく、事業部側に推進役を渡していくことで、より取り組みを加速させたいと考えているという。

 

「設計品質」という最上流への拘り。そして、データを介して人と人をつなぎ、組織の力を最大化するナレッジの横展開。

 

設計品質という本質にこだわり、データを介して暗黙知を資産化し「人」を繋いでいくこの試みは、今後オムロンがグローバル競争を勝ち抜くための強固な基盤となっていくに違いない。

組織・部門の壁を越え「ナレッジ」がつなぐのは「人」
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