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社名
日新電機株式会社
設立
1917年4月11日
売上高
1,452億円(2023年度、連結)
業界
電気照明器具・電気機械器具
事業内容
電気機械器具の製造・販売、ならびに付帯工事
日新電機株式会社

事例 CADDi Drawer

初年度から年間3000時間以上を削減!今までできなかった設計ノウハウの資産化に成功した100年企業の挑戦

電力・環境システム事業本部 電力機器事業部 設計部 部長

青柳 雅人

電力・環境システム事業本部 電力機器事業部 開閉機器設計グループ グループ長

吉田 直人

電力・環境システム事業本部 電力機器事業部 開閉機器設計グループ

吉野 正俊

導入前・導入後

過去の図面や技術資料を活用したくても、図番や資料番号、タイトルが分からなければ探せず、検索時間が本来やるべき業務の時間を圧迫

図面検索にかかる時間が大幅に削減されるだけでなく、長年に渡り諸先輩方が積み上げてきた社内固有技術の関連資料が誰でも容易に見つけ出せるようになり、技術継承が加速

インタビュー

属人化がもたらす設計業務効率の停滞を打破 - DX推進の背景

電力機器や設備などの製造・販売、工事を行う日新電機株式会社は、「電力・環境システム事業」「ビーム・プラズマ事業」「装置部品ソリューション事業」の3つのセグメントで事業を展開し、社会インフラと産業の基盤づくりに貢献してきた。創立から100年を越えた現在も成長を続け、売上を伸ばしている。

 

日新電機では、図面データの活用に課題を持っていた。特に開閉機器部門の設計業務では、過去の実績を元に検討を重ねた上で設計を行うことが多くある。また、その実績に関連する技術資料も同時に活用していた。これにより、設計にかかる工数を削減し、そのまま利用できる過去の図面があれば、流用することで新規の図面作成の工数も削減することができる。設計業務の効率化のためには、過去の実績の活用は欠かせない作業であった。

 

しかし、日新電機の持つ既存の図面検索システムでは、図番でしか図面を探すことが出来なかった。そのため、類似案件や、活用できる可能性のある案件の図面を探そうとしても、図番そのものを知らなければ探すことができない。過去の実績を多く知るベテランの設計者でなければ図面を探し出すことが困難であり、活用は限定的で属人化が進んでいた。

 

日新電機前橋製作所のDX推進リーダーであった設計部部長の青柳氏は、業務の問題点についてこのように話す。

 

「設計者が手配屋になっていた。図面を探すなど、設計以外のことに時間を取られて、エンジニアとして考える時間が減ってしまった。とにかく期限までに手配しなければとなると、もう右から左へということが多い。調達も調達で、昔は目利きの人がいて、調達から設計者が意見をもらうこともあったが今はあまりない。調達も手配屋になっていた。」

属人化がもたらす設計業務効率の停滞を打破 - DX推進の背景

現場の声が動かした改革 - データ活用DXの舞台裏

改善に向けた新しい方法を常に探していた青柳氏は、図面データ活用クラウドCADDi Drawerの存在を知る。実際の動作を見た青柳氏は、課題解決に繋げられる可能性を強く感じた。類似図面を直ちに探せる点や、図面内に記載された全ての情報をキーとして検索できる点、システムメンテナンスに手間がかからない点など、自分たちのニーズに非常に合致しており、導入に向けて動き始めた。

 

まず、事業部の状況を理解しており、新しい物に対して敏感に反応できる人物を選び導入推進チームを編成した。チームでは、実際に活用する可能性が高い現場の人に見てもらい、操作の動画も作って「使えそうだ!」と感じられる雰囲気を醸成していった。

推進チームメンバーとして選ばれた開閉機器設計グループ長の吉田氏と開閉機器設計グループの吉野氏は、推進チームの活動についてこのように話す。

 

吉田氏
「正直こういった大きなシステムを導入するということ自体が初めて。私も初めてだったので、ちょっと不安がありました。ただ、システムを見せていただいて非常にいいシステムだと感じました。あとはもう入れたいという思いでチャレンジしました。」

 

吉野氏
「今までは図面や技術資料などの検索が経験によるものが多く、自分自身で探せないシーンがとにかく多かった。そこが問題点だとずっと感じていましたが、デモを見たときにそれらの問題解消に繋げられる可能性を感じ、積極的にやっていこうっていう気持ちになりました。」

 

また、チームでは導入の効果を経営層に理解してもらうため、実際に導入した際の運用方法と、それによる業務削減効果の数値を綿密にシミュレーションして算出していった。

 

青柳氏
「結局、導入効果を経営層に分かってもらうためには、ロジックが通ってないといけません。データが何を意味するのかをしっかり理解した上で、データをどう評価するかロジックを立てます。ロジックを作るのに半年ぐらいかかったと思います。
導入後は、ロジックを使って、本当に我々の仮説が正しかったのかを裏付け取っていくような作業の繰り返しになります。」

 

元々、既存の図面検索システムがあったので経営者層は導入に懐疑的であったが、プレゼンを繰り返し、説得を続けることでCADDi Drawerの導入が決まった。

 

青柳氏
「これだけ強く推せたのは、やはり現場の反応です。こういうものがあって、こうしたらどうだ。いいじゃないかと、皆が言ってるわけです。それを止める選択肢はなかった。あとは上に伝えるだけでした。」

現場の声が動かした改革 - データ活用DXの舞台裏

年間7000時間の削減効果!技術関連資料の資産活用も可能に - 会社全体のDXに向けた大きなうねりの中心へ

CADDi Drawerを導入後、さまざまな点で大きな効果が出ている。

まず、今まで見つけることが出来なかった過去の図面をただちに見つけることができるようになり、検索にかかる時間が大幅に削減された。検索にかかっていた工数だけでみれば、8割から9割削減されている。設計工数全体で見ると、導入初年度の2023年では年間で3600時間の削減効果があった。2024年度は年間で7000時間の削減効果が見込まれており、金額換算をしても大きなインパクトをもたらした。

 

新図作成の抑制効果に関しては、1割から2割の削減効果が表れている。新図が作成されると、設計部門の工数だけでなく、製造、調達でも、段取りの検討や図番登録などで工数が発生するため、会社全体でみると、かなりの削減効果となっている。

業務の進め方についても大きな効果が出ている。

年間7000時間の削減効果!技術関連資料の資産活用も可能に - 会社全体のDXに向けた大きなうねりの中心へ

吉野氏
「CADDi Drawerを導入したことで、従来は登録台帳の題名でしか検索できなかった設計検討資料が、資料内のキーワードまで幅広く検索可能になり、調査時間が大幅に削減されました。その結果、有識者への聞き込みが不要となり、自分自身で効率的に情報を見つけ出せるようになったことで、知識や設計的な考察の幅が広がり、検討時間を本来の業務に充てられるようになりました。加えて、業務の属人化が解消され、他部署ともデータを連携して効率よく活用する意識が芽生えるなど、組織全体のDX推進や文化の変化にも寄与しています。現在では、CADDi Drawerがなければ業務遂行が難しいと感じるほど、不可欠なツールとなっています。」

 

CADDi Drawerの活用により、単なる設計部署の工数削減ではなく、関連部署も含め仕事のやり方そのものが変化した。それは業務そのもののみならず、組織、プロセス、企業文化や風土を変革し、競争上の優位性の確立につながり、DX推進による目指す姿に向かっていると実感している。

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