ニッカ電測株式会社は、食品内に金属片の混入が無いかを調べる金属検出機や、薬剤容器に微小な穴が開いていないかを調べるピンホール検査機など、生活の安心、安全を支える検査機器の製造販売を創業以来行ってきた。製造された検査機器は、食品業界、医薬品業界をはじめとする様々な分野で活用され、多くの人の安全な生活を守っている。
ニッカ電測では、開発から設計、製造、メンテナンスまで自社で一貫して行ってきた。お客様の痒い所に手が届くような営業を第一とし、多くの要望に対応している。お客様の要望は大小様々だ。同じ業界であっても、お客様が変われば検査する対象が変わり、求められるスペックも異なる。そのため、基本となる製品の型はあるものの、ほぼ全ての製品がお客様の希望する仕様に合わせてオーダーメイドで設計、製造されている。その結果、発注の都度、多くの部品が新たに設計、製造されている状況であった。
部品の製造は、自社で加工するもの以外に、協力工場に依頼して加工してもらうものも多くある。購買部門では、設計部門から送られた図面を元に協力工場へ発注を行っていた。発注の手順としては、最初に加工内容により候補となる会社を決め、各社に見積もり依頼を行う。各社からの見積もりを比較検討し、最適な発注先を決めてから発注を行うのが通常の流れだ。
しかし、納期が迫る製品の部品発注では、この流れが崩れることが多くあった。各社からの見積もりで価格を検討することなく、納期優先で発注をおこなっていた。
「納期は厳守しなくてはなりません。製造にかけられる時間が短くなれば、どうしても納期優先になります。そのため、似たような設計内容でも調達価格のブレが大きくなることがありました。過去の類似案件の原価率を調べて比べた時に、今回はなぜこんなに高いのかと問われることがありました。」と、購買管理部の小川氏は語る。