1966年に設立された有限会社大東鉄工は、機械要素部品の製造を長年行ってきた。材料調達から加工、組み立て、検査までをワンストップ・一貫生産で行える体制を持ち、多品種・小ロット・短納期に対応した製造を得意としている。鉄道や発電設備などのインフラ系の他、建設機械、産業機械、印刷機器など、幅広い業界の部品製造に関わり、強度や耐久性の求められる部品から、高精度な動きが求められる部品まで対応可能だ。
大東鉄工では、お客様からの要望に速やかに対応できるように、技術を磨くとともに、設備やシステムの導入も積極的に行ってきた。図面管理に関しても、早くからシステムを導入し、データとして図面を保存管理している。
しかし、データが蓄積されてはいたものの、活用に関しては思うように進んでいない状況であった。大東鉄工では多品種・小ロット生産であるため、見積もりを作成する数が非常に多い。過去の類似図面を参照することで見積もりにかかる工数を大幅に減らすことができるが、類似図面の検索に関しては担当者の記憶が頼りだった。システム上に大量のデータがあっても、寸法や材質、品名、お客様名などの条件を、記憶頼りに絞り込んで探すので時間がかかる。過去の事例を熟知した担当者でなければ、見積もり業務を行うことができない属人化した状態が問題だった。
また、類似図面の検索は加工工程においても重要である。類似図面が有れば、部品を加工する際に作成した加工プログラムを活用することできる。プログラム作成工数が減らせるので、類似図面を速やかに探せることは製造現場でもプラスの効果が得られるのだ。