川崎重工業株式会社は、総合エンジニアリングメーカーとして、船舶・鉄道車両、バイク、産業プラント、精密機械、ロボットなど、多彩な事業を展開している。ロボット事業の中核となる精密機械・ロボットカンパニーロボットディビジョンでは、2030年までに現状比4倍の売上規模を目標として掲げている。
10年強で売上を3倍に伸ばすなど、急成長を続けてきた同社のロボット事業。しかしその裏側では、組織の拡大スピードに業務プロセスの整備が追いつかず、各所で「属人化」が進行していた。生産総括部調達部所属で、推進プロジェクトリーダーの林氏はこう語る。
林氏
「スピードを重視するあまり、業務効率が上がらないままパワープレーで仕事をしてしまう状況がありました。既存の競合は強力ですし、海外からの新規参入も多い。彼らに負けないためには、生産性の向上が喫緊の課題でした」
生産性向上という大きな命題を前に、同社はデータ活用の可能性を探り始め、製造業AIデータプラットフォームCADDiの導入を決めた。
林氏
「社内データを集約・活用し、資産化できるソリューションを探していたのですが、AIを活用した類似図面検索や、図面に紐づくドキュメントや調達情報にアクセスできる機能を備えたプラットフォームは他にはなかった。我々の課題感に最もマッチしたのがCADDiだったのです」