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社名
旭東ダイカスト株式会社
設立
1932年
所在地
神奈川県足柄上郡
従業員数
55名
業界
金属加工業
事業内容
ダイカスト製品及び金型の製造販売
旭東ダイカスト株式会社

事例 CADDi Drawer

あえて「DX」という言葉から始めない。100周年に向け、“経験・技術”を伝承し、図面ベースで会話ができる職場へ。

取締役副社長

小野 時人

営業部部長

古澤 永浩

技術部課長

髙橋 大祐

品証部課長

郡司 勝

導入前・導入後

中心となる従業員の年齢層が高く、技術を起点とした世代交代をどのように行っていくかを課題に感じていた。

CADDi Drawerの導入により、図面にさまざまな情報が紐づけられたため、検索やアクセスがしやすくなり、技術を起点とした世代交代を進めるための環境が整った。

インタビュー

創業100周年に向けて技術起点の世代交代を進める

旭東ダイカスト株式会社は、1932年に設立され、ダイカスト製品及び金型の製造販売を行っている会社である。長い歴史の中で磨き上げた技術により、本来ダイカストでは難しいとされる高気密性・高耐圧性の分野を強みとし、1995年以降は海外(中国)への拠点展開も行っている。

 

2032年の創業100周年という一つの節目に向かう中、旭東ダイカストとして解決しなければならない課題の一つが、技術を起点とした世代交代だ。現在、所属する従業員の半分近くが55歳以上で、2032年には大半が既に定年を迎えていることになってしまう。

 

ダイカストの世界は職人仕事で、しかも10年やっていれば1人前という仕事でもない。日々変動する気温や湿度、材料や製品形状によって生き物のように影響を受けるのが、ダイカスト製品の特徴だからだ。そのため、ただ受動的に業務に取り組んでいるだけでは必要な技術は得られず、主体的に経験を積み重ねることでノウハウを身に着けていかなければいけない。100周年に向けて、ベテランから若手へノウハウを引き継いでいきたいが、現状は一つ一つ丁寧に教えられるような教育プログラムもなく、OJTといえば聞こえはいいが、一緒に業務に取り組む中でしか教育が行えていない状況となっていた。

 

旭東ダイカストが長い年月をかけて培ってきた技術。その技術を起点とした世代交代を、どのように行っていくべきか。そして、そのための新たな仕組みを、どのように構築していけばいいか。課題は多岐に渡っていた。

必要な情報にたどりつけない。改善が必要な図面へのアクセス

旭東ダイカストでは、図面へのアクセスに大きな課題を感じていた。

従来から、特に自部署以外の部署が管理する図面情報へ辿り着くことが難しく、フォルダ管理を工夫しようという試みはあった。しかし、仕組みが統一されておらず、フォルダの管理方法が人によってバラバラだったため、目的とする図面や資料にたどりつくためには、結局は担当者へ聞くのが一番早い、という状態になってしまっていた。

また、図面などの重要な情報が保管されているサーバーは、セキュリティ上の観点から社外にいるとアクセスできない仕組みになっていた。顧客との打ち合わせで出張する必要がある場合、議題に必要な図面や資料はあらかじめダウンロードしておくことで対応できるが、突発的にその場で顧客から相談があった際には、必要な図面や資料をその場で確認・解決することができず、次回の約束を取り付け、宿題として持ち帰るしかなかった。

 

既存顧客とは良好な関係を築いているが、今後は良好関係の維持や拡大に加えて、新規顧客からの受注も増やしていき、既存顧客と新規顧客とでいいバランスが取れる状態を目指している。

新規顧客からの受注を獲得するためには、ベテランの経験や知識を社内で引き継ぐことに加えて、新たな要求に応えられるように進化・深化させていく必要がある。そのための時間を生み出すためにも、社内に蓄積された膨大な図面情報へのアクセス方法の改善は、必要性が高かったのだ。

必要な情報にたどりつけない。改善が必要な図面へのアクセス

あえて「DX」という言葉は使わない。CADDi Drawerの導入で感じた手応え

「技術を起点とした世代交代」や「社内情報へのアクセス」に関する課題を解消するために着目したのが、CADDi Drawerだ。CADDi Drawerを社内に導入していく際の従業員に対する想いを、小野氏はこう話す。「あえて『DX』という言葉は使わないようにしました。DXはさまざまな業界で流行りのように使われていますが、私たちがやりたいのは、単なる流行りではなく、会社が抱える困りごとを解決する素晴らしい取り組み。そのように、従業員には認識してもらいたいと思ったから、丁寧に説明をしました。」

 

CADDi Drawerの導入後は、早速さまざまなシーンで手ごたえを感じることができている。

営業部では、取引先での商談時に、急遽別の資料が必要となった際に、CADDi Drawer経由ですぐに必要な資料を確認でき、困っていた顧客の課題を解消できた。速やかに顧客の困りごとを解消することで信頼をさらに高め、新たな製品の受注にも繋がる可能性を感じている。

技術部でも、出張先の顧客との打ち合わせの中で、当初の予定にはなかった製品に関する相談を受けた。予定にない急な相談は緊急であることが多く、その場で図面を確認し顧客の課題を解消できることは望ましい状況だ。また、CADDi Drawerから過去の図面を参照しやすくなったことで、新たな製品図面の設計をする際に、ベースとなる図面の検索や考慮すべきノウハウが速やかに得られ、設計品質向上と効率化に繋がっている。

品質保証部では、顧客からの問い合わせで数年前の図面が必要になることがある。従来は、他の部署が管理する数年前の情報を見つけ出すのに時間がかかっていたが、CADDi Drawerでは全社で共有されている金型品番などを用いることで、必要な情報を速やかに検索できるようになった。

 

技術起点での世代交代に関しても、期待が高まっている。例えば、朝礼で過去の図面を参考にトラブルの共有をすることができる。図面を見なくても仕事を進めていくことはできるが、さまざまな設計情報と紐づけられた図面があれば、共有できる情報量が増え、必要なノウハウを効率よく伝えることができる。小野氏は、「あの人に聞けばわかる。といった、属人に頼る業務の進め方はもう終わりにしたい」と話す。

あえて「DX」という言葉は使わない。CADDi Drawerの導入で感じた手応え

創業100年目の節目とその先へ向けて

創業100周年に向けて、工場を新しくすることを計画している。段階的に進める中で、まずはCADDi Drawerのような新しいシステムを構築し、中身は少しずつ変わっているということを明確に示したい。さらに、工場自体も新しくすることで、中身も外見も新しいという状況を作り上げていく計画だ。また、今後は協力工場や自社の海外拠点である中国工場とどのように繋げていくかということも、考えていく必要がある。

 

ダイカスト製品は、気温や湿度によって日々生き物のように変わる。音を聞いて設定を調整するなどの技術を生かし、いい製品を作れるようになるためには、経験年数ではなく主体的な取り組みが必要だ。近年、夏の現場は40℃を超えることもあり、より一層仕事が「好き」であることの重要性が増してきている。

 

小野氏は、今後へ向けて次のように話す。「若手社員の中には、見込みのある人材も多くいます。適材適所を考えながら、さまざまな経験をしてもらいたいですね。技術を起点とした世代交代を進めるために始めた新たな取り組みの一つが、図面勉強会です。一人二人と図面に興味を持つ若手が出てきたので、そういった人材の成長を支えていくためにも、もっと働きやすい環境にしたいと考えています。」さまざまな情報を一括して管理できるCADDi Drawerに対する期待は大きい。会社の中にある経験や技能を資産として認識し、しっかりと生かすことで旭東ダイカストを創業100年。また、その先へと繋げていきたい。

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