株式会社カジテックは、切削・切断・曲げ・溶接・表面処理・組立など、幅広い加工内容に対応し、お客様にワンストップの利便性を提供してきた。中国にも生産拠点を保有し、1個の試作品から数千単位の量産品まで対応できる受注体制を構築している。素材を問わずに複雑な加工ができる技術力、万全の品質管理体制、幅広い要望に応えられる対応力により、お客様からの信頼が厚く、年々業績を伸ばしてきた。
近年、カジテックでは、生産性向上や営業強化を全社的に進め、社内で様々な施策を実施している。その中の1つに見積もりの早さと正確性の向上があった。少量多品種での生産が多いため、見積もり作成数は月に1000件にも及ぶ。見積もりは数人で行っていたが、人によって見積もり価格に差が出やすかった。また、新規の見積もりで、過去に見積もりを出した類似製品との価格差をお客様に指摘されることも多くあった。見積もり価格のブレを無くすことは「製造業の永遠のテーマ」と、梶原氏は言う。
「例えば、私が見積もりをしたら5万円。人が変われば8万円になることがある。そして、前に似た物をやったことがあって、調べてみると6万5000円だった。そういうことが結構あります。1個の注文となるとその幅がかなりあって、お客様から「前はこの値段だったのに、何で今回はこの値段なのか」と、クレームが来ることが頻繁に有りました。」
見積もりは、作成してお客様へ回答する早さも重要となる。范氏は少量多品種生産での見積もりの早さの重要性をこのように話す。
「大量生産の会社は、価格を比較するため見積もりを待ってくれます。単品はやはりスピードです。早い所はチャンスが来る。競りみたいなもので、価格を見て直ぐに決めていきます。これまでは見積もりの精度とスピードは相反する関係にあったため、難しさがありました。」