社名
堀口エンジニアリング株式会社
設立
1948年
所在地
東京都渋谷区恵比寿西2丁目1番10号
従業員数
125
売上高
非公開
業界
建設機械、産業機械
事業内容
各種エンジン及び周辺部品の修理再生建設機械、産業機械、船舶機器等の部品修理、及び設計・製作航空機地上支援器材(GSE)の設計・製作、修理宇宙関連製品の設計・製作・修理プラントメンテナンス
堀口エンジニアリング株式会社

事例 CADDi Drawer

紙図面への依存を脱却し、技術伝承を実現できる基盤構築へ

成田工場 副工場長 兼 技術管理部 部長 兼 技術グループ グループ長

小林光隆

技術管理部 管理グループ グループ長

豆川真治

第1営業部

佐藤宏樹

管理課

大久保顕光

技術管理部 技術グループ

小玉隆太郎

導入前・導入後

膨大な図面を活用できておらず、紙図面中心の業務で非効率だった。新たな人材の教育がベテラン社員の記憶やOJT頼りになっており、教育の強化、効率アップの必要性を感じていた。

過去に作成された図面や資料をデータ活用することで、技術継承や業務効率化を実現。売上拡大に対する協力会社対応で大きな効果を発揮した。またDX推進の大きな推進のきっかけとなった。

インタビュー

「技術のバトン」をスムーズに次世代へ繋ぐために

1948年創業の堀口エンジニアリング株式会社は、製造・修理・プラントを三本柱として事業を行っている。製品分野としては、建設機械や産業機械向けの部品、GSEとよばれる航空機地上支援器材や航空宇宙関連製品の設計、製作、修理を行っている。

また、プラント業界で用いられる設備の保守点検や修理なども主要な事業の一つである。

設計、製造、組み立てまでを一貫して行っていること。また、さまざまな業界のお客様と一緒に仕事をしているため、各業界で培った技術やノウハウを他の業界に活かせることが強みだ。

近年は、防衛費の増額やインバウンド関連の需要増加によって、防衛省や民間航空会社からの発注が拡大し、業務負荷が高い状況が続いている。業務負荷の解消や将来の事業拡大を見据え、計画的な人材採用を行っている。一方で、採用した人材をスムーズに戦力化するためには、効率的な人材育成や技術伝承が必要だ。

成田工場の副工場長であり、技術管理部部長、技術グループのグループ長を兼務する小林氏は、技術伝承の課題についてこのように話す。

「採用が難しい中、数字では表せない仕事をどう伝えていくかを考える必要があります。例えば、切削加工の条件は数値で表現できますが、溶接や板金などの作業は一品一様なので、毎回同じやり方ではうまくいきません。こういったノウハウをどう伝えていくかが難しい。当然、従来のように先輩後輩の関係を組んでOJT教育を行う必要はありますが、動画やIT、AIの技術を適材適所で使うことで、技術のバトンを効率よく次の世代へ渡していきたいと考えている。」

また、技術管理部 管理グループのグループ長である豆川氏は、蓄積された図面の活用に関して課題を感じている。

「80年近い歴史がある中で、多くの図面を描いてきました。しかし、その図面は現状、活用できていません。図面の重複を避けるために過去図面を確認する必要がありますが、過去図面の確認はベテラン社員の記憶に頼らざるを得ず、属人化しています。また、紙の図面を扱うことによって、非効率になっている業務の解消も必要でした。図面は、製造業にとって一番の資産となり得るので、資産としての活用手段を考える必要がありました。

「技術のバトン」をスムーズに次世代へ繋ぐために

全社でDX推進する中で出会ったCADDi Drawer導入後の変化

全社でDXを推進する高梨社長が、技術グループが抱える課題を解決する方法を探していたところCADDi Drawerと出会った。当初は技術グループの課題解決を目的としていたが、現在は管理グループや営業部門でも活用されている。

例えば、技術グループの若手が新たな図面を作成する場合、過去の図面の有無を上司や先輩に確認する必要があった。着手までに時間がかかり、部品によっては情報を持っている人がいないことも多い。CADDi Drawer導入後は、過去の図面を自ら簡単に調べることができで、必要な情報を速やかに把握しすぐに図面作成に着手できる。最近は、紙の図面を探しに行くことが減り、CADDi Drawerで確認するのが当たり前になっている。

資材調達業務を担う管理グループでは、協力会社への発注実績を蓄積できることにメリットを感じている。担当者の経験が浅い場合には、膨大な資材を扱う中でどの協力会社がどの領域に強いか。また、発注価格の相場はどの程度なのか判断がつかない。CADDi Drawerの類似検索で過去の実績を自分で調べ、比較しながら業務をこなすことで、発注業務の感覚を身につけられる。また、加工を担当する現場からの意見を蓄積できる点も大きなメリットとなる。

営業部門では、図面だけでなく、さまざまな資料の検索に活用している。図面は扱うことは多くないが、キーワード検索は高精度で、資料中の細かいテキストまで検索で拾ってくれるため、資料の検索時間を大幅に短縮できた。現在は試験導入中のため、さらに効率的な資料検索を実現するために試行錯誤している。

全社でDX推進する中で出会ったCADDi Drawer導入後の変化

受注案件1.5倍拡大で、外部パートナーを積極活用。より図面の重要性が増していく

堀口エンジニアリング株式会社では、2022年度から2023年度にかけて受注案件数が1.5倍ほどに増加している。一方で、短期的に人員の確保や生産ラインの増設は難しいため、社内での業務効率化に加えて外部パートナーの協力が必要不可欠であり、その機会は増えている。

外注品を手配する際には、図面を協力会社に送付する。従来は、作成した図面を一度印刷し、「複製厳禁」などのスタンプを押した後にスキャン。PDF化したものをメールに添付して協力会社に送付していた。この作業は手間であり、印刷したものを再度スキャンすることで図面の解像度が低くなるため、協力会社から記載内容について問い合わせを受けることも多かった。

CADDi Drawerでは、登録済みの図面をそのままPDF化して送付できる。スタンプで押していた指示も注釈機能で対応できるため、印刷やスキャンの作業が不要になり、負担は大きく減った。また、送付するデータが鮮明になったことで協力会社からの問い合わせも減り、業務効率化に大きく貢献している。これまでは見積もりに必要な資料を別の建物に探しに行っていたが、PC上で複数の情報を比較できるため移動時間の短縮にもつながっている。

一方で、豆川氏はリアルタイムでの情報共有に課題を感じている。

「図面の更新がすべてCADDi Drawerにリアルタイムに反映できていないため、最終図面の確認が必要な製造部門や検査部門では十分に活用できていません。あくまでメインは紙の図面で、サブとしてCADDi Drawer上の図面を使用する形になっています。対策は考えていますが、今後に向けた課題の一つです。」

受注案件1.5倍拡大で、外部パートナーを積極活用。より図面の重要性が増していく

紙図面に依存した業務を変え、CADDi Drawerを会社のインフラに

堀口エンジニアリングでは、DX推進プロジェクト「KASHIKA」として、工数、工程の進捗などさまざまな情報を可視化し、経営判断の精度向上やマネジメント、営業判断に活用する取り組みを進めている。そこにCADDi Drawerを紐づけることで、会社のインフラとしての活用を検討している。既に各担当の若手メンバーは、取り組みに着手している。

技術・管理グループでは、紙の図面に依存した業務の流れを変えようとしている。例えば、資材調達用の控え図面をCADDi Drawerに置き換えられれば、資材調達に関する社内外の業務が簡略化される。また、見積精度向上を実現するためにデータ収集を進めている。

営業部門では、キーワード検索を活用した資料検索精度を向上するために、CADDi Drawerにアップロードする資料のカテゴライズを検討している。また、社外での打ち合わせ時に突発の相談があったとしても、その場で工数や材料費の見積もりを行えるようにすることで、今後の業務改善や売上・利益向上にも貢献する計画だ。

小林氏は、今後の取り組みに対する目標と期待をこのように話す。

「図面検索や関連図の確認など、間接部門では効率化に大きく貢献しています。今後は直接部門も含め、幅広い部門で活用を進めていきたいですね。既に若手を中心に、さまざまなグループのメンバーがCADDi Drawerの活用方法を議論し、実践してくれています。また、KASHIKAプロジェクトを中心に、社内でDXへ取り組むスピードも上がってきています。このプロジェクトとうまく連携することで、難しい業務を簡単にし、新たなチャレンジに使える時間を生み出していきたいと考えています。

 

紙図面に依存した業務を変え、CADDi Drawerを会社のインフラに

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