長谷金属株式会社は、1964年に大阪で創業し、主要顧客の拠点移動に伴い1993年に滋賀に移転。2024年の6月からは、三代目の長谷健太郎氏が代表取締役を務めている。鋼材の卸売を祖業とし、社会環境や受注状況の変化から、加工業に転換。顧客からの要望に応じて徐々に対応範囲を拡大し、現在は一貫加工・超特急納品サービスを強みに、溶接・塗装まで含めた板金・製缶・機械加工製品の製造及び販売を行っている。
人材面では、国内の溶接工や塗装の人員を確保することが難しいため、約10年前からベトナムからの実習生や高度人材の受け入れを積極的に開始した。年齢層も若く雰囲気の明るい職場を構築することで、当初難しかった日本人の若い人材の採用も進み、今後10年以内に従業員数100名を目指している。
金属加工業の営業には、加工の内容や材料の相場などの専門的な知識やノウハウが必要とされる。特に、長谷金属の強みである短納期の案件では、見積もりを短時間で行う必要がある。営業は、限られた人数で既存顧客対応及び新規顧客開拓の両方の業務を実施する必要があり、負荷が高い状態だった。また、見積り業務はベテラン社員しか対応できず、知見・ノウハウが十分に継承できていない。そこで、営業アシスタントを配置し、見積り業務をアシスタントに任せることで営業の負荷軽減とノウハウの蓄積を実現できないか、検討を進めていた。
まずは、過去の情報を参考にしやすい既存顧客の見積りを、営業アシスタントが行える状態を目指した。しかし、見積り業務を行うには、最低限の知識と参考にする過去情報をすぐに見つけられる環境が必要だ。紙やPDFで管理されている図面の中から必要な情報を見つけ出すのは難しいため、過去情報を速やかに参照できる環境の構築を進めなければならなかった。