社名
パンチ工業株式会社
設立
1975年(昭和50年)3月29日
従業員数
連結 3,575名(2024年3月末)
業界
自動車類
事業内容
金型部品、FA機器用部品の製造・販売
パンチ工業株式会社

事例 CADDi Drawer

収益性改善のための1人当たりの生産性の改善。その鍵となるのは過去図面の活用だった。今や営業部門全員でデータが共有され、業務の標準化を実現。

執行役員 経営戦略・DX担当

鶴間 文雄

FA事業推進PJ

課長 西澤 卓泰氏, 早野 孝之氏, 都築 孝和

北上工場 品質管理課 検査・出荷係

中島 由佳

経営戦略室 経営戦略課 セクションチーフ

吉川 雅人

営業推進課セクションチーフ

小口 満

導入前・導入後

属人化した記憶頼りの過去受注案件の確認方法により、見積や検査の工数が肥大。「同じ案件」に対する部署ごとの基準の違いも。

ベテラン、新人を問わず、1分程度で過去案件を探せるようになる。情報を早く、沢山拾えるようになり、営業現場での対応力が向上。

インタビュー

過去に受注した類似案件の検索に苦労

 パンチ工業株式会社は、パンチやダイ、エジェクタピンなどの金型部品の製造、販売を、半世紀にわたり行ってきた。国内外に複数の製造、販売拠点を持ち、グローバルに事業を展開している。お客様から預かった図面をもとに加工する、オーダーメイドの「特注金型部品」市場において、国内、海外ともに業界トップクラスの売上高を持ち、近年ではFA(ファクトリーオートメーション)領域にも事業を広げ、更なるグローバルネットワークの構築に取り組んでいる。

 

 パンチ工業では、お客様から図面をお預かりして製造する多種多様な特注品の受注が多数を占めるが、現状の仕事の進め方の非効率さに課題感を持っていた。お客様から注文が入った際には、過去に同じ(リピート)あるいは類似形状の案件が無かったかを探し、内容を確認するようにしていた。

 

 その検索をする際には、受発注の情報が入った社内システムを用いて、それぞれのお客様から過去に注文を受けた全図面を対象に、品名や図番などで絞り込んで図面を探す。リピート品の場合、品名や図番がわかれば、それを用いて検索できるが、類似図面の場合は記憶を頼りに探すことになる。いずれの場合でも、検索でヒットした図面のファイルを開き、注文を受けた図面との違いを比較する必要があったため、時間がかかっていた。また、図面を探し出せないことがあるだけでなく、同一・類似品を受注した記憶が営業担当者に無ければそもそも図面を探すことも無く、一から見積設計を行う必要があった。

 

 ベテランの社員ならば5分程度で探すことが出来たが、新人の場合は倍以上の時間を要し、かつ営業部門では1日に図面を検索する件数は1人あたり20件にも及ぶことがあったため、検索に多くの時間を取られていた。

 

 検査部門においても、既存の検査プログラムを再利用できるか調べるため過去の図面を探しており、同様に検索に課題を持っていた。検査では、過去の受注品目と図面が完全に一致していなければプログラムをそのまま利用することができない。そのため、図面の検索では、工程管理システムで付与されるリピート品の番号を毎回手入力して検索し、該当図面ファイルを開いて確認していた。1件探し出すのに5分程度かかり、リピート品の件数も多かったので、図面検索に割かれる時間は多くなっていた。

 

 他にも、類似図面は主に作業者それぞれの記憶を頼りに探していたことから、「類似図面がない」という判断が個々の作業者に依存していた。どこまで調べれば「類似案件なし」とするのかの基準を定めるのは難しかった。

過去に受注した類似案件の検索に苦労

既に導入していた図面検索システムをCADDi Drawerに変更する。

 パンチ工業では、数年前から経営基盤の強化策として「DX推進」に取組んでおり、図面検索の課題解決のために、同一・類似の図面を検索できる方法を探していた。より高い検索精度を求めて「OCR、図面検索」のキーワードでシステムを探し始めたところ、図面データ活用クラウドCADDi Drawerの存在を知った。執行役員経営戦略・DX担当の鶴間氏は、キャディから説明を受け、CADDi Drawerの導入を決めた。

 

鶴間氏
 「CADDi Drawerは検索結果が出てくるのが早い。図面の文字がOCRでデータ化できるので、キーワードでも検索できるようになる。この機能を応用すれば、受注入力のアシスト機能として使えるとも思いました。あとは、キャディがこれからも開発をしっかりやると言ってくれたので、信頼してCADDi Drawerに切り替えられました。」

 

 CADDi Drawer導入により、パンチ工業では様々な課題が解決された。

 

 以前は品名や図番で当たりをつけて探していたものが、読み込んだ図面やキーワードでも類似図面が探せるようになった。これにより、営業部門では、ベテランでも5分程度かかっていた図面検索の時間が、1分程度に削減された。検索に10分かかっていた新人も同じように1分程度で検索できるようになった。

 

 また、パンチ工業では多数の材料を取り扱っているが、営業担当者が対応したことの無い素材が出てきたような場合でも、素材名で検索することによって、同素材で製造された別の図面を探すことができる。これにより、以前発注した加工先を調べることも出来るようになった。今まではお客様で範囲を絞って検索していたものが、全てのお客様を対象に類似図面を探せるようにもなっている。

 

 検査部門においても、リピート品の番号以外に図番やキーワードで検索できるようになり、図面検索時間は5分から1分へと1/5程度に短縮された。

 

 属人化した図面検索が大きく改善されている。

既に導入していた図面検索システムをCADDi Drawerに変更する。

アカウント数を10倍に増強。全社的に利用を進める。

 パンチ工業では、活用開始から徐々にデータ量が増えて、さらなる活用が進み、営業部門では当初の10数名の利用から100名超にまで増加した。全営業部員が活用するようになったのだ。

 

早野氏、都築氏は口を揃える。

 「管理番号に各種のデータが紐付けられて社内システム上に保存されています。だから、図面を探す場合は社内システム上で当たりをつけ、前回の管理番号を探します。その管理番号を元に過去の図面を探してきて、比較対象図面と並べて確認するのが以前の手順でした。それが今はCADDi Drawerに図面を入れれば、全てやってくれる。楽になりました。UIも更新されて使いやすくなりました。色々な要望に対してスピード感もって開発対応してもらえているのがいいです。」

 

 パンチ工業では、今後は調達部門や加工、設計部門などに活用を広げていくことを検討中だ。また、類似図面有無の判断基準をCADDi Drawerに合わせ、CADDi Drawerで見つかれば類似有りとするルールを作ることも考えている。CADDi Drawerで今後も業務改善を進め、全社的なDX推進を実現していく。

アカウント数を10倍に増強。全社的に利用を進める。
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