社名
ハカルプラス株式会社
設立
1916年
所在地
大阪府大阪市淀川区田川3丁目5−11
従業員数
254名
売上高
非公開
業界
測定器・理化学機械器具
事業内容
産業用計量システム、電気計測機器・省エネ機器・メディカルケア機器等のシステム開発、製造、販売、及び関連するコンサルティング、サービスなど
ハカルプラス株式会社

事例 CADDi Drawer

「初手CADDi」で部署間の壁を壊す。ペーパーレス化による思わぬ改善効果を実感

計量事業部次長

東谷健一郎

調達本部 調達課 主任

森田圭祐

導入前・導入後

中堅層が薄く、ベテランに業務が集中することで属人化が顕著になっていた。若手は図面を探すなどの作業に割く時間が多く、能力や意欲があっても新規設計の経験を積むことが難しい状況だった。

情報検索時間の効率化により、若手自身が主体的に業務を進められるようになった。また、ペーパーレス化により紙図面に付帯していた業務が不要になったことで、業務効率化が進み教育や新しいチャレンジに取り組めるようになった。

インタビュー

属人化・人材不足で新規設計が難しい状態に

大阪市淀川区を拠点として1916年に創業したハカルプラス株式会社「はかる」ことをコアとして幅広い事業の展開をしている。創業当初はメーターを扱っており、そこで培った技術を軸に、「電気をはかる計測部門」、「生コンをはかる計装部門」、「原料をはかる計量部門」、「医療・介護の安全をはかるメディカルケア機器部門」の4つの事業を展開している。

 

ハカルプラスの強みは、多様な事業で培ってきた「はかる」方法に関する技術を保有している点だ。例えば、測定が難しい粘度の高い接着剤の重量測定などの高い技術を保有していることで、顧客が抱える課題、現実的な運用方法や必要精度などに応じて、最適な方法を提案できる。

ハカルプラスの設計では、属人化に関する課題を抱えていた。計量事業部次長の東谷氏は、このように話す。

 

「私が中途入社したのが2016年。チャレンジングな企業風土もあり、その頃は、ハードな働き方をしている人が多くいました。特に、求められる役割から負荷が集中しやすい中堅や管理職は職場への定着率が高くなかったため、今残っている人材は中堅が不足います。管理職と20代半ばの間で、実務をバリバリ進めていくはずの人材が不足している状態でした。」

 

厳しい状況を乗り越え豊富な経験を積んだ管理職やベテランは、豊富な知識を持っているため、顧客から質問を受けても速やかに対応できる。一方で、経験の浅い若手はスムーズに業務を進められない状況だった。

 

参考図面を探すのにも時間がかかってしまい、純粋な設計業務に携わる時間が取れない。例えば、さまざまな要素が含まれている図面をパッと見て理解できるように教育する必要があっても、教育時間を確保できない状況だった。また、実践経験を積んで技術を身に着けてもらおうにも中堅がいないことで新規設計を受ける余裕がなく、リピート設計が中心になってしまっていた。

 

さらに、調達コストに関しても課題を抱えていた。リピート品が多いとはいえ、すべての客先で共通の仕様を流用できるわけではない。客先ごとに微妙に違いがあり、その微妙な仕様の違いによって、調達コストが大きく変わってしまっていた。設計に加えて調達にも離職者が多い時期があったため、どの図面をどのサプライヤーに出せばQCDを高い状態でバランスをとって調達できるのか、明確になっていなかったのだ。

よくある図面管理とは違う?CADDi Drawerへの期待

CADDiとの出会いは、図面に関する課題解消のアイディアを検討している中で、若手社員が売り込みを受けてきたことだ。東谷氏は若手から話を聞いた当初、既存データとの紐づけや環境構築に手間がかかって使えないと考えていた。しかし、専務や取締役からもCADDiの評判を聞き、まずは自分の目で見て説明を聞くために、東谷氏自身が展示会に参加した。

 

CADDi Drawerの説明を聞いてもっとも魅力的に感じたのは、ただシステムを導入して終わりではなく、導入後のサポートが充実している点だったという。自社がサポートを受けて課題を解消するのはもちろんだが、他社の改善事例や活用事例はサポートを通して自社に還元できるのではないかと考えた。システムの利用だけでなく、サポート込みであれば費用対効果を十分に満たせると感じた。

 

社長や役員は、「導入して使ってみないと分からないことも多い。もしダメだったら、そこでやめる判断をすればいい」という考えだったため、本来は稟議のタイミングではなかったものの、東谷氏の提案後はスムーズに導入が進んだ。

蓄積された資産の活用とペーパーレス化の思わぬ効果

せっかく新しいシステムを導入しても、実務に活用されなければ投資が無駄になってしまう。例えば、時間をかけて取り扱い説明書を確認しないと使えないシステムは、なかなか実務で普及しない。しかしCADDi Drawerは、取扱説明書がなくても直感的に使えるため、若手を中心に多くのメンバーに利用されている。

 

これまで蓄積してきた図面を登録することで、若手でも参考図面を速やかに検索できるようになり、教育や新規図面に着手する時間を生み出せた。また、図面だけでなく仕様書や周辺書類を登録していくことで、これまでは順番に情報を追っていかないとたどり着けなかった仕様書に、一度の検索でアクセスできるようになった。今後は組図を登録していくことで、仕様書を検索したらその仕様書と紐づいた組図が出てくるという状態の構築を検討している。

 

さまざまな資産をCADDi Drawerに登録することで想定以上に効果を実感したのが、ペーパーレス化だ。これまでサプライヤーとコミュニケーションを取る手段は、FAXや郵送、メールが混在していた。これを集約することで、図面や構成表などの紙資料を印刷する機会が減り、これが業務効率化に繋がっている。図面を印刷すると、その図面を折り、貼付し、仕分ける必要がある。ペーパーレス化を進めるとこれらの付随作業が不要になり、その削減効果は想定以上のものだった。

 

現在は、費用対効果を細かく分析するよりも、どんどん新しい活用アイディアを出し、実践し、成果を出すことを優先している。最終的には残業時間・売上への影響などを分析するが、分析に時間を使い過ぎて新たな取り組みを生み出す時間が無くなってしまうのは、もったいないと考えている。

「初手CADDi」で部署間の壁を壊したい

CADDi DrawerとCADDi Quoteを導入することで、設計や調達の属人化を解消し、業務効率化の効果が実感できている。導入している事業部では売上や利益が向上し、有給取得率が向上するなど、従業員の実感だけでなく数値で見える効果も出てきている。現在は機械設計でしか活用できていないが、電気設計や情報設計などにも広げていきたい。

 

今後は、図面や見積もりに関する資料だけではなく、仕様書や回路図、組図などの登録も検討している。活用しきれていない膨大な資産を登録し、CADDiをライブラリとして構築する。知りたいことがあった場合には、まずCADDiで検索する「初手CADDi」を実現したい。これまでの探し方では目的の情報にたどり着くのに時間がかかっていたとしても、CADDiで検索すれば速やかに目的の情報にたどり着けるはずだ。

 

東谷氏は、CADDiを活かすことで目指す未来について、このように話す。

「CADDi DrawerとCADDi Quoteを活用することで、業務効率化の実現と共に自分で勉強できる環境の構築ができました。現状は一部の事業部にしか導入できていないCADDi Drawerをすべての事業部に展開することで、受け側の調達は統一した業務プロセスを構築できます。CADDiをきっかけに、部署間の壁を壊し、全社的に改善していきたいですね。」

「初手CADDi」で部署間の壁を壊したい
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