古河産機システムズ株式会社は、古河機械金属株式会社の産業機械事業を分社化して、2004年5月に設立された。鉱山で用いられる各種ポンプや、破砕機、粉砕機などの製品製造の他、採掘した鉱石を運ぶベルトコンベヤや橋梁の設計、施工、管理などを行っている。創業から約150年となる古河機械金属が持つ、経験、技術、知識を生かしたエンジニア力により、トータルバランスの優れた製品をお客様に届けている。
古河産機システムズでは、生産性向上や、技術継承が課題となっていた。生産性が上がらない原因の1つが、製品単位で組織が分かれていた点だ。資材部内でも製品により担当が分かれており、業務量や勤務時間に差が生まれ、結果として生産性が落ちていた。また、紙ベースで処理される業務も、生産性向上を妨げる原因となっている。
対策として、資材部内では製品を跨いでのジョブローテーションや、個々の業務レベルを引き上げる取り組みを行っていた。しかし、異なる機械の構造や価格感を覚えるのには、多くの図面や受発注データを見て経験を積まなければならない。また紙でやり取りされる図面や、関係する発注データをまとめて見ることは困難であったため、覚えるまでには多くの時間が必要だった。
技術継承においては、近い将来に訪れる定年退職の増加に備え急務の課題だ。資材部の橋本氏は、技術継承についてこのように話す。
「現在勤務している各製品のスペシャリスト達が、あと10年もすれば全員定年退職を迎えてしまいます。このままでは、今まで蓄積した知見は伝承されません。加工知識のある人が新たに来ても、製品の構成が分からないので、図面を見て図番を確認します。図番まで行き着かないことには、他の情報に辿り着けません。図番から、部品の構成表を探して、そこからデータを引っ張ってくることになります。手間暇のかかる作業です。今までの知見と、図面、発注の実績などをダイレクトに結び付けられるツールが必要でした。」