社名
古河産機システムズ゙株式会社
設立
2004年5月19日
所在地
小山工場 〒323-8601 栃木県小山市若木町一丁目23番15号
従業員数
447人[2024年3月31日現在]
売上高
非公開
業界
ポンプ・油圧・空圧機器
事業内容
ポンプ、鋼構造物、鋼橋梁、破砕機、粉砕機、造粒機、分級機及びベルトコンベヤ、環境機器、リサイクルプラント等産業機械の製造・販売・サービス並びに各種工事請負
古河産機システムズ゙株式会社

事例 CADDi Drawer

10年後の会社の在り方を考えた時に、必要なことはデジタルを活用した先人たちの知見の継承。資材部から全社での生産性改善の実現を目指す。

生産本部 小山栃木工場 資材部、部長

橋本 泰彦

生産本部 小山栃木工場 資材部 資材課

小暮 絵梨

導入前・導入後

非効率な業務において、生産性に問題を抱えていた。また属人化された一部業務は技術継承が上手く行かず、将来に不安を抱えていた。

類似図面と発注実績を誰でも探せるようになり、今まで半日かかっていた業務が1時間程度で行えるようになった。技術継承や情報共有への活用に拡大。

インタビュー

非効率な業務で生産性が低下。技術継承ができず、将来に危機感

 古河産機システムズ株式会社は、古河機械金属株式会社の産業機械事業を分社化して、2004年5月に設立された。鉱山で用いられる各種ポンプや、破砕機、粉砕機などの製品製造の他、採掘した鉱石を運ぶベルトコンベヤや橋梁の設計、施工、管理などを行っている。創業から約150年となる古河機械金属が持つ、経験、技術、知識を生かしたエンジニア力により、トータルバランスの優れた製品をお客様に届けている。

 

古河産機システムズでは、生産性向上や、技術継承が課題となっていた。生産性が上がらない原因の1つが、製品単位で組織が分かれていた点だ。資材部内でも製品により担当が分かれており、業務量や勤務時間に差が生まれ、結果として生産性が落ちていた。また、紙ベースで処理される業務も、生産性向上を妨げる原因となっている。

 

対策として、資材部内では製品を跨いでのジョブローテーションや、個々の業務レベルを引き上げる取り組みを行っていた。しかし、異なる機械の構造や価格感を覚えるのには、多くの図面や受発注データを見て経験を積まなければならない。また紙でやり取りされる図面や、関係する発注データをまとめて見ることは困難であったため、覚えるまでには多くの時間が必要だった。

 

技術継承においては、近い将来に訪れる定年退職の増加に備え急務の課題だ。資材部の橋本氏は、技術継承についてこのように話す。

 

「現在勤務している各製品のスペシャリスト達が、あと10年もすれば全員定年退職を迎えてしまいます。このままでは、今まで蓄積した知見は伝承されません。加工知識のある人が新たに来ても、製品の構成が分からないので、図面を見て図番を確認します。図番まで行き着かないことには、他の情報に辿り着けません。図番から、部品の構成表を探して、そこからデータを引っ張ってくることになります。手間暇のかかる作業です。今までの知見と、図面、発注の実績などをダイレクトに結び付けられるツールが必要でした。」

 

非効率な業務で生産性が低下。技術継承ができず、将来に危機感

類似図面とデータを誰でも探せるようになり、サプライヤー選定の時間が減少。

 新たなツールを探していた橋本氏は、会社の古河機械金属から、図面データ活用クラウドCADDi Drawerを紹介された。

これまでの仕事での課題から、CADDi Drawerの導入価値についてこう語る。

 

「資材部では、部品のリストを作る作業があります。リスト作成では、発注量と単価、サプライヤーのデータを全部リスト化して、それに対象品となる図面を1枚ずつ用意していきます。非常に時間のかかる作業でした。今までは、図面を利用することを考えた時には、図番が分からなければどうにもなりませんでした。」

 

「CADDi Drawerの図面の中に書かれているテキストで調べられるキーワード検索、形状で調べられる類似検索は非常に便利だと感じました。また発注実績のデータや、図面に記載された注釈などもデータとして蓄積していけることも非常に便利に感じました。CADDi Drawerで類似図面を探し出して、そこに紐づいたデータを見ることができれば、作業がダイレクトに進められます。」

 

古河産機システムズは、CADDi Drawerの導入を決定し、運用を開始した。導入の効果を資材部の小暮氏はこのように話す。

 

「何らかの理由で既存のサプライヤーへ発注できなくった際、代わりのサプライヤーを探すために見積を依頼する必要があります。この見積のための図面を選定するのが大変でした。例えば、同じ名前のピン・シャフト形状の部品でも、物によって太さや長さが違い、穴の開け方が特殊なものもあります。以前は、発注した実績のあるサプライヤーの発注データを全部見て、一件、一件、図番を確認していました。図番を元に図面を見て、類似していて使えるかを判断します。これをもとに候補となる図面のファイルを一つ一つ開いて判断する必要があり、時には半日ほどかけて探していました。」

 

「CADDi Drawerは、図面を一覧でサムネイルで表示ができます。それを見ながら探して、類似図面検索で絞り込めます。寸法一致範囲を指定できたり、最近発注したことがあるなどの条件でも絞り込めたのも、凄く使いやすい点でした。結果、1時間もかからないぐらいで見積依頼に使用する図面を揃えられるようになりました。」

類似図面とデータを誰でも探せるようになり、サプライヤー選定の時間が減少。

CADDi Drawerで図面基準の情報ネットワークを構築し、生産性や品質を向上させる

古河産機システムズでは、誰でも簡単に類似図面を探して実績を確認できるようになったことで、経験の浅い者でも新たなサプライヤーを探すことが可能になった。

 

今後は、CADDi Drawerを情報共有に活用することで、生産性や品質の向上につなげて行くことを検討している。

 

「物を作る際には、製造ならば加工プログラムがあり、品質保証なら不具合情報があります。そういった情報を、図面を基準にして蓄積することを実現していきます。例えば、新しい図面が生まれたときに、類似図面を探して加工プログラムを確認します。利用できるものであれば、寸法違いの所の数字を変えて活用できる。不具合情報があるのならば、それを避けるようにプログラムを調整して使います。」

 

「また、今までと違うサプライヤーに発注するのならば、品質保証の情報から、加工のポイントを伝えます。図面を基準とした情報ネットワークを、生産性や品質の向上にまで結び付けられればと考えています。ベテランは、加工のポイントや不具合の報告などは頭に入っていますが、新人はわからないのでデータを見なければいけない。図面と情報を結び付けて一覧で見られるようにしておくことは、非常に意義のあることです。」

 

古河産機システムズは、CADDi Drawerにより今までの知見や技術を次世代に伝え、継続的な生産性の向上を実現していく。

 

CADDi Drawerで図面基準の情報ネットワークを構築し、生産性や品質を向上させる
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