イーデーエム株式会社は、設立から50年以上にわたり、製品情報の印字を行うプリンタ(印字機)、印字内容を確認するための検査機、ラベルの貼りつけを行うラベラーの開発・設計・製造・販売を行ってきた。包装フイルムやラベル等に対して日付・製造番号・バーコードなどを直接印字する、産業用サーマルプリンタの食品メーカーにおける取り付け実績ではトップシェアを誇る。技術チームによる独自機器の開発に力を入れ、表示機器業界のトップとして、お客様からの表示に関するさまざまな要望に対し、あらゆる角度から応えてきた。
自社製品の開発の他に、お客様別の特殊仕様設計対応や、輸入製品のカスタマイズ設計など、多岐に渡る設計事案が発生する。設計により発生する図面数は、年間数千枚にも及ぶ膨大な量。一つの製品に対して関連する図面は、加工品だけでなく、購入品の部品なども含めて多数ある。これをまとめて管理するため、BOMシステム(部品管理システム)を導入していた。部品を一つ一つ管理し、購買情報と結びつけていくことで、設計、購買業務のスピード感を増し、業務効率を高める取り組みを進めていたのだ。
BOMシステムの運用においては課題もあった。BOMシステムでは、製品に関わる部品名や部品番号、材質、必要数量などの情報を一元管理できる。しかし、文字情報が基本となり、図面を見る場合は、CADファイルを開くか、PDFデータ (紙図面)を探すこととなる。設計部門であれば、部品名から形を想像して探すこともできるが、購買部門では難しい。また設計部門においても、過去の類似設計の活用をしたくとも、類似の図面を探し出すのに手間がかかっていた。似た名前の部品をリストアップできても、思った通りの形状であるかは図面を開くまで判断できないからだ。結局、類似の図面かもしれない大量の候補を1つ1つ開くのが面倒で、新図を書いてしまうこともあった。