社名
エバ工業株式会社
設立
1953
所在地
三重県員弁郡
従業員数
国内本社178名
業界
工作機械・加工機
事業内容
工作機械の周辺設備の設計製作、工場の無人化・自動化サポート
エバ工業株式会社

事例 CADDi Drawer

ベテランと若手、ベトナムと日本。時間も空間も超えた図面共有で、人財を育てる。

技術部部長

早川 友輔

技術部 メカ設計G リーダー

伊藤 恵史

技術部 メカ設計G

川内田 功希

業務部 生産管理G 主任

正木 天規

導入前・導入後

技術力の伝承がうまく進まずに新たな取り組みに着手できない状況であった。

仕事に対する意識やAI・DXへの興味も大きく変わり、若手やベトナム工場の人材の中には、使い方を自分たちで考え新たな成果を出す従業員も増えてきた。

インタビュー

製品群の拡大や新たな柱の構築に必要な、技術伝承

1953年に設立され、国内とベトナムに拠点を持つエバ工業。人材不足解消や働き方改革の実現に効果的な、工場の無人化・自動化設備の開発・設計・製造を行っている。

製造業の多くは、新たな人材の獲得に苦労している。経済産業省が毎年発行している「ものづくり白書」によると、全産業の中で製造業に従事する労働者の割合は直近の20年で大きく減少しており、製造業から非製造業への人材流出は顕著だ。また、「人手不足倒産」というワードが話題になるほど、人材不足に苦しむ企業が多い。このような状況において、限られた人員での生産性向上を実現するために、多くの製造業が工場工程の自動化や無人化に取り組んでいる。パレットプールやパレットチェンジャなどの製品を中心に取り扱うエバ工業にも、引き合いが増えてきている。

 

2年前から技術部の部長に就いている早川氏は、人材の確保と育成の重要性を感じていた。会社は今後、さらなる製品群の拡大や新たな柱となる事業構築の実現を見据えている。そのためには若手やベトナム拠点の人財育成が必要不可欠だが、人の入れ替わりや扱っている製品にも新規生産のない期間があると、設計の知見が途切れてしまい、技術の受け渡しがうまくいっていなかった。特に図面に関しては、過去に類似部品の設計が行われていたにも関わらず、それらをうまく活用できずに、新図面を一から作成している状態だった。

 

図面に関する課題を解消するために図面検索の方法を工夫したこともあったが、そのルールが統一されておらず、結局見つけることができないまま、図面の検索を諦めてしまう従業員も多かった。このままでは業務負荷が高い状況が継続し、新たな柱となる製品群の拡大や人財の育成に十分な時間を充てられない。エバ工業では、将来に対して強い危機感を抱いていた。

 

また、20年ほど前に設立されたベトナムの工場では、日本よりも過去の図面を参考にする機会が多い。参考図面は日本から送ってもらう必要があるため、図面待ちで仕事が止まってしまうことも少なくなかった。

日本とベトナムの双方において、必要な図面の入手に課題があり、過去図面を有効活用できないことが、業務効率の向上を阻害する大きな要因となっていた。

図面検索を諦めない

そこでエバ工業では、自社に蓄積された図面を資産として活用できるツールを探していた。CADDi Drawerとの出会いは、同社顧問の出口氏による紹介がきっかけだ。正式導入前のトライアル期間で、これまで解決が難しかった図面に関する課題をCADDi Drawerで解決できるかもしれないと感じた。

 

CADDi Drawerの可能性について、早川氏はこう話す。「これまでの図面検索では、膨大なフォルダの中から頭の中で絞り込みを行い、図面ファイルを一つ一つ開いて目的の図面かどうか確認していました。絞り込みが適切ではなかった場合にはやり直す必要があり、目的の図面を見つけるのに膨大な時間がかかります。CADDi Drawerのキーワード検索は、目的の図面に関連するキーワードで検索すれば、合致する図面候補を的確に提案してくれます。また、ファイルの内容をサムネイル表示してくれることから、一つ一つファイルを開いて確認する必要がないことも、業務効率化に対する貢献度は大きいです。」他のメンバーも同様に、CADDi Drawerの可能性を体感できていたことから、導入を決断した。

 

導入後は、主に技術・購買の各部門で活用されている。購買部門では、過去の図面も取り込むことによって、類似検索で欲しい図面をすぐに見つけることができるようになった。また、これまでは図面が見つからない場合に技術部に問い合わせていたが、図面の検索性が向上したことで技術部への問い合わせも不要になり、業務の柔軟性も向上した。

技術部では、目的に合致した過去図面を見つけやすくなったことで、イチから新たに作成する図面の枚数を減らすことができた。また、新卒や中途で入社したばかりの従業員は、図面ルールを十分に把握できていない場合がある。CADDi Drawerで検索した類似図面を参考にすることで図面ルールを速やかに把握し、担当する図面の作成を進めることも可能だ。

 

さらには、独自の活用方法を試す従業員も出てきている。新製品開発には欠かせない他社特許の調査をする際に、CADDi Drawerの画像検索を活用。特許庁のHPでも画像検索があり、一つ一つ細かに図面を特定することなく、調査効率の向上を実現している。

図面検索を諦めない

時間と空間を超えた図面の活用による技術者の育成

CADDi Drawerは、国内拠点だけではなくベトナムでも活用されている。日本では、図面の作成に加えて、顧客からの要望の吸い上げやサービスの対応も並行して行う必要があるが、ベトナムでは、日本と比べて既存製品の類似品を設計する機会が多いため、日本と比較して過去図面を参考にすることが多い。以前は必要図面を日本に問い合わせ、その返信を都度待っていたが、今では図面送付を待たずに、CADDi Drawerで検索をすれば自分たちで過去図面を入手することができる。「CADDi Drawerがないと、仕事にならないよ。」と話すなど、ベトナムの技術者は、当たり前のようにCADとCADDi Drawerを同時に開いて仕事をしている。

 

過去に日本で作成された図面が電子化され、物理的な距離が大きく離れているベトナムでも、積極的に参照されている。CADDi Drawerが実現した「時間と空間を超えた図面活用」により、ベトナムでの業務効率は大幅に向上し、エバ工業の仕事の幅は確実に広がっている。

時間と空間を超えた図面の活用による技術者の育成

CADDI Drawerで実現する業務効率化と意識改革

エバ工業の社内では、CADDi Drawerの導入によって、検索工数だけで見ても日本とベトナム合わせて、月に300時間以上の削減に繋がっている。さらに従業員の意識変化も起こり始めていて、例えば、当初CADDi Drawerの導入には否定的だった社員も、社内でCADDi Drawerの勉強会で試しに使ってみてからは、のめり込むように活用し、今では「こういうことはできないのか」と逆提案をしてきている。CADDi Drawerを活用したことで従来の進め方の無駄に気づき、「まずは新しい図面を作る」という意識から「まずは過去の図面を活用する」という意識に変化したのだ。

 

また、AIやDXがブームになっている中でも、多くの従業員は自分事として捉えることができていなかった。しかし、AIを活用したシステムであるCADDi Drawerを利用したことで、AIの活用やDXというワードが自分として捉えられるようになり、日常生活や業務の中でもアンテナを広げるきっかけになった社員もいる。CADDi Drawerの導入をきっかけに、若手やベトナム工場で活躍する従業員が積極的に知識を吸収し、自ら提案できるように成長してきている。

 

CADDi Drawerの今後について、エバ工業内でCADDi Drawerの社内推進役である伊藤氏は、このように話す。「私は分野の違う仕事をしてきました。基本的な図面の書き方もわからない中、社内独自のルールを踏まえた上で図面作成することは大変難しい作業でした。図面の記載内容が統一されていないことで苦労してきたので、現場の作業者が悩まないように『エバ工業として図面の書き方』を統一する仕組みを構築したいです。また、推進者という立場でもあるので、現在は一部の部署に限って使っているCADDi Drawerを、全社展開できるような活用方法を確立したいです。全社的な業務効率化に繋げることができたらいいですね。」

 

2024年中には、新たに名古屋に拠点を開設する。DX化が進み、ベトナムでの実績を見ても、物理的な距離があっても効率的に業務を進めることができるとわかってきた。人財確保の観点からも、各所にアクセスのいい名古屋にも拠点を設けることで、会社としての成長に繋げていく考えだ。

 

エバ工業が目指す未来を実現するために、重視している「人財確保」と「人財育成」。CADDi Drawerはその実現に向けて、同社をサポートし続ける。

CADDI Drawerで実現する業務効率化と意識改革
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