株式会社IxZOQは、自動車業界向けを中心に、熱間鍛造金型の設計、製造を長年行ってきた。その技術や設備を活かし、大小各種の機械装置部品の設計、製造も行っている。若手や女性が活躍する活気のある製造業企業だ。
IxZOQでは、需要が高い短納期案件への対応をするため、様々な取り組みを行っている。見積もり回答の時間短縮もその一つだ。お客様からの依頼に対し、2、3時間程度で回答することを目標としている。見積もり回答は、元々営業担当が行っていたが、属人的な部分を無くすため、事務担当の女性社員数名のチームで回答できる体制を整えてきた。見積もり作成数は、月に600件にも及ぶことがある。
見積もりの際には、類似形状の過去の図面を探し、受発注の実績データを元に作成を行う。IxZOQでは外注による加工が全体の8割と多く、過去実績を参照することで、外注先からの回答を待たずに依頼を受けたお客様へ見積もり回答をしてきた。
しかし、過去図面の検索に課題があった。図面はデータ化されていたが、図番や品番、お客様の名前などの情報を元に、記憶頼りで検索するしかなかった。該当すると思われる図面が100枚あれば、100枚分のファイルを1つずつ開いて確認する必要があった。長年の経験がある社員ならば、ある程度範囲を絞って確認する図面数を減らせるが、経験の浅い社員は全ての候補となる図面を確認しなくてはならない。非常に時間がかかり、見つかるのかどうかも分からないので、1件の見積もり作成に必要な時間の予測ができなかった。他の業務に対応する時間も圧迫するため、見積もり作成は負荷の高い作業となっていた。また、同じ部品でも外注先によって価格差があり、探し出した図面によって作成した見積もり価格にブレが生じる問題もあった。
この課題を解決するため、様々な方法を探して試してみたが、良いものを見つけることは中々できなかった。