誰かに頼らないといけない状況は、変えなければならない。狭義の技術集団から、広義なクリエイティブ集団へ企業風土の変化を目指す
株式会社草川精機
- 設立
- 1962年5月
- 従業員数
- 32名
- 売上高
- 非公開
- 事業内容
- 金属・非金属精密機械部品の製造及び組立
- お話いただいた方
-
株式会社草川精機 代表取締役 加古万千香氏
Before
各部門で業務の属人化が進んでいた。図面を中心とした情報のやりとりは紙ベースで進むことが多く、非常に効率が悪い。
After
紙での図面のやりとりを無くすことができる。図面の検索が短時間で出来るようになり、紐づいた情報を見ることで誰でも作業が進められる。
Before
各部門で業務の属人化が進んでいた。図面を中心とした情報のやりとりは紙ベースで進むことが多く、非常に効率が悪い。
After
紙での図面のやりとりを無くすことができる。図面の検索が短時間で出来るようになり、紐づいた情報を見ることで誰でも作業が進められる。
技術継承ができず属人化が進む。紙の保管図面の増加も課題。
株式会社草川精機は、半導体や液晶、食品、医療などの幅広い業界の金属・非金属精密機械部品の製造及び組立を行っている。大型のマシニングセンターや三次元測定機などの最新鋭設備を積極的に投入し、高い技術に裏打ちされた高精度、高品質の製品を短納期で提供することで、お客様から高い評価を受けてきた。
草川精機では、独自の製造情報管理ソフトを十数年前に導入している。システムの導入により、加工に使用するプログラムや工具が標準化されて管理されるようになった。これにより、プログラムを作る人と、加工を行う人がシステムを軸として分業できるようになり、人が変わっても同じように製造できるようになった。多くの製造業企業で問題となる技術継承や属人化の解消に、デジタル技術の活用により成功している。
製造部門における製造業DXに成功している草川精機であるが、全社的に見ると技術継承や属人化解消がまだ足りない部分があった。部門内、各部門間での情報共有が進んでおらず、個人の知識や経験、記憶により業務を進めている部分がまだ多くあったのだ。特に、図面を中心とした情報のやりとりは紙ベースで行われているものが多く、時間、コストの面で多くの課題があった。
例えば、お客様から受注した図面は、作業指示書をつけて製造部門に送られる。この時、加工プログラムを作成する人、検査をする人、出荷をする人などが、作成、確認に図面が必要となるので、各自でコピーする。購買や営業でも発注、見積もり等で必要になるのでコピーされる。これが受注の際に毎回発生するので、膨大な量の紙図面が発生していた。さらに、紙図面に注意事項や確認事項などを記入することがあり、それが各部門で個別に管理されていた。子図、孫図が増え、その存在は担当者しか分からないような状況となる。
また、類似案件の見積もりや再受注などの理由で過去の図面を見る必要が出た場合、紙ならば記憶を頼りにファイルをめくって探し、データ化されていてもファイル名や部品名を頼りに検索するしかなかった。探し出すのに時間がかかるので非常に効率が悪く、見つからない場合も多くあった。
技術継承、脱属人化、ペーパーレス化を実現させるならば今である
代表取締役の加古氏は、全社的な製造業DXを実現する新たなシステムの導入に向け、各方面から情報を集めていた。
「誰かに頼らないといけない状況は、変えなければならない。草川精機の未来にとっての課題です。誰でもができて、若い人がチャレンジできる仕組みを作りたいと考えていました。」
しかし、思うようなシステムはなかなか見つからなかった。自社での製作も勧められたが、それでは現在の会社の業務に合わせて作ることになり、将来新たな課題が発生しても、システムを進化、対応させることが難しくなる。どこからでも活用できる、クラウドのパッケージソフトウェアに絞って探していた。
そのような状況が続いていた時、加古氏は図面データ活用クラウドCADDi Drawerを紹介される。デモ画面を見た時、正に自分達が思い描いていたシステムだと直感した。CADDi Drawerを活用すれば、図面をアップロードして、そこに購買情報や製造情報などの様々な情報を紐づけて見ることができる。現場でも、外でもタブレット等で図面が確認できるので紙図面をコピーする必要も無い。過去図面や類似図面を探す際には、図面上に書かれた手書き文字も含めて検索できるので、探し出す時間も大幅に減る。紐づけられた過去の受注情報が確認できれば、見積もりのスピードや精度も上がる。草川精機では、CADDi Drawerの導入を直ぐに決めた。
加古氏は導入の動機をこのように語る。
「営業部門で言えば、保管図面が大量にあるので、図面を探して見積もりをするような作業に追われて、本来やるべきお客様に対しての営業活動ができていないと思っていました。他の部署でも、本来の仕事に集中できるようになるのは、導入の動機として大きいところです。世の中の色々なシステムが電子化されている中で、5年後ぐらいにはもう紙での取引が無くなっているかもしれない。その時、当社はまだ紙でいいのかと考えると、変えるのは今だと感じています。」
CADDi Drawerを部門間で情報を見るための共通インフラへ
加古氏はCADDi Drawerの今後の活用について、技術継承や属人化解消、ペーパーレスに限らず、部門間で情報を共有するための共通インフラとしても活用できればと期待している。
「若い人たちが、私達が持っている経験値を気軽に使ってもらえる会社にしたいと思っています。例えば、図面データにプログラムが紐づいていて、自由に見ることができるようにします。今までは図面とプログラムが一致していませんでした。これが気軽に検索できて、自分で見て加工ができるようにしていきたい。さらに、部門を超えて、色々な情報を知ってほしい。例えば、どんな見積もりを経てこの価格になったか確認できて、さらに営業が入れた情報が見られるとか。営業の苦労話をちょっと入れてもいいぐらいだと思っています。どうしても他部署の事は見えづらいですから。CADDi Drawerが共通インフラとなり、経験の有る人も、無い人も、部門を越えて同じ目線で平等に見られるオープンな環境が構築されることを期待しています。CADDi Drawerの導入を機に、私たちの企業は狭義の技術集団から、広義なクリエイティブ集団へと企業風土を変化させたいと思っています。」
草川精機はCADDi Drawerを活用することで、全社的な製造業DXの実現を進め、お客様の多様なニーズにこれからも応えていく。