システムの内製化には限界がある。自前主義を脱し、世界で戦うために全社DXを加速させていく。
HILLTOP株式会社
- 設立
- 1980年9月1日(1961年創業)
- 従業員数
- 144名
- 売上高
- 事業内容
- 部品加工事業、装置開発事業、ソフトウェア開発事業
- お話いただいた方
-
代表取締役社長 山本勇輝 氏
Before
月4,000品種の多品種少量生産・試作中心により膨大な図面が発生。検索に時間がかかり、図面が活用できていない。
After
全社DX推進プロジェクトで図面の活用、類似図面の検索が課題に上がりCADDi Drawerを導入。図面の検索の量が3倍に。
Before
月4,000品種の多品種少量生産・試作中心により膨大な図面が発生。検索に時間がかかり、図面が活用できていない。
After
全社DX推進プロジェクトで図面の活用、類似図面の検索が課題に上がりCADDi Drawerを導入。図面の検索の量が3倍に。
DXプロジェクトを立ち上げ、システム内製化の限界を解消する
HILLTOP株式会社は、切削加工による部品製造と、装置開発をメイン事業としている。特徴的なのは、1図面に対して1、2個の発注が全体の80%を占め、月に4,000品種以上の部品を製造している点だ。HILLTOPでは、職人の考えと技術をデータ化していく事により、24時間無人で稼働できる独自システム(HILLTOP System)を構築している。これにより、多品種少量・試作主体の製造でありながら、高品質、高精度で超短納期の製造が可能となった。現在では、蓄積された加工データやシステムを元に、3D設計データから加工データや加工手順書を自動で作製できるクラウドサービスも提供している。加工技術や設計のプロ集団として、日々お客様の多種多様な要望に応えている。
HILLTOPでは、営業システムから製造システムまでを内製化し、工場無人化などを成し遂げている。しかし、システム開発を専業で取り組んでいるわけではないため、内製だけでは昨今の進化スピードに追い付いていけなくなる不安を抱えていた。また、内製化したシステムは多岐に渡るため、保守や開発工数が大きくなり、内製化に限界も感じていた。
この状況を変えるため、HILLTOPでは全社DX推進プロジェクトを立ち上げて変革に取り組んできた。自社のコア事業に関わる部分は内製でのシステム開発を維持するものの、より優れたツールが外部にある場合は、導入、連携していく。これにより、HILLTOPのシステムを強化していく狙いだ。
類似図面の検索が早くなることに加え、部門間連携の実現による経営力の強化
DXプロジェクトで行った各部署に対してのヒアリングでは、図面データの活用、類似図面の検索は、重要度の非常に高い課題として挙がっていた。HILLTOPでは、月に4,000品種以上もの部品を製造しており、お客様からの注文頻度もバラバラである。取り扱う図面データは膨大な量になっていた。しかし、過去の類似図面を活用しようとしても、記憶や人手に頼る図面検索では、専属のスタッフを配置しても非常に時間がかかる。探しても見つからないものと考え、検索そのものを行わない場合も多くあった。図面検索システムの内製を試みたこともあったが、技術的なハードルの高さから開発は断念し、人力での検索が続く状態であった。この課題を解決するツールを探していたHILLTOPでは、様々なツールとの比較を繰り返した結果、図面データ活用クラウドCADDi Drawerの導入を決定する。
導入を決定した理由を代表取締役社長の山本氏はこのように語る。
「他と比較して、類似図面の検索とUIが直感的な点に優位性を感じました。特に、類似比較に対しての差異表示ができる点は大きかったです。違った部分に気づかないでそのまま流用して使用してしまうと、僅かな違いでも製品不良となってしまいます。営業担当者も、類似図面から差異を考慮して価格などを検討できるので、提案力も向上します。また、発注実績の紐づけができる点も、決定を決める大きな点でした。HILLTOPでは、1点もので、アルミだけ、切削だけのような仕事は少なく、鉄材も、プレス品なども調達して欲しいといった依頼が多いです。購買機能が非常に発達しています。CADDi Drawerを使うことで、製造、購買、営業が連携して、試作から、量産化試作、最終的には量産加工までの流れを一貫でご提案できるようになると感じました。」
さらに、山本氏はCADDiの驚異的な開発の早さにも注目していた。CADDi Drawerがリリースされて1年も経たずに次々と新しい機能がリリースされていくのを見て、内製でシステムをつくるより、世の中の進化スピードについていけると感じた。これこそ外部リソースを活用する価値があると思ったところも、導入の決め手となっている。
世界の進化スピードに追いつくために、自社の強みにリソースを集中させたい。
CADDi Drawerを導入したことにより、HILLTOPでは類似図面の検索時間は大幅に削減された。検索量は従来と比べて3倍以上になった。探すことを諦め、検索そのものを行わないこともあった状態が解消されている。
「導入後における、CADDiのカスタマーサクセスの方の存在は大きいですね。売るだけで終わらず、使い方や活用方法のレクチャー、社員へのヒアリング、説明会の開催など、多方面でサポートしてもらえる。オンラインでの対応も、実際に訪問してもらっての対応も充実しているので、その点もありがたいです。」
HILLTOPでは、今後さらにCADDi Drawerの活用範囲を広げていく予定だ。DXプロジェクトは、顧客管理や購買管理などの上流工程から優先的に進められているが、生産管理や工具寿命管理などの製造部分のDXにも積極的に取り組んでいく。
今後について山本氏はこのように話す。
「HILLTOPは自前で作ってきた強みがあったが、それでは世界の進化スピードについていけない。今後は本当に特化した部分に対してリソースを集中させたい。今は優秀な外部のサービスが出てきた。あえて自前主義をやめて、色々なサービスと連携しながら、自分たちの強みの部分にリソースを集中させる方向に、大きく振っていきたいです。今後は今まで手が届かなかった製造の部分に対してのDX化を集中してやっていきます。」
HILLTOPはCADDi Drawerの活用で新たな流れを作り、自社のDXを加速させていく。