業務効率化のその先へ。会社の「文化」を変えていくDX(デジタルトランスフォーメーション)の真髄。
大東精機株式会社
- 設立
- 1959年3月12日
- 従業員数
- 約200名
- 売上高
- 非公開
- 事業内容
- 鋼材用帯鋸盤、形鋼用穿孔機ほか加工機一式、形鋼加工システムの製造販売、帯鋸刃の販売
- お話いただいた方
-
執行役員 製造本部長 松本 茂氏
製造本部購買係 島尻 佑亮氏
Before
コスト計算が難しく、数年の経験を積まなければ適正な価格を予想することができない。過去の実績を活用しようとしても、図面を探すだけで半日以上かかっていた。
After
CADDi Drawerを導入したことにより、3年かかっていた戦力化が半年ほどに。業務効率化が進んだだけでなく、企業文化を変える糸口に。
Before
コスト計算が難しく、数年の経験を積まなければ適正な価格を予想することができない。過去の実績を活用しようとしても、図面を探すだけで半日以上かかっていた。
After
CADDi Drawerを導入したことにより、3年かかっていた戦力化が半年ほどに。業務効率化が進んだだけでなく、企業文化を変える糸口に。
購買のコスト計算は非常に複雑。先輩の指導の下で数年経験を積まなければならなかった戦力化までの長い道のり。
大東精機株式会社は、建物や機械などに使われる鋼材に対して、切断や穴あけなどの加工を行う鋼材加工機を自社開発し、設計から製造、販売まで行っている。高精度、高品質、高寿命な大東精機の鋼材加工機は、国内で高いシェアを持ち、海外でも高い評価を受けてきた。鋼材加工機メーカーのパイオニアとして、国内外の社会インフラ開発に貢献している。大東精機では、購買業務において課題を抱えていた。それは、部品調達にかかるコストの計算が難しい点だ。
製造本部長の松本氏はコスト計算の難しさについてこのように話す。
「購買は、部品の加工をお願いする会社に図面を渡して値段を決めて、部品を調達するのが仕事です。私たちの時代は、色々なものをやりながらノウハウを蓄積していきました。何年かすると、図面を見たら、これならば大体このぐらいの値段だろうと予想できるようになります。しかし、新人を早期に戦力化しようと思うと、コスト算出のスキルがネックになります。新人が適正な価格を予想できるようになるには、簡単な部品の発注から始め、先輩の指導を受けながら数年かけて経験を積まなければなりません。コストテーブルを作って、決まった値段が出せるようにすることも試みましたが、多品種少量生産が多く、部品調達先の会社も大きな会社から小さな会社まで色々あります。試行錯誤を重ねましたが構成要素が複雑で一つの計算式でまとめることができませんでした。」
また、部品の価格を決めるにあたって、過去の類似図面を探し、発注実績を調べて価格を比較することも行っていた。しかし、図面探しには多くの時間が必要だった。過去の記憶を頼りに探すので、探し出すのに半日かかることや、結局見つけられないこともある。なによりも、似た図面があった事を知らなければ探し始められない。
誰でも簡単に過去の図面や発注実績データを活用できる仕組みが求められていた。
「CADDi Drawer がなかったら仕事できない」新人の購買業務の自立を支える、なくてはならない存在に。
新たなシステムを探していた大東精機は、キャディから図面データ活用クラウドCADDi Drawerを紹介された。
松本氏
「類似図面をすぐに探しだすことができて、そこには前回の発注先と実績単価が紐づけられている。それがあれば、過去の図面と新規で出てきた図面を比較すれば、価格の予想ができるようになります。正解ではないかもしれないが、とっかかりを掴める。これならば、新人でもできるので、非常に魅力を感じました。」
導入を決めた大東精機では、購買業務で大きな効果が得られている。
松本氏
「現在、入社1年ほどの新人が購買部門に2人います。その2人とも、もう自分1人である程度判断して仕事を進められるようになっています。CADDi Drawerがなければ仕事ができないと言っているぐらいです。以前ならば、新人にはまず簡単な購買業務から任せ、徐々に難しいものを先輩社員が伴走しながら教えていき、自走できるようになるにはだいたい3年くらいはかかっていました。しかしCADDi Drawer導入後は過去の知見に誰でもアクセスできるようになったことで、その期間は半年くらい縮まったと思います。導入効果は絶大です。」
過去の図面を探す作業においても大きな効果が出ている。製造本部購買係の島尻氏は、CADDi Drawerの導入により、業務効率の改善とコミュニケーションの変化を感じている。
島尻氏
「以前は図面を探すことが日常茶飯事で、半日ないし1日ほど探していることもありました。今はCADDi Drawerが類似図面を探してくれるので、業務効率改善を非常に感じます。今までは、図面の存在を知っているか否かに依存してる部分が大きかったですが、今はCADDi Drawerで調べれば誰でもその図面に辿り着け、価格も分かる。みんなが同じモノサシで話ができるようになりました。」
上位下達な昭和のやり方から、新しい世代から意見が生まれるフラットな文化へ
大東精機では、導入にあたってカスタマーサクセスから様々なサポートを受けている。導入、運用をスムーズに進めるのに大いに貢献した。
松本氏
「導入前は、ソフトウェアは“売りっぱなし”で購入した後は保守料を払い続けるというイメージがありました。キャディは導入後最初の1ヶ月から何度も足を運んでくれました。使い方のアドバイスや、今の使用状況などを丁寧にヒアリングしてもらって、こういうことをやっていきましょうと、マイルストーンをどんどん設定してくれた。こちらからの提案に対するフィードバックや対応も非常に早かったことも心強かった点です。 毎回やるべきことを明確にしてもらえるので、知らず知らずのうちに改善が進んでいる。強力な推進力であり、推進役でした。」
今後、大東精機では、営業部門でもCADDi Drawerを活用することを検討している。これにより、訪問した営業先で、過去の導入事例の図面や価格を確認しながら商談を進めることができるようになり、お客様とのやり取りの回数を減らすことが見込める。
他にも、CADDi Drawerで類似図面を検索して統合することで、部品の共通化を進めることも検討中だ。実現すればある程度の数の発注を集約することができるため、部品調達コストの大幅な削減が期待される。
松本氏
「キャディの加藤社長が、高次のDX(デジタルトランスフォーメーション)は、「会社の文化を変えること」だと言っていました。聞いた当時は、私にはそんな発想はありませんでした。これまでの私でしたら、業務改善されて1時間かかっていた仕事が15分でできるようになったら、空いた45分間の空き時間で次の仕事をやれ。それができたら更に次。そんな感じでした。今は考え方が変わり、この45分を、自分の部署や会社全体の雰囲気を変えていくことや、自分を高めていくことに充てて欲しいと思っています。これまでずっと続いてきた上位下達的なやり方からは卒業し、創出できた45分を、自らの手で良いものを生み出していく未来への時間に変えていくことを、これからの新しい人たちには期待したいです。それが会社の次の文化を創っていくと信じています。」
大東精機は、今後もCADDi Drawerを活用し、製造本部、ひいては会社全体の変革を目指していく。