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Web-EDIとは?EDIとの違いや導入タイミング・注意点を解説

Web-EDIとは?EDIとの違いや導入タイミング・注意点を解説

Web-EDIとは?EDIとの違いや導入タイミング・注意点を解説

「紙ベースの受発注業務に限界を感じており、業務効率化とコスト削減を図りたい」「既存のEDIから移行を検討している」といった状況の企業も多いのではないでしょうか。

従来の紙による業務処理や従来のEDIでは、人的ミスの発生や法改正への対応の難しさなど、様々な問題があります。

今回の記事では、Web-EDI導入のメリットや導入が適したタイミング、電子帳簿保存法への対応方法について詳しく解説します。

目次

 

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Web-EDIとは

Web-EDI(ウェブ・イーディーアイ)とは、Webブラウザを利用して企業間の商取引業務を電子的に行うシステムです。従来の紙ベースやFAXでのやり取りと比較して、データ入力の手間削減や転記ミスの防止が可能です。

企業間の受発注や納品、請求などの業務をブラウザ上で完結できるため、ペーパーレス化による経費削減や業務効率の向上が期待できます。特に多くの取引先と頻繁にやり取りする企業にとって、日々の業務負担を大きく軽減する効果があります。

また、データが電子化されることで情報の検索性が向上し、過去の取引履歴を簡単に参照できる点も利点です。見積もり査定などの判断に必要な情報をタイムリーに取得できるため、意思決定のスピード・品質の向上も可能です。

種類

Web-EDIは、以下2つのタイプに大別できます。

  • ブラウザ型
  • ファイル転送型

まず「ブラウザ型」は、実際の伝票のような画面がブラウザ上に表示され、そこに直接データを入力して送受信する方式です。紙の伝票と似た感覚で操作できるため、導入時の教育コストが低く、直感的に使いこなせる特徴があります。

もう一つの「ファイル転送型」は、あらかじめ作成したデータファイルをWebサーバにアップロードし、受信側がそれをダウンロードする形式です。大量のデータを一括処理できるため、取引量が多い企業に適しています。

最近のシステムは、サーバ管理やソフトウェア更新の手間がかからないクラウド環境で利用できるブラウザ型が増えています。また、スマートフォンやタブレットからもアクセス可能なため、場所を選ばず業務を行える柔軟性もブラウザ型が評価されている理由です。

レガシーEDI・インターネットEDI・クラウド型EDIとの違い

従来の「EDI(レガシーEDI)」では専用ソフトのインストールや専用回線の契約が必要でしたが、Web-EDIはブラウザさえあれば利用できます。そのため、Web-EDIは導入障壁が低く、初期投資費用を抑えながら、企業間取引の電子化が実現可能です。

「インターネットEDI」はWeb-EDIと同様にインターネット回線を利用しますが、通信プロトコル(データ通信の規約)が標準化されている点で異なります。ただし、現在提供されている多くのWeb-EDIサービスはインターネット技術を活用しているため、両者の境界は曖昧になってきています。

「クラウド型EDI」は、自社でサーバを保有せずにEDIの全機能をクラウド上で利用するタイプです。システム管理の負担がなく、セキュリティ対策も提供会社に任せられるため、ITリソースが限られている中小企業でも導入しやすい特徴があります。

これらのEDIは形態は異なりますが、受発注業務の効率化とミス削減を実現できるなどの利点は、共通しています。

EDIの種類 特徴
レガシーEDI 専用ソフトと専用回線が必要で初期コストが高く、保守や更新の負担も大きい。
インターネットEDI 標準化された通信プロトコルを使用し、異なるシステム間のデータ連携が容易。
Web-EDI 取引先ごとに異なるシステムを使い分ける必要があるが、Webブラウザのみで利用可能で導入が簡単。
クラウド型EDI サーバ構築・保守が不要で初期投資を抑えられ、常に最新機能が利用できる。

Web-EDI導入のメリット・特長

Web-EDI導入の代表的なメリット・特長は、以下の通りです。

  • 請求書などのペーパーレス化により、経費削減ができる
  • システム上の受発注情報管理で、業務の効率化ができる
  • 導入が容易で低コストで運用できる
  • 従来のEDIよりセキュリティ性が高い

それぞれ、なぜ・どのように期待できるかを解説します。

請求書などのペーパーレス化により、経費削減ができる

Web-EDIの導入により、企業間の商取引に必要な請求書などのビジネス文書をデジタル化でき、ペーパーレス化が実現できます。従来の受発注業務では、FAXや郵送による紙ベースのやり取りが主流でしたが、その方法には書類紛失のリスクがあり、また紙代・FAX通信費などの経費も発生していました。

一方でWeb-EDIを活用することで、こうした紙の経費を削減でき、また請求書を郵送している企業の場合は郵送費の削減にもつながります。さらに、ペーパーレス化により文書保管スペースも不要になる点も利点です。

システム上の受発注情報管理で、業務の効率化ができる

受発注情報をシステム上で一元管理できる点もWeb-EDI導入の大きな利点です。従来の紙やメールベースの管理では、情報が分散し、必要な情報を探すのに時間がかかっていました。また、担当者が不在の場合、取引状況の把握が困難になるという問題もありました。

Web-EDIでは、見積作成日や回答期限、回答単価などの情報を一元的に管理できます。取引先との取引状況も一覧で確認でき、未回答案件や期限超過案件なども即座に確認できるため、メールやFAXで都度確認の連絡を取る手間が省けます。

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これらの機能により、担当者の作業時間が削減され、より付加価値の高い業務に時間を割けるようになるでしょう。

導入が容易で低コストで運用できる

Web-EDIは主にクラウドで提供されているため、専用システムを社内に構築する必要がなく、導入が比較的容易です。従来のEDIでは、各PCに専用ソフトをインストールする必要があり、定期的なアップデートやPC入替え時の稼働確認なども必要でした。これらの作業には、IT部門の人的リソースや時間が多く費やされていました。

一方、クラウド型のWeb-EDIでは、システムの運用・保守は提供元のベンダーがすべて行うため、企業側の負担が大幅に軽減されます。

加えて、従来のEDIで必要だった専用回線ではなく、インターネット回線を使用するため、通信コストも抑えられます。

従来のEDIよりセキュリティ性が高い

Web-EDIは、最新の暗号化技術を活用したセキュリティ対策が施されており、従来のEDIと比較しても高い安全性を誇ります。企業間の商取引でやり取りされる文書には、価格情報や取引条件など機密性の高い情報が多く含まれています。Web-EDIでは、こうした重要情報のやり取りが安全な環境下で行われるため、情報漏洩リスクを大幅に軽減できます。

特にクラウド型のWeb-EDIの場合、提供元のベンダーによるセキュリティ対策が常に最新の状態に保たれる点が大きな利点です。サイバー攻撃の手法は日々進化していますが、専門のセキュリティチームを持つベンダーが対応するため、個別企業が独自に対策を講じる必要がなくなります。それにより、セキュリティ対策にかかるコストや手間を削減できます。

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Web-EDI導入に特に適したタイミング

企業の業務効率化を図る上で、Web-EDI導入を検討すべき最適なタイミングとしては、以下の2つが挙げられます。

  • 請求書などの紙文書の管理が負担になっている場合
  • アナログな方法での受発注業務の負担が大きい場合

特に紙文書の管理が負担になっている状況は、導入に適したタイミングです。日々蓄積される請求書などの紙文書は、保管スペースを圧迫するだけでなく、必要な書類を探し出すのに時間がかかります。Web-EDIを導入すれば、これらの文書をデジタル化して管理できるため、物理的な保管スペースの削減と検索性の向上が期待できます。

また、メールやFAX、電話といった従来の方法で受発注業務を行っている場合も、Web-EDI導入に適しています。これらの手段による受発注処理は、担当者の手作業に大きく依存し、入力ミスや転記ミスが生じやすいという欠点がありますが、Web-EDIの導入により大幅に軽減可能です。

Web-EDI導入の注意点・デメリット

Web-EDI導入時にはメリットだけでなく、以下のような注意点もあります。

  • 提供企業側:完全な電子化はできないケースもある
  • 利用企業側:“多画面現象”が生じる恐れあり

それぞれの詳細を解説します。

提供企業側:完全な電子化はできないケースもある

Web-EDIを利用しても、サプライチェーン全体で多様な関係者(製造業者、卸売業者、小売業者、物流業者など)が関わるため、すべての取引・書類を一貫して電子化することが難しいでしょう。2023年10月からのインボイス制度導入で電子化の余地は広がりましたが、取引先の規模や対応状況によっては、紙の伝票が残る可能性は否定できません。

また、特に製造業では、Web-EDIで電子化できない、見積書以外の関連書類も多くあるため、完全なデジタル移行をWeb-EDIで実現するのは難しいでしょう。

さらに、Web-EDIは自動化できる部分が増える一方で、人が介在する業務プロセスも残ります。そのため、処理の抜け漏れが発生する可能性があり、それを監視・管理する仕組みの整備が必要です。納期回答など取引先からタイムリーに情報が得られない場合は、催促の連絡といった追加業務も生じるでしょう。

利用企業側:“多画面現象”が生じる恐れあり

クライアントからWeb-EDIを導入され、利用する企業側にも、考慮すべきデメリットがあります。特に複数の取引先とWeb-EDIを介して取引する場合に顕著になる「多画面現象」は業務効率化を妨げる要因になりかねません。

伝票表示型(ブラウザ型)のWeb-EDIでは、画面レイアウトは取引先企業ごとに異なります。標準化されていないため、複数の取引先と取引がある企業は、それぞれの画面操作方法を覚える必要があり、これが「多画面現象」と呼ばれる煩雑な業務状況を生み出します。

また、受注件数が増えれば手作業の量も比例して増加するため、業務負担がゼロになるわけではありません。

Web-EDIの選定ポイント

Web-EDIの導入を決め、システムを選定する前に押さえておくべきポイントを3つご紹介します。

社内システムとのデータ連携が可能なものを選ぶ

Web-EDIを導入する際に注意すべき点は、社内で既に使用している基幹システムとの連携性です。連携に対応していないシステムを選んでしまうと、せっかくの電子取引のメリットを十分に活かせません。

基幹システムとの連携が取れないWeb-EDIでも基本機能自体は動作しますが、実務上の問題が生じます。例えば、会計処理を行う場合に別途手作業による入力や変換が必要となり、作業の手間が増加します。また、データを手動で移行する際のミスも発生しやすく、ヒューマンエラーのリスクが高まるでしょう。

このような問題を避けるため、Web-EDI選定時には、現在利用中の基幹システムとスムーズに連携できるかどうかを事前に確認しましょう。システム同士のデータ形式の互換性や連携方法について、導入前にシステムベンダーに詳しく確認するのがおすすめです。

得意先のシステムも対応できる仕様のものを選ぶ

Web-EDIの選定では、取引先企業のシステム環境との互換性確認も非常に重要です。得意先のシステムが導入予定のWeb-EDIに対応していない場合、その取引先だけ従来の紙ベースでのやりとりを継続せざるを得なくなります。

その結果、電子と紙の二重管理が発生し、かえって業務が複雑化してしまうでしょう。例えば、一部の取引先向けには紙の発注書や請求書を作成・送付し、別の取引先には電子データで送信するといった異なる対応が必要になり、担当者の負担が増大する恐れがあります。

このような状況を避けるため、システム導入前に主要取引先のシステム環境を調査し、対応可能な仕様のWeb-EDIを選びましょう。また、様々な取引先のシステム環境に柔軟に対応できる汎用性の高いシステムを選定することも検討すべきです。

電子帳簿保存法に対応したシステムを選ぶ

Web-EDIを利用した取引は、電子帳簿保存法における「電子取引」に該当します。電子帳簿保存法とは、電子データとして受領した請求書や領収書などの取引情報を、紙に印刷せずデータのまま保存することを義務付ける法律です。

Web-EDIの多くは、データの改ざん防止機能を備えており、修正・削除ができないか、または修正・削除の履歴が残る仕組みになっています。こうした機能により、基本的には電子帳簿保存法の要件を満たしています。

しかし、Web-EDIと連携する社内の基幹システムや会計システムも同様に電子帳簿保存法に対応しているかの確認が必要です。連携するシステム側で適切なデータ保存ができないと、法的要件を満たせなくなる恐れがあります。

おすすめのWeb-EDIシステム

CADDi Quote(キャディ クオート)は製造業の受発注業務において効率化と標準化を実現するのに有効なWeb-EDIです。

まず見積業務の一元管理機能を搭載している点が強みです。例えば、見積依頼の進捗状況や回答期限、回答単価などを一覧で確認できるなど、取引先との取引状況を簡単に把握できます。

※システム上で各社との受発注を管理できるイメージ

また、取引先への一括見積依頼も可能です。メーカーは見積依頼の管理・査定業務の効率化に役立てられ、サプライヤーは依頼された見積もりの管理ややり取りをスムーズに行えます。

Web-EDIとしての機能以外にも強みがあります。同システムでは図面情報・発注実績などの社内データを一元的に蓄積でき、データの整理・検索が簡単になります。それにより過去の類似案件のデータを参照できるため、新規の見積作成時間を大幅に削減できる点が特長です。これらの強みにより、導入後2か月で見積依頼・査定業務を60%削減できた事例もあります。

※システム上に図面情報・発注情報が蓄積されるイメージ

さらに、提供企業側(メーカー)・導入企業側(サプライヤー)双方に導入前後の支援を手厚く行っている点も大きな強みです。操作方法の研修や運用フローの策定サポートにより、システムがスムーズに導入・定着するでしょう。

Web-EDIの導入事例

最後にWeb-EDIの導入事例をご紹介します。製造業の調達部門の一例ですが、システムの導入イメージを掴む上でご参考にしてください。

課題・背景

ハカルプラス株式会社は、創業100年以上の歴史を持ち、「はかる」技術をコアとした4つの事業部(電気計測部門、生コン計装部門、原料計量部門、メディカルケア機器部門)を展開しています。各事業部では異なる部品や材料が必要になりますが、それらの調達を担う調達部門ではベテラン社員への業務集中による属人化が課題でした。

また、調達システムと図面管理システムが分離していたため、顧客からの問い合わせに対応する際、その都度設計部門へ図面確認が必要となり、業務の非効率さが生じていました。

取り組み内容

これらの課題を解決するため、同社は調達部門向けのWeb-EDI「CADDi Quote」を導入。図面・発注情報の電子化を進め、システム上でそれらを一元管理することで、サプライヤー選定~見積もりの依頼・回収・査定業務の効率化を図りました。また、AIアシスト機能を活用することで、経験の浅い若手社員でも適切なサプライヤー選定ができる環境構築を図りました。

成果

サプライヤー選定の時間が、ベテランでも10〜15分かかっていたものがシステム上で数分で完了するようになり、若手でも高い精度での判断が可能になりました。さらに、設計部門から調達部品の手配状況がシステム上で確認できるようになり、部門間のコミュニケーションも改善。手配漏れリスクも大幅に低減されました。

また、一つのシステムで業務が進み、サプライヤーからの回答も一元化され見積業務が効率化されたことなどにより、調達業務時間が30〜40%短縮しました。

出典:「調達は部品を買ってくるだけではない。営業・設計をリードする重要なポジションへ」CADDi

出典:「Hakaru+」CADDi Quote

まとめ

Web-EDIの導入によって、請求書や図面などのペーパーレス化による経費削減と、システム上での受発注情報の一元管理による業務効率化が期待できます。また、従来のEDIと比べてセキュリティ性が高く、導入コストも抑えられるため、多くの企業で取り入れやすいシステムとなっています。

自社の業種や基幹システム環境に合わせたシステムを選ぶことで、問題なくシステムを運用でき効果的な業務改善が期待できるでしょう。

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キャディ編集部

Authorキャディ編集部

製造業に特化した記事を執筆しています。技術の最新トレンドや業界の動向、生産効率の向上に関する実践的なTipsなど、みなさまが現場で活かせる情報を提供することを目指しています。また、製造現場の課題解決や改善に役立つツールやリソースの紹介も行っています。業界のエキスパートとのインタビューや成功事例の共有を通じて、製造業の未来を切り拓くサポートをしてまいります。