製造業AIデータプラットフォーム CADDi

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社名
東亜ディーケーケー株式会社
設立
1944年
所在地
埼玉県狭山市
従業員数
連結 596名(2025年3月31日現在)
業界
測定器・理化学機械器具
事業内容
①計測機器(環境・プロセス分析機器、科学分析機器)の製造、販売②医療関連機器の製造、販売③計測機器の部品・消耗品の販売④計測機器のメンテナンス・修理
東亜ディーケーケー株式会社

事例 CADDi Drawer

部門の壁を溶かし、「研究」「開発」「設計」「生産」全ての技術が集結し融合する中心拠点へ

導入前・導入後

①ナレッジ:開発と生産の連携は一方通行。過去の知見は個人の経験や記憶に依存し、機種をまたいだ活用は困難。②業務効率:類似部品の存在を知る術がなく、機種ごとに「車輪の再発明」が発生。改善提案も人に依存し、滞りがち。③組織:部門・機種ごとに情報がサイロ化。「来たものをやるしかない」という受け身の空気が現場に存在。

①ナレッジ:機種の壁を越えて図面情報にアクセス可能に。図面を“共通言語”とした部門横断の連携が加速。②業務効率:類似図面検索で部品の共通化が促進。 創出された時間を新製品開発など、より付加価値の高い業務へシフト。③組織:CADDi Drawerを触媒に、他部署も巻き込む自発的な改善活動が活発化。 コンカレントエンジニアリング実現に向けたカルチャーが醸成。

インタビュー

「このままでは、成長はない」―売上250億円へ。理想の裏にあった“見えない壁”

「売上250億円を目指す」。水、大気、ガスという社会インフラを支える計測器メーカー、東亜ディーケーケーが掲げた新たな成長戦略。その中核を担う狭山インテグレーションセンター(以下:埼玉事業所)では、開発と生産が一体となった、迅速で高品質なものづくり体制の構築が急務とされていました。しかし、その理想の前に立ちはだかっていたのが、部門間に存在する長年の“見えない壁”でした。 

 

取締役であり、埼玉事業所を率いる工藤氏は、当時のもどかしさをこう語ります。

 

工藤氏
「生産現場には『もっと早くこうしていれば』『設計する前にこう作ってくれれば』という声なき声がありました。しかし、それを待っているだけでは物は良くならない。開発からの指示をただこなすだけの一方通行の関係性を、どうしても変える必要があったのです」 

 

この課題は、設計側も同様でした。担当機種の情報には精通していても、他機種の膨大な図面資産は、まさに宝の持ち腐れ。情報を得るには「知っていそうな人に聞く」しかなく、その人がいなければ探すことすらできない。 この属人化こそが、全部門が一体となって目標へ向かう上での大きな足かせとなっていました。

「このままでは、成長はない」―売上250億円へ。理想の裏にあった“見えない壁”

「これは“組織を変える触媒”だ」―プロダクト導入が生んだ、予期せぬ“化学反応”

この根深い課題に対し、同社が白羽の矢を立てたのが製造業AIデータプラットフォームCADDiおよび、アプリケーションである製造業データ活用クラウドCADDi Drawerでした。それは単なる業務効率化ツールとしてではなく、組織の意識そのものを変革する「触媒」としての期待を込めた選択でした。

 

工藤氏
「CADDi Drawerを導入し、部門を超えてやらなければ良いものは作れない、という意識が社内に広まりました。今まで一方通行だったのが、連携し合うことが重要だという意識に変わってきた。これが何より大きな変化です」 

 

その変化は、経営層の想像を超える“化学反応”を現場にもたらします。開発技術本部の梅原氏は、そのうねりを肌で感じていました。

 

梅原氏
「CADDiの導入をきっかけに、他の部署が『自分たちも何かやらなければ』と自発的に動き始めたんです。例えば、受け入れ検査課が自分たちの業務が楽になるだけでなく、設計者の参考にもなるからと、検査情報をCADDi Drawerに入力し始めた。まさに、みんながみんなで動き始めた、という感覚です」 

 

CADDiという共通のプラットフォームが、これまで交わることのなかった部門間の“共通言語”となり、組織のサイロに次々と風穴を開けていったのです。

「これは“組織を変える触媒”だ」―プロダクト導入が生んだ、予期せぬ“化学反応”

“CADDi Drawerが機種の壁を壊してくれた”――眠っていた知的資産が、会社の新たな力になる

現場の設計者にとって、CADDi Drawerはこれまで見えなかった世界への扉を開く鍵となりました。設計部の藤原氏は、その効果を熱を込めて語ります。

 

藤原氏
「今まで自分が担当する機種の部品しか調べられなかったのが、CADDi Drawerで検索すれば、他機種の図面情報や関連データまで手に取るようにわかる。そのデータを元に『これはなぜこういう作り方をしたの?』と他部署の担当者に聞きに行くことで、機種をまたいだ部品共通化が、絵空事ではなく現実のアクションとして進み始めました」

 

人に依存しないこの仕組みは、若手育成や技術継承のあり方も変えていきます。

 

工藤氏
「これまでは一人前になるまで長い時間が必要でした。しかし、この仕組みがあれば教育期間を短縮し、経験の浅い社員でも早く戦力になれる。 同時に、職人さんが持つ貴重な知見や経験を、個人の中に留めるのではなく、会社の資産として未来に残していく。そのための技術継承の基盤ができたとも感じています」 

 

図面や検査情報という眠っていた知的資産が掘り起こされ、組織の力へと変わる。そのダイナミズムが、東亜ディーケーケーの新たな競争力を生み出しています。

“CADDi Drawerが機種の壁を壊してくれた”――眠っていた知的資産が、会社の新たな力になる

「創出した時間で、未来を創る」――ものづくりの変革を、全社、そして次の世代へ

CADDiがもたらした最大の果実は「付加価値創出のための時間」です。では、その創出された時間で何をするのか。工藤氏の視線は、明確に未来を捉えています。

 

工藤氏
「今までは追われるように仕事をこなしていましたが、これからは、その時間で次の市場に向けた新製品開発に挑みたい。 ここで生まれた成功体験やノウハウを、山形や岩手の工場にも展開し、会社全体の技術力を底上げしていく。そのための時間にしたいのです」 

 

社員一人ひとりが日々の繰り返し業務から解放され、その人にしかできない、より創造的な仕事に挑戦する。東亜ディーケーケーの挑戦は、単なる一社のDX事例ではありません。それは、部門の壁を越え、全社一丸となって未来を創り出そうとする、日本のものづくりの新たな可能性を示す物語です。進化するプロダクトを羅針盤に、彼らの変革の旅は、まだ始まったばかりです。

「創出した時間で、未来を創る」――ものづくりの変革を、全社、そして次の世代へ
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