製造業AIデータプラットフォーム CADDi

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社名
三建設備工業株式会社
設立
1947年
業界
プラント
事業内容
空気調和・給排水衛生・電気・情報通信・防災・水処理・地域熱供給設備の設計、施工、監理、コンサルティングならびに各種設備機器の製造、販売、保守管理
三建設備工業株式会社

事例 CADDi Drawer

建設業の“暗黙知”を資産に変え、業界構造の変革に挑む

導入前・導入後

①ナレッジ:個人の経験則に依存し、技術や情報が属人化。BIM/CIMだけでは図面や書類に付随する「文脈」が失われるリスクがあった。
②DXの方向性:DXの取り組みは「業務効率化」といった内向きのベクトルに偏る傾向があった。
③情報活用:膨大な情報が点在し、有効活用されていない。過去の知見を探し出すことが困難で、諸官庁への届出書類などで漏れが発生するリスクも認識されていた。

①ナレッジ:あらゆる図面や書類を繋ぎ、意味を抽出するデータ基盤を構築。眠っていた社内ナレッジを資産として構造化し、技術継承の新たな可能性を拓く。
②DXの方向性:顧客や協力会社など、全てのステークホルダーへの価値提供を目指す「外向きのベクトル」への意識改革を開始。
③情報活用:「まず何でも入れてみよう」という機運が醸成。情報を集約し、将来の迅速化・効率化、リスク低減の土台を築き始めた。

インタビュー

「BIM/CIMだけでは勝てない」―― “文脈”をつなぐために選んだ、必然の選択

建設業界でDX推進の鍵とされるBIM/CIM。しかし、三建設備工業でDXを牽引する日比氏は、その先に潜む課題を冷静に見つめていた。

 

日比氏

 

日比氏
「建設業は特殊な業界ですが、BIM/CIMだけでは勝てない、というのが私の結論です。そこから“文脈”のようなものが生まれてこない。我々が従来使ってきた図面や書類は、その文脈を経て完成した人の想いの形です。これをどう繋いでいくかと考えた時、BIM/CIMだけでは限界があると感じました」

 

過去の経験則という「属人化」した知見。その背景にある意図や経緯といった「文脈」。それら無形の資産をいかにして組織の力に変えるか。当初、調達マネジメントの文脈で出会った製造業AIデータプラットフォームCADDiに対し、日比氏は別の可能性を直感していた。それが、CADDiのアプリケーションである「製造業データ活用クラウド CADDi Drawer」であった。あらゆる図面や書類を繋ぎ、そこに眠る「意味」を抽出できるのではないか。その確信が、同社のDX戦略を大きく前進させる号砲となった。

“入れる”行為から生まれた大きな変化。組織変容で生まれた「まず試してみる」文化

導入から半年。三建設備工業は今、最も重要かつ地道なフェーズにある。それは、社内に散在する膨大な情報をCADDiに「入れる」ことだ。DXチームは全国の支店に足を運び、対話を重ねている。

 

高橋氏

 

高橋氏
「まず『CADDiって何なの?』というところから始まります。目先のメリットが見えないと、なかなか使おうと思ってもらえません。そこで支店を回り、ヒアリングしながら『こういう使い方ができるよ』と模索している段階です」

 

地道な活動は、着実に組織の意識を変えつつある。これまで眠っていた多種多様な書類や図面が、全国から集まり始めたのだ。

 

高橋氏
「『これも入れてみよう』『あれも入れてみよう』と、皆が『これを入れたら何かできるんじゃないか』という思いを持っている。CADDiを入れたことで、やっとみんなが動き出した感じです。まず『入れてみよう』という機運が生まれただけでも、大きな変化です」

 

この「まず試してみる」という文化は同社に深く根付いている。この土壌が前例のない挑戦を後押ししているのだ。

ベクトルを“内”から“外”へ。日本の建設業が世界に貢献するための「新たな羅針盤」

三建設備工業が見据えるのは、単なる社内業務の効率化ではない。その視線は、業界全体の構造変革、そして世界へと向けられている。

 

日比氏
「日本のDXは『業務の効率化』と、どうしてもベクトルが内に向いてしまいがちです。私が変えたいのはそこで、お客様含めて外向きのベクトルにし、我々が全てのステークホルダーに対して価値を提供できる企業に変えていく。それが建設業が今後生き残り、成長するためには絶対必要だと考えています」

 

日比氏によれば、日本の強みは、属人化と表裏一体で培われてきた「暗黙知」や「ノウハウ」の歴史にあるという。これをテクノロジーの力で構造化し、資産に変えることができれば、日本の建設業は世界に貢献できる。CADDiはそのための「きっかけであり、基盤になる」と日比氏は断言する。

 

日比氏
「何も考えずに、いつの間にか普通にCADDi Drawerを使っている、という形が理想です。そして、これを通して部署を、業界の構造を変えたい。キャディさん全体のソリューションをトータルで活用させてもらうことで、我々が目指している『業界を変えていく』ということが実現できるのではないかと感じています」

 

社内に眠る膨大なデータの先にある、ユーザーが本当に求めている情報の可視化。そして、協力会社を含めた全てのステークホルダーが共に成長できるエコシステムの構築。三建設備工業の挑戦は、日本の建設業の未来を照らす、新たな羅針盤となるだろう。

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