「2015年まで、うちの指示書は100%、手書きでした」。そう振り返る長沼代表が率いる有限会社ながぬまの変革は、常にトップの強い決意から始まった。生産管理システムを導入し、脱・手書きへと舵を切った際には、こう宣言したという。
長沼氏
「『古いものは一切やらず、新しいものだけにエネルギーを注いでください』と伝えました。最初は心配して両方やろうとするスタッフもいましたが、『言っただろう』と、無理やりにでも新しい方向に進めていきました」
製造部から「見える化したい」という声が上がれば、ハンディターミナルを「1台」ではなく「全員分」導入。新しいツールを入れるたびに「またか」という声が上がることもあったが、長沼代表は「何も言わないでくれ。金だけ使わせてくれ。結果で答えるから」と覚悟を示し、改革を断行した。事実、生産管理システムの導入で売上総利益は3〜4倍に増加。目に見える成果と、利益を賞与などでスタッフに還元する姿勢が、次第に「代表のやることは、自分たちにプラスになって返ってくる」という絶対的な信頼を醸成していった。