製造業AIデータプラットフォーム CADDi

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社名
有限会社ながぬま
設立
1966年(昭和41)5月13日
所在地
〒018-0411 秋田県にかほ市院内字下横根2-1
従業員数
40人
売上高
非公開
業界
冷凍機・温湿調整装置
事業内容
航空機部品製造、半導体生産設備製造、食品設備付帯品製造、めっきライン装置製造、圧力容器製造、医療機器部品 他
有限会社ながぬま

事例 CADDi Drawer

「結果で示す」―3代目の覚悟が会社を変えた。見積・受注フローの自動化へ、全員参加で挑む100年企業へのDX

代表取締役

長沼 彰

導入前・導入後

①情報管理:全ての指示書が手書き。 図面や過去の記録は属人化し、検索も困難な状態。②品質・技術:作業者の経験や記憶に依存し、品質がばらつき、年間300件もの社内不良が発生。③組織・文化:新ツール導入には「また新しいものを」という慎重な意見もあり、トップダウンでの推進が必要だった。④経営:秋田県の人口減少や高齢化による職人減少に強い危機感を抱き、生産性向上が急務だった。

①情報管理:CADDi Drawerにより図面や関連情報を一元管理。 受注情報の入力も自動化され、手入力の工数を大幅に削減。②品質・技術:図面と完成品写真を紐づけ、品質の標準化に挑戦。 社内不良数の削減に寄与。③組織・文化:過去の投資と成果で信頼が醸成され、CADDi Drawer導入時は反対ゼロ。 今では現場主導で改善が進む文化へ。④経営:積極的なDX投資も含めて、創出した利益を賞与年3回などでスタッフに還元。 スタッフが働きがいを感じ、自走する強固な組織を構築。

インタビュー

「過去は振り返らず、新しきにエネルギーを」―反対を乗り越え信頼を築いた、3代目のDXへの覚悟

「2015年まで、うちの指示書は100%、手書きでした」。そう振り返る長沼代表が率いる有限会社ながぬまの変革は、常にトップの強い決意から始まった。生産管理システムを導入し、脱・手書きへと舵を切った際には、こう宣言したという。

 

長沼氏
「『古いものは一切やらず、新しいものだけにエネルギーを注いでください』と伝えました。最初は心配して両方やろうとするスタッフもいましたが、『言っただろう』と、無理やりにでも新しい方向に進めていきました」 

 

製造部から「見える化したい」という声が上がれば、ハンディターミナルを「1台」ではなく「全員分」導入。新しいツールを入れるたびに「またか」という声が上がることもあったが、長沼代表は「何も言わないでくれ。金だけ使わせてくれ。結果で答えるから」と覚悟を示し、改革を断行した。事実、生産管理システムの導入で売上総利益は3〜4倍に増加。目に見える成果と、利益を賞与などでスタッフに還元する姿勢が、次第に「代表のやることは、自分たちにプラスになって返ってくる」という絶対的な信頼を醸成していった。

「過去は振り返らず、新しきにエネルギーを」―反対を乗り越え信頼を築いた、3代目のDXへの覚悟

執念の電話はシカゴへ。8年の時を経て繋がった、キャディとの”再会”

DXを推し進める中で、次なる壁は「過去のデータ管理」だった。導入済みのソフトでは、結局ファイル名などを手入力する必要があり、根本的な工数削減には至っていなかった。

 

長沼氏
「何か良いAIツールはないかと探していた時、銀行からキャディさんを紹介されました。実は7、8年前に一度お会いしたことがあったんです。その時にもらった名刺を引っ張り出して担当者の携帯に電話をかけたら、コール音が明らかに日本じゃない。『今どこにいるの?』と聞いたら『シカゴです』と(笑)。そこから話が進んで、『CADDi Drawer』を知りました」 

 

8年越しの劇的な”再会”が、同社のDXを新たなステージへと押し上げる。人間系作業の限界を打ち破る「CADDi Drawer」の導入は、過去の成功体験に裏打ちされた信頼のもと、誰一人反対することなくスタートした。

不良300件→月2件への取組。鍵は一枚の”完成品写真”だった。

「CADDi Drawer」は、まず受注から生産管理システムへの入力業務を自動化し、現場を「楽にした」。しかし、その真価は思わぬ活用法によって発揮される。年間300件にのぼった社内不良削減に取り組み、成果を創出しはじめている。

 

完成品の写真を活用した品質の標準化だ。 

 

長沼氏
「リピート品でも、スタッフが変われば仕上がりも変わってしまう。人が変わっても同じ仕上がりでお客さんに提供したい、という思いがありました」 

 

この課題に対し、同社は完成品の写真を撮り、CADDi Drawer上で図面と紐づけるという運用を徹底。タブレットで図面と”正解”の写真を同時に確認できる仕組みは、特に経験の浅いスタッフや外国籍のスタッフにとっても絶大な効果を発揮した。

不良300件→月2件への取組。鍵は一枚の”完成品写真”だった。

「人が資本」をDXで体現する。100年企業を目指す、家族のような会社の未来図

かつては経営者のトップダウンで進められてきた変革のバトンは、今、確実に現場へと渡っている。

 

長沼氏
「今では生産管理システム会社とのやりとりも、私が仲介せずスタッフたちがやっています。『使わないだろうな』と思っていたスタッフが一番熱心にやってくれているのが面白い。やっぱりトップダウンじゃつまらないですよね。『もっとこうしたい』と現場から出てくるのがいい」 

 

「結局、人が資本ですからね」と語る長沼代表。DXで得た果実は、スタッフの働きがいと生活の向上に還元し、それが会社の新たな力となる。この好循環こそが、有限会社ながぬまの強さの源泉だ。

 

長沼氏
「スタッフには、自分の腕に自信を持ってものづくりに携わってほしい。腕があるから稼げる、そういう技術者集団で、100年企業を目指したい。この地域で一番平均年収の高い中小企業になるのが目標です」 

 

秋田の地で、人と技術に投資し続ける有限会社ながぬま。

CADDi Drawerという新たな武器を手に入れた「大きな家族」の挑戦は、日本の製造業の未来を明るく照らしている。

「人が資本」をDXで体現する。100年企業を目指す、家族のような会社の未来図
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