製造業AIデータプラットフォーム CADDi

資料ダウンロード お問い合わせ

社名
株式会社イズミテクノ
設立
1966年12月
従業員数
257名
売上高
非公開
業界
金属加工業
事業内容
硬質アルマイト・普通アルマイト・アルマイト技術相談など
株式会社イズミテクノ

事例 CADDi Drawer

たった2年で10名から150名のプロジェクトへ。一部門のDXを全社戦略へと昇華させた、経営の「一手」

事業統括本部 次長

上島 孝之

営業部 本社CRM / インサイドセールス グループリーダー

今井 将斗

導入前・導入後

①営業活動:年間1万件の見積に忙殺され営業担当者が外回りできない状況。
②人材・組織:業務が属人化し、新人への引き継ぎや育成に大きな困難。
③事業戦略:「守り」の業務にリソースを割かれ、未来への投資が後手に。

①見積に係る内部コストが約半分に。営業担当は新規開拓など「攻め」の活動へ注力できるようになった。
②スムーズな業務引継ぎが可能になり、新人の即戦力化を実現。創出したリソースを未来へ投資できるようになった。
③全社的なデータ活用基盤の構築に着手。人海戦術から脱却し、持続的な成長を目指す体制へ。

インタビュー

高い技術力の裏側のジレンマ。「見積」と「人材育成」という二つの壁

業界トップレベルのアルマイト処理技術で、多くの顧客から信頼を寄せられるイズミテクノ。しかし、その輝かしい実績の裏で、同社は事業の成長を阻む、深刻な経営課題に直面していた。DXプロジェクト推進責任者である上島氏は、当時の状況をこう語る。

 

上島氏
「一つは、見積に莫大なリソースがかかり、思うような営業活動ができていないこと。二つ目は、人材の育成に非常に苦慮していたことです。この二つの課題に対して、何とか対応するしかない、という状況でした」

 

その言葉を裏付けるように、プロジェクト推進兼現場の営業担当者である今井氏は、見積業務の過酷さを吐露する。

 

今井氏
「日によって枚数は変わりますが、年間でならすと大体10,000件ほどになります。多い日には1日で100件を超えることもありました。見積できる人数も限られていたため、正直なところ、私は外回りもできませんでした」

 

本来、顧客と向き合い、新たな価値提案を行うべき営業部門が、実質的に内勤の見積対応チームと化してしまっていた。この「守り」に忙殺される状況が、もう一つの課題である「人材育成の停滞」にも繋がっていたのである。

高い技術力の裏側のジレンマ。「見積」と「人材育成」という二つの壁

「もう戻れない」が合言葉。データ解放が生んだ、攻めの営業体制

この状況を打破すべく、イズミテクノが導入を決めたのが、製造業AIデータプラットフォームCADDiおよび、アプリケーションである製造業データ活用クラウド CADDi Drawerであった。 狙いは、見積業務の根幹をなす「図面や仕様を探す」という行為の抜本的な効率化だ。その効果は、想像以上だった。

 

今井氏
「まず、図面や仕様が一瞬で探せるようになりました。さらに、私たちがシステムに入力しているデータを一目で見られる状況が作れています。正直、もうCADDiがない状態には戻れないと感じています」

 

これまで様々な場所を探し回っていた情報が、CADDi上で一元的に管理され、CADDi Drawerで瞬時に見つかる。この変化が、イズミテクノの営業部門に革命をもたらした。

 

今井氏
「新しく営業担当者を1名増員したのですが、私の業務をすんなりと引き継ぐことができました。それによって、私は新しいお客様のところに伺ったり、新規の案件を獲得したりといった活動が非常に効率よく行えるようになっています」

 

属人的なノウハウに頼っていた業務が、誰でも同じように情報を引き出せる仕組みに変わったことで、新人の即戦力化が実現。そして、経験豊富な営業担当者は、本来の「攻め」の活動へとリソースを集中できるようになったのである。

「もう戻れない」が合言葉。データ解放が生んだ、攻めの営業体制

コスト半減の先に。全社150名で見据える「人海戦術からの脱却」

導入効果は、現場の感覚値だけではない。上島氏は、定量的な成果を冷静に分析している。

 

上島氏
「費用対効果、特に社内工数については、数字で見ていかなければいけないと考えています。導入前と導入後で比較したところ、見積に関する内部コストは、およそ50%削減できたと見ています」

 

創出された利益と時間は、未来への投資へと形を変えている。営業人員の強化に加え、新工場稼働に伴う教育リソースの確保もその一つだ。

 

そして今、イズミテクノの挑戦は、営業部門の変革に留まらない。2023年に10名で始まった取り組みは、検査業務への展開を経て、2025年、ついに全社150名規模での活用へと舵を切った。見据えるのは「2030年までに売上3倍達成」と、それを支える「人海戦術からの脱却」である。

 

上島氏
「これまでは守りのために使っていた部分のリソースを、未来への投資という攻めの活動に回すことができました。それが結果として、イズミテクノ全体の組織力が強化され、お客様への新たな価値の創造につながっていくと確信しています」

 

見積業務の効率化という一点突破から始まったイズミテクノのDXは今、企業文化そのものを変革し、未来の成長を確かなものにするための全社戦略へと昇華している。

コスト半減の先に。全社150名で見据える「人海戦術からの脱却」
顧客事例一覧に戻る