株式会社アルファーシステムズ(以下アルファーシステムズ)は平成元年に設立され、現在は10期目を迎える製造業企業である。アルファーデザインとアルファーシステムズに分かれており、アルファーデザイン株式会社ではカタログモデルを、アルファーシステムズ株式会社ではカスタム製品を取り扱っている。近年はライン全体を一括して任される案件が増加している。
アルファーシステムズでは、カスタム製品の製造に関わる調達業務において大きな課題を抱えていた。調達担当者の横嶌氏は、当時の状況をこう振り返る。
横嶌氏「ずらっと並んだ部品表に『鉄』『アルミ』『樹脂』などいろいろな材質が混在しているので、それぞれの材質ごとにフォルダを作る必要がありました。その上、その中に対象の図面を入れ、対応する業者にメールを送信する、という作業を全て手動でする必要がありました。」
同じく調達を担当する横谷氏も「フォルダを作って、図面を印刷して管理していました。どこに出して、どこから返ってきたかも印刷物にメモしていました」と当時の苦労を語る。
このような紙ベースでの管理は進捗確認に手間がかかるだけでなく、技術側から「見積もり回答どうなった?」と聞かれて、「あ、来てないな」と気づく。また、他の業務に追われていると見積もりを出していることを忘れてしまうという状況だった。
特に2022年頃からは部材費や人件費の上昇により、価格の妥当性判断もより困難になっていた。