現状維持バイアスを打破する効果を期待。非効率な悪循環から脱却し、時間の使い方を変えていく
株式会社スギノマシン
- 設立
- 1936年3月1日
- 従業員数
- 1410名(グループ全体)
- 売上高
- 290億円(グループ連結)
- 事業内容
- 高圧ジェット洗浄装置、超高圧水切断装置、原子力発電所検査保守用機器、湿式・乾式微粒化装置、ドリリングユニット、タッピングユニット、マシニングセンタ、拡管工具・装置、抜管装置、 鏡面仕上工具、バイオマスナノファイバー、産業用ロボット等の開発・設計、製造、販売
- お話いただいた方
-
精密機器事業本部 技術統括部 第二技術部 部長 野田 康東氏
精密機器事業本部 技術統括部 第二技術部 規格設計課 課長 大上 卓男氏
Before
過去実績を参考に設計、調達を行いたいが、記憶を頼って図面を探すので膨大な時間がかかる。本体の業務の時間が削られて非効率。
After
過去の類似図面が直ちに探すことができて、作業工数が大幅に削減される。図面データを共通のコミュニケーションツールとして資産化できることに期待。
Before
過去実績を参考に設計、調達を行いたいが、記憶を頼って図面を探すので膨大な時間がかかる。本体の業務の時間が削られて非効率。
After
過去の類似図面が直ちに探すことができて、作業工数が大幅に削減される。図面データを共通のコミュニケーションツールとして資産化できることに期待。
図面を探すのに時間がかかり、本来の業務の時間を圧迫していた
株式会社スギノマシンは、超高圧水切断装置や部品洗浄機、小型マシニングセンタなどの装置や技術を開発・設計、製造、販売する産業機械メーカーだ。創業の精神「自ら考え、自ら造り、自ら販売・サービスする」を受け継ぎながら80年以上にわたり技術開発を重ね、「切る・削る・洗う・磨く・砕く・解す」の6つの「超技術」を展開している。世界中の多様な業界の発展に貢献すると共に、高い評価を受けてきた。
スギノマシンでは、お客様の要望に合わせて標準の製品をカスタマイズする設計が多く発生する。設計の際には、同じ、または類似する形状の部品の過去の図面をできる限り探して活用していた。新規で図面を作成すると設計工数が増えるだけでなく、図面登録や加工方法検討などの工数が他部署でも発生して、コストが増大してしまうからだ。新規の開発案件でも、過去の図面を探して同じものならばそのまま使用し、類似のものがあれば、どのように設計しているか参考にしていた。また、調達部門でも、最適な購入量、価格、タイミングでの調達が重要であるため、過去の図面データを探して調達実績を確認することで業務を進めていた。
しかし、図面はPDFデータや紙による管理のため、各担当者の記憶に頼るか、図面名から予測して探すしか方法がなく、過去実績の検索に膨大な時間がかかっていた。図面管理システムは導入されていたが、図面の版管理や、図面に描かれた部品がどの図面の部品に取り付けられるかといった関係性を管理するものである。類似した形状の部品を検索したり、図面内に記載された文字から検索したりは出来ないので、過去の類似図面を探し出すことは難しい。本来の業務にかける時間が、図面を探す時間に削られる状態であった。
カスタマーサクセスの手厚いサポートが導入の決め手に
「図面データの検索性の低さ」が課題となっていたスギノマシンでは、解決できる方法を探すなかで図面データ活用クラウドCADDi Drawerの存在を知った。導入すれば、数万~数十万にのぼる過去図面を登録することで、キーワードや品番、画像による検索結果の一覧表示が約2秒で可能となる。図面検索スピードの改善、工数削減には最適ではないかと考えて検討を開始し、導入を決定した。
精密機器事業本部の野田氏は、導入の経緯をこのように語る。
「導入決定も運用開始も早かったです。カスタマーサクセスの方のスピード感あるサポートが良かった。頻繁に訪問してくれて、ヒアリングしたり、レクチャーしていただいたりしてもらいました。使い方とか色々工夫していただいて、分からないことがあったらすぐに回答が返ってきました。こういうふうにしたいと要望を挙げると、結構短い期間で叶えてもらえる。新しいことを始めるには、浸透することがいちばん大変。このスピード感のある対応は導入の決め手として大きかったです。」
スギノマシンでは導入、運用開始から3週間ほどで数万枚の図面の登録が完了し、類似図面の検索や閲覧が直ちにできるようになった。複数条件で検索する機能などを用いて、図面検索の精度も上がっている。導入前と比較して約5割の工数削減を実現するケースも出ていた。
精密機器事業本部の大上氏は、導入後の効果と期待をこのように語る。
「システムを定着させるには、理解してもらうのが一番大きいです。程度の差はあれど、人には現状維持バイアスが働くもので、どんなに素晴らしいシステムでも無理やり押し付けられれば反発します。これから、工数なのか、金額なのか、目に見える効果が出てくると思います。もちろん啓蒙活動も必要ですが、あの部署は最近調子がいいみたいだとなったときに、どうもCADDi Drawerが理由の一つらしいとなれば、あとは自然と利用促進に繋がるはずです。
調達部門もそうですが、設計者が設計以外に時間が取られていても、設計者自身が実はそれに気づいていないことが多くあります。CADDi Drawerで、気づいたらいつもより早く業務が終わっていて、別の事に使える時間が生まれる。「図面を探すより、新しく描いた方が早い」という悪循環からの脱却です。それにより、何か新しい技術を開発するところなどに繋がってくれることを期待しています。」
CADDi Drawerで図面を共通のコミュニケーションツールに変え、イノベーションを生む
スギノマシンでは、CADDi Drawerのさらなる活用も視野に入れている。まずは初期導入部門での利用拡大、定着を進め、いずれは利用部門を広げていくことも検討している。それにより、図面を共通のコミュニケーションツールとして、部門間での情報共有が進められればと期待する。
「製品の種類が多いと、設計部門もそれだけ増えてしまいます。しかし、部門間で図面を共有するところまではなかなか至れていません。ところが調達部門は1つです。別々の部門から図面が来ていて、実は何か似たようなものがある。類似図面を探して過去の実績を簡単に見ることができれば、ここが一番安かったと気づけます。CADDi Drawerが、そのようなことの気づきにもつながるのではないかと期待しています。図面を共通のコミュニケーションツールに変えて、組織横断につなげることも考えています。図面を見ることはCADDi Drawerを導入することで出来ているので、それがイノベーションを生むきっかけになることを期待します。」
スギノマシンはCADDi Drawerで業務効率を改善するだけでなく、図面データを資産に変えて変革を実現し、これからも世界中の多様な業界の発展に貢献していく。