製造業のデジタル変革に挑むキャディ株式会社(本社:東京都台東区、代表取締役:加藤 勇志郎)は、製造業で働く1,227名を対象に「製造業のAI活用の課題と展望」に関する調査を実施しました。

 

■ 調査サマリー

 

・日本の製造業が直面している最も重要な課題は「人材不足・技能継承問題」(46.9%)が圧倒的に高く、次いで「原材料・エネルギーコスト高騰」(28.2%)「生産設備の老朽化・投資不足」(19.8%)となりました。

製造業が成長するために有効な手段としては、「高付加価値/先端素材・製品開発」(14.1%)次いで「人材教育・社内リスキリング」(12.0%)が選ばれました。経営層・管理職では11%が「AI技術の本格活用」と回答しました。

非効率と感じる業務プロセスについては、「在庫・倉庫・出荷管理」「生産現場の段取り替え・セットアップ」「月次レポート・経理/原価計」がそれぞれ約2割となり、複数の職種で業務改善の余地があることが明らかになりました。

AIを導入・活用することで、最も大きな価値を生むと思う領域、約3割が「コスト最適化・業務効率化」と回答、次いで「現場オペレーションの自動化・省人化」(26.6%)「品質向上・不良削減」(23.0%)

自社の経験・ノウハウ・データとAIを組み合わせることの重要性については、4割が「重視している」と回答し「重視していない」(12.6 %)と比べ、高く重要視されていることが確認できました。

AIの活用度については、「本番環境で既に活用中」が約1割に留まり、「全く検討していない」(16.0%)「検討中だが未定」(19.4%)を合わせると4割近くとなり、日本の製造業でのAI活用率の低さが浮き彫りとなっています。

AIを活用/導入している領域では、約半数が「データ統合・活用」を選択、「品質・リスク管理」「オペレーション効率化」についてもそれぞれ27.3%が選択されました。

AIの活用/導入を予定している領域については、「人材育成・技能継承」(23.4%)「オペレーション効率化」(23.4%)「品質・リスク管理」(22.8%)がTOP3となりました。

AIを拡大活用する際の最大の課題は「AI人材・スキル不足」(27.3%)が1位となり、2位の「AIにいれるためのデータ収集・整備不足」(13.9%)の倍の回答となりました。また、約1割が「法規制・セキュリティ懸念」を選択しており、AI活用を進めるためには自社努力だけではなく、国を挙げての支援も求められていることが明らかとなりました。

 

■ 調査結果 

⚫︎ 製造業が直面している重要な課題

「人材不足・技能継承」が半数近く選ばれ、多くの製造業従事者が直面している課題が浮き彫りになりました。

⚫︎ 非効率だと感じる業務プロセス

非効率の声は、物流・生産・管理業務に広く分散し、いずれも2割前後が課題と指摘されました。


⚫︎ 今後の成長のための有効な手段

高付加価値の開発が最も支持を集めましたが、次いで人材教育・社内リスキリングも選ばれています。

⚫︎ AI導入によって価値を生む領域

人手不足が深刻化する製造業において、AI活用による「コスト最適化・業務効率化」が最も支持されています。

⚫︎ 自社データとAIを組み合わせることの重要性

4割が自社の経験やデータをAIと組み合わせることを重視。“自社の知”を活かせるかがAI活用の鍵に。

⚫︎ 製造業のAI活用実態

「本番環境で活用中」と「試験運用」の合計でも25.4%となり低い活用実態が明らかになりました。

⚫︎ 既にAIを活用している領域

製造業では膨大なデータが点在しており、“分断された現場データ”の統合と活用にAIを導入するケースが半数近くの支持を得ました。

⚫︎ 今後AIを活用していきたい領域

「オペレーション効率化」と「人材育成・技能継承」が同率で支持されており、構造的な人手不足を背景とした結果となったと推察されます。

⚫︎ AIを拡大活用する際の課題

3割弱が「人材・スキル不足」と回答。製造業でのAI活用は現場理解が欠かせないため、AI人材育成の難易度が高くなっていると言えます。

 

<総括>

製造業は現在、「人材不足・技能継承問題」が最も深刻な課題として浮き彫りになっており、それに次ぐ「コスト高騰」や「設備老朽化」といった構造的な負担が企業成長の足かせとなっています。一方で、成長戦略としては「高付加価値の素材・製品開発」や「人材教育・リスキリング」が上位に挙がり、技術革新と現場の両輪でこの状況を打破していくことが求められています。また、業務の非効率性については、在庫・出荷管理から経理・原価計算に至るまで、複数のプロセスに分散しており、業種・職種を問わず改善余地が存在します。

そうした中でAIへの期待は高まりを見せており、「コスト最適化・業務効率化」「省人化」「品質向上」などへの貢献が期待されています。特に、4割の回答者が「自社の経験・ノウハウ・データとAIの組み合わせ」を重視しており、AI導入の鍵は“社内資産の活用”にあることが示唆されました。

ただし、現状でAIを本格運用できている企業は1割以下にとどまり、「人材・スキル不足」や「データ整備の遅れ」といった壁が依然として高く立ちはだかっています。

AI活用領域としては「データ統合・活用」が最も多く、今後は「オペレーション効率化」や「人材育成・技能継承」など、製造業において固有の課題に向けた導入が期待されます。

製造業がAIを拡大活用するには、専門人材の獲得だけでなく、現場の知見を持つ人材へのスキル付与や、AIにいれるためのデータ収集、整備などが重要な鍵であることが今回の調査から明らかとなりました。

 

===調査概要==================

調査名称:あなたご自身に関するアンケート

調査期間:2025年 6月20日(金)~ 6月27日(金)

調査対象者:製造業従事者 1,227名

実査機関:クロス・マーケティング

表記:四捨五入し、小数第1位までの値で記載

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■ キャディ株式会社について( https://caddi.com/)

キャディ株式会社は、「モノづくり産業のポテンシャルを解放する」をミッションに掲げ、点在するデータ・経験を資産化し、新たな価値を創出する「製造業AIデータプラットフォームCADDi」を開発・提供するスタートアップ企業です。アプリケーションである「製造業データ活用クラウドCADDi Drawer」「製造業AI見積クラウド CADDi Quote」をはじめ、今後もプラットフォーム上に様々なアプリケーションを提供予定です。日本をはじめアメリカ、ベトナム、タイを含む4カ国で事業を展開し、製造業のグローバルな変革を実現していきます。累計エクイティ資金調達額は257.3億円。

 

<会社概要>

本社所在地:東京都台東区浅草橋4-2-2 D’sVARIE浅草橋ビル(総合受付6階)

代 表 者:代表取締役 加藤勇志郎

設   立:2017年11月9日

資 本 金:257.3億円(資本準備金含む)

事業内容 :製造業AIデータプラットフォーム CADDiの開発運営

U R L :https://caddi.com/