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エンジニアリングプロセスとは?概要や製品開発の流れを解説

エンジニアリングプロセスとは?概要や製品開発の流れを解説

エンジニアリングプロセスとは?概要や製品開発の流れを解説

製造業では短納期化やコスト削減の要求が強まる中、熟練技術者の減少や若手の定着率低下により、従来の製造プロセス維持が困難になっています。

デジタル技術の進化や市場ニーズの多様化に対応するため、製品開発から製造までの工程を見直すことが必要です。しかし、多くの企業が具体的な改善の進め方に悩んでいるのが現状です。

エンジニアリングプロセスでは、製品の企画から市場投入まで、各工程を体系的に管理し、生産性の向上とコスト削減を実現できます。この記事では、エンジニアリングプロセスの基礎から具体的な改善手法までを解説します。

目次

 

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エンジニアリングプロセスの概要

エンジニアリングプロセスとは、製品の開発から製造までを体系的に管理する一連の手順です。この章ではエンジニアリングプロセスの概要や重要性、生産技術エンジニアとの違いについて解説します。

エンジニアリングプロセスとは?

エンジニアリングプロセスは、製品の企画から市場投入までの計画、プロトタイピング、テスト、生産、製品発売までの各段階を体系的に管理することです。

企業はこのプロセスを通じて製品のアイデアを具現化し、科学的原理、技術的知識、経験を活用しながら、実用的な製品へと展開していくのです。

エンジニアリングプロセスの特徴は、各段階で得られた知見を次の開発に活かせる循環的な性質です。例えば、テスト段階で見つかった課題を設計にフィードバックし、製品の完成度を高めます。

最終的な目標は、品質基準を満たす高品質の製品を、効率的かつ経済的に生産することです。

生産技術エンジニアとの違い

エンジニアリングプロセス担当者と生産技術エンジニアには、明確な違いがあります。エンジニアリングプロセス担当者は、製品開発の全体的な流れを管理し、設計から製造までの一貫した工程を統括する立場にあります。また、各部門間の連携やスケジュール調整も重要な責務です。

一方、生産技術エンジニアは製造現場の技術的課題に特化し、生産ラインの効率化や品質管理を重視します。製造工程の改善や自動化の推進も主要な業務です。

エンジニアリングプロセス担当者が製品開発全体を見渡す広く浅い視点を持つのに対し、生産技術エンジニアは製造工程における深い専門性を持ちます。両者が補完し合うことで、効率的な製品開発を実現できます。

エンジニアリングプロセスの主要な段階

製品のエンジニアリングプロセスには、以下の 5 つの段階があります。

  1. 製品デザイン 
  2. プロセス設計  
  3. 生産 
  4. テストと改良 
  5. 製品の発売

エンジニアリングプロセスを効果的に活用することで、企業は生産効率の向上やコスト削減により、高品質な製品を大量生産できるようになります。この章では、各段階を順番に解説していきます。

製品デザイン

製品設計プロセスは、製品の外観、機能、仕様など、製造前のあらゆる要素を決定づける点で非常に重要です。工業デザイナーが中心となり、エンジニアやマーケティング担当者と密接に連携しながら進めていきます。デザイナーは設計案を何度も見直しながら、改良を重ねることで顧客のニーズを満たし、確実に生産できる製品デザインを考案します。 

製品設計における重要な要素は以下の通りです。

項目 内容
工業デザイン
  • 製品の美的デザイン(形状、色、質感、音、感触)を考案
  • スケッチ、3Dモデル、プロトタイプ、レンダリングで視覚化
  •  視覚的魅力と直感的な使用性の実現
プロトタイピング
  • 製品コンセプトのテストとフィードバック収集
  • 3Dプリンティング、CNC加工、仮想シミュレーションなどの技術
  • 複数のプロトタイプによる段階的な設計改善
仕様
  • 技術要件の定義
  • 含まれる要素:

– 寸法

– 材料

– 性能基準

– 法規制への準拠

– その他の技術的詳細

CADモデル
  • デジタル3Dモデルの作成
  • エンジニアリング形式での製品設計
  • 自動生産装置をプログラミングするための入力を提供

製品設計を正しく行うことで、顧客ニーズを満たす高品質な製品開発の実現や効率的な量産体制の構築が可能です。

プロセス設計

プロセス設計は、製造工程の土台となる重要なステップです。プロセス設計チームの主な業務は、原材料から最終製品を生み出すまでの最適なワークフローを決定することです。 

プロセス設計の重要な要素は以下の通りです。

項目 内容
生産方法の選択
  • 製品仕様、材料、生産量に応じて選択(鋳造、機械加工、射出成形など)
  • CNC機械加工:少量生産向き
  • 射出成形:大量生産向き
治具、治具、工具、金型、金型の設計
  • 生産プロセスの実現に必要
  • 部品の成形、保持、組立用ツールの作成
  • エンジニアリングの専門知識が必要
最適な設備レイアウトとマテリアルフローの決定
  • 効率的な生産ライン・セルの構築
  • 自動/手動プロセスの決定
  • ワークステーション間の材料移動ロジスティクス
品質管理ポイント
  • 欠陥を早期発見するための検査、テスト、測定を行う
健康と安全の要素
  • 作業者の安全確保
  • 個人用保護具の必要箇所の特定
設計されたプロセスの検証と最適化
  • 本格生産前の確認作業(プロトタイピング・テスト・シミュレーション)

プロセス設計チームは、製品設計者、オートメーション エンジニア、その他のグループと緊密に連携します。そして、製品要件や生産量を分析しコストを抑えながら、効率的な生産プロセスを構築します。

生産

生産とは、製品設計と製造プロセスに基づいて、実際の製品を工場で量産する工程です。

生産における重要なポイントは以下の通りです。

工程 内容
材料の準備
  • 原材料の調達と準備
  • 品質基準の確認
  • 製造準備の確認
機器のセットアップ プロセス設計に基づいた各種設定

(生産ライン・作業セル・機器・工具)

製造実行
  • 製造プロセスの実行
  • コンポーネントの製造
  • 最終製品の組立
品質管理
  • 工程内品質チェック
  • テストの実施
  • 問題・欠陥の特定と対処

製品の生産において、ビジネス目標とする生産量や品質レベル、コストを達成するためには、効率的な生産管理が不可欠です。

テストと改良

テストと改良は、完成した製品が顧客にリリースされる前の重要な品質保証プロセスです。すべての機能要件と品質要件を満たしているかを徹底的に検証します。

テストと改良の重要な側面には次のようなものがあります。

工程 内容
製品検査
  • 外観上の欠陥確認
  • 表面の傷チェック
  • 汚れの確認
  • 欠陥品の除去
機能テスト
  • 仕様・要件の照合
  • 機能と性能の厳密なテスト
信頼性試験
  • 実際の使用条件を長期間にわたってシミュレートするテストを行う
  • 信頼性と耐久性の検証する
デザインの改良
  • テスト結果の分析
  • 顧客フィードバックの分析
  • 製品設計・生産プロセスの改良機会の特定
企業コンプライアンス
  • 規制基準との適合確認
  • 必要な認証の取得

テストと改良を繰り返して行うことで、製品の品質と性能が段階的に向上します。改善サイクルを通じて、顧客が求める高い品質基準を満たし、すぐに使用できる製品として完成度を高めるのです。

製品の発売

製品の発売は、製品開発の最終段階として、品質検証を完了した製品を市場へ送り出すプロセスです。この段階は、製品の販売開始に向けた準備から、顧客への製品PR、販売後のサポート体制の構築まで、幅広い活動が含まれます。

製品発売の重要なポイントは以下の通りです。

フェーズ 内容
生産の立ち上げ
  • 生産量の増加を見込んだ在庫の準備
  • 顧客需要への対応
マーケティングの準備
  • マーケティングコンテンツの開発
  • 製品デモの準備
  • 販売資料の作成
販売および流通
  • 顧客への販売
  • 再販業者への流通
  • 代理店への発送
トレーニングとサポート
  • 営業スタッフへのトレーニング
  • サポートスタッフの準備
  • サービススタッフの教育
打ち上げ監視
  • 初期売上の動向
  • 顧客フィードバックの収集
  • 品質指標の評価
  • 問題への迅速な対応

製品発売の成功は、市場での需要獲得や顧客からの高い評価につながります。その結果、企業の継続的な成長と安定した収益基盤が築かれます。

まとめ

製品開発から製造まで、各段階で適切なエンジニアリングプロセスを実践することは、革新的で高品質な製品を効率よく生産するために不可欠です。

エンジニアリングプロセスでは、創造性や科学的知識、実践的な問題解決力を活用することで、アイデアを市場価値のある製品へと変換していきます。

企業が体系的なエンジニアリングアプローチを採用することで、顧客満足度の向上とビジネスの成長を実現できるでしょう。

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キャディ編集部

Authorキャディ編集部

製造業に特化した記事を執筆しています。技術の最新トレンドや業界の動向、生産効率の向上に関する実践的なTipsなど、みなさまが現場で活かせる情報を提供することを目指しています。また、製造現場の課題解決や改善に役立つツールやリソースの紹介も行っています。業界のエキスパートとのインタビューや成功事例の共有を通じて、製造業の未来を切り拓くサポートをしてまいります。