0円発注の撲滅に成功!短納期見積案件のための0円発注を撲滅した方法とは
活用例 調達 / 購買
0円発注って何?なぜ0円発注が起きるのか
0円発注とは、顧客からの見積もり依頼が超短納期の場合、サプライヤ選定に時間をかけることは愚か、決め打ちのサプライヤから見積もりすら取得せず、決め打ち価格で発注せざる得ない案件のことを指します。Tier1からの見積もり納期が短いために、自社のサプライヤへの十分な相見積もり取得や交渉の時間を取れないため、一定自社でリスクを取って仮価格で発注することも一定発生しています。
【定義】正式見積もりを取得するまえに発注すること
【詳細】下請代金の額として単価を決められないことについて正当な理由がある場合は、正式な単価でないことを明示した上で具体的な仮単価を記載すること、さらに「0円」と表記すること等についても認められる
【補足】1円発注」「後見積」など呼び方は企業により変わるが、構造は仮単価による発注という定義と同意
0円発注を撲滅した方法
0円発注は企業の利益を逼迫することにも繋がりますので、正直辞めたいものです。しかしながら、お客様からくる見積もり依頼に最速で回答するためには、0円発注や後見積もりとせざるを得ないケースもあります。そこで、今回は『CADDi DRAWER』を活用することで、0円発注の撲滅に成功したメーカー様の事例をご紹介します。
短納期見積案件の0円発注を撲滅した方法
今回対象になるのは、検査機器の部品の発注業務や納品管理を担当している購買管理部の方の活用事例になります。同社の場合は、営業がお客様からの案件の引き合いを受領してから、まず購買部で見積もり依頼を受けます。そこから購買部が部品メーカーに相見積もりを依頼し、見積もり結果を受領してから製造原価を計算するのが本来のプロセスです。しかしながら、現実は、お客様からの見積もり依頼納期が短いため、サプライヤを選んだり、相見積もりを取得している時間がとれず、結果的にサプライヤの言い値での0円発注や後見積もりの前提で発注してしまっているのが現状でした。当然ながら、後見積もりとなれば、発注後の交渉力は弱く適正価格で部品を購入できないことが課題としてありました。部品購入費の高騰だけでなく、見積もり部品については0円計上されていたため、経営としても、当月の製造原価の見通しが正確に把握できず、中長期的な調達計画をうまく立てることができないという経営課題にも繋がっている状況でした。
今回『CADDi DRAWER』を活用することで、実際にサプライヤに見積もりを取得しなくても過去の類似見積もりの活用により、指値を瞬時に作れるようになりました。実際の活用事例としては、まず新規部品の手配依頼を営業または設計から受領します。対象となる図面を『CADDi DRAWER』に登録し、類似図面検索を行います。そこで発見された類似図面に対して過去の発注実績情報を参考にし指値を瞬時に作成します。同一部品であれば過去の最適価格をそのまま転用できますし、類似部品の場合は、同一加工については一部転用し差分のみ原価計算を行います。ある程度購買部で指値を作成し、サプライヤに見積もり交渉及び発注依頼をすることができるので、最初の見積もり依頼時点での交渉優位性を高めることができるようになりました。
製造原価の見積作業の効率化事例の効果は?
指値なしで0円発注していた場合は、値段がサプライヤ言い値で原価の数十%~数倍になることもあったので、そこから比較すると月約60万円近くのコスト削減に繋がりました。
さらに、この0円発注の業務はサプライヤ選定や見積もり結果の精査に加工会社の知識や特定の加工に対する専門知識が必要なため、経験歴の浅い若手社員によく発生している傾向が見られました。今回、『CADDi DRAWER』の導入で過去の図面と実績情報の検索性が向上したことにより、ベテラン社員と若手社員がどちらも同じレベルで指値の作成ができるようになったため、組織全体の属人化の脱却という定性的な効果も顕在化しています。
今までは、すぐに0円発注をしていた若手社員も、今ではベテラン社員に「なぜこの部品はこの価格なのか」と質問をするようになったと言います。
購買部の本来のミッションである原価低減により高い意識を全員が持てるようになったのは、組織の文化を変えたとも言えるかもしれません。
短納期見積案件の0円発注を撲滅した方法の適応可能性
実際のお客様での活用事例をご紹介しましたが、下記の属性のある企業様でも同様の活用方法が見込まれます。
生産方式セグメント | 少量多品種 |
業種 | TierNメーカー、加工会社、商社 |
職種 | 購買、調達 |
図面種類 | 組図、回路図、ユニット図 |
対象の生産方式セグメント
本活用方法は、手配頻度の多い業種ほど適応可能性が高いため、完全受注生産よりはカスタム度の高い図面品を取り扱う業種にフィットが高いと言えます。また、中規模以上の季語湯では見積もり取得にある程度時間をかけることが多いが、購買人員の少なく小規模な企業ほど1枚の図面にかけられる時間は少なく事が多いため、より『CADDi DRAWER』を活用した指値ベースでの発注により見積もり取得時間短縮の効果が見込めると言えます。
対象部署
相見積もり業務の責任を持つ部署は、一般的には購買部門となります。商社や加工会社では、見積もり業務を営業部門や製造部門が代わりに行うケースもあります。
本活用方法で解決できる課題
本活用方法で解決できる課題としては言わずもがな、サプライヤの言い値発注、いわゆる0円発注の撲滅になります。過去の図面と発注実績情報をサプライヤ交渉時に確認する習慣付けをすることで、副次的な効果として、コスト感覚の醸成やベテランに属人化したスキルの継承などが見込まれます。
短納期品の0円発注の撲滅する方法 まとめ
毎日大量にくる見積もり依頼にもっと簡単に回答できたらよいのにと思うことはあるのではないでしょうか。思っている以上に、サプライヤへの見積もり交渉は会社全体の営業利益を確保するために重要な業務です。
とはいえ毎日大量に来る部品の指値を1つ1つ作成している時間は購買部門にはありませんよね。『CADDi DRAWER』を活用すれば今回のケースのように、指値を瞬時に作成し、サプライヤへの交渉力を上げることができるかもしれません。ぜひ今回のような活用事例を検討してみてください。