平面研削とは何?平面研削の基礎知識をチェック!
生産 / 製造
平面研削という言葉を聞いて、なんとなく想像はできるけどはっきりとした仕組み、目的などはいまいちわからない、という方も多いのではないでしょうか。平面研削とは、工作物の平面を砥石を使って研削し、加工することです。平面研削は工作物の厚みをととのえるだけでなく、精密な両面の平行度を得るために行われます。
この記事では平面研削について、さらに平面研削に使われる機械についてご紹介いたします!
これだけは知っておくべき平面研削のポイント
- 平面研削は工作物の平面を研削する加工のこと
- 平面研削を行う機械を平面研削盤という
- 平面研削の目的は工作物の厚みを整えることと、正しい平行度を創成すること
平面研削とは工作物の平面を研削する加工のこと
平面研削は、砥石を使って平面を「削る」加工のこと。英語では「surface grinding」といいます。工作物の厚みを整えること、そして正しい平行度を創成することを主な目的として用いられます。
平面研削盤とは?平面研削をする機械の名称
平面研削を行う機械は「平面研削盤」と呼ばれ、主に砥石とテーブル部分から成っています。
高速回転する砥石に工作物を押し当てることにより、表面を少しずつ削り取っていきます。
平面研削盤のテーブルは長方形の角テーブルと円形の円テーブルの2種類あります。
角テーブルは縦に往復運動を繰り返し、円テーブルは回転運動を行うことにより研削します。
また、砥石の軸も、テーブル面に対して主軸が垂直な立軸型および主軸が平行な横軸型の2パターンあります。
下の表に違いをまとめました。
角テーブル | 円テーブル | |
立軸 | 立軸角テーブル形:角テーブル上の工作物に対し砥石の円筒面で研削を行う |
立軸円テーブル形:円テーブル上の工作物に対し、砥石の円筒面で研削を行う
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横軸 | 横軸角テーブル形:角テーブル上の工作物に対し砥石の側面で研削を行う。 | 横軸円テーブル形:円テーブル上の工作物に対し砥石の側面で研削を行う。 |
また、それぞれの平面研削盤の特徴は以下の通りです。
種類 | 特徴 |
立軸角テーブル形 |
長尺工作物の加工に向いている。
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横軸角テーブル形 |
一番メジャーなタイプの平面研削盤。長尺工作物の加工に向いている。
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立軸円テーブル形 |
量産性に優れるが、砥石の端面で研削するので研削面が円弧状になる。砥石の側面で研削するより粗さが荒くなる。
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横軸円テーブル形 |
立軸円テーブルに比べると生産性は落ちるが、横軸角テーブル形に比べると2~3倍の生産性がある。</td>
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平面研削の用途は工作物の厚みを整え、正しい平面度を創成すること
工作物の厚みを整える
平面研削を行う主な目的の一つは、工作物の厚みを整えることです。凸凹の表面では、場所ごとに厚みが違ってきてしまいます。少しずつ研削していくことが可能な平面研削盤では、マイクロメートル単位での研削が可能です。
正しい平面度の創成
JISによると平面度とは、「平面形体の幾何学的に正しい平面からの狂いの大きさ」とされています。簡単に言い換えると、「平面の滑らかさ(均一性)を示す数値」のことです。
平面研削によって、工作物に突起、反りがなく平面度の高いものにすることが求められています。
平面研削に求められるものとは、寸法精度と面粗さ
寸法精度
JISによると寸法精度は、「構成要素又は工作物の所定の部分の寸法の正確さ」となっています。
平面研削では、この寸法精度が求められていますが、上述したように最近の平面研削盤ではマイクロメートルレベルで寸法精度を達成できるものが増えています。
表面粗さ
表面性状の尺度の一つである面粗さ。「表面粗さ」ともいいます。数値が大きければ表面が荒く、小さければより滑らかであることを指します。
面粗さが荒ければ表面に凸凹が多いということであり、工作物の品質に関わってくる要素です。
まとめ
この記事では、平面研削および平面研削盤について解説しました。平面研削盤にはテーブルや砥石の軸などを組み合わせて計4種類があり、それぞれに特徴があります。用途や目的に応じて適切な形を選ぶことが大切です。