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表面粗さの基礎知識

表面粗さとは表面の凹凸を測定したもの!

加工後の工作物の表面は必ずと言えるほど、凹凸があります。表面粗さとは、この工作物の表面の粗さを様々な基準で表しているものです。

表面粗さの基準となる凸凹には2つの見方があります。1つは「うねり」と呼ばれるもので、加工後の工作物全体が大きな波のようにうねっていないか、という観点です。2つ目は「筋目方向」で、加工後の工作物表面についた筋の方向のことを指し、この「うねり」と「筋目方向」から表面粗さが測定されます。

図面に使われる表面粗さの単位の種類

表面粗さの単位には、Ra, Rz, Rmaxの大きく3種類あり、一般的にはRaを使用し、真空装置などの一切漏れが許されないようなものに対してはRzを用います。以下3つに対して順番にご紹介いたします。

Ra (算術平均粗さ) (単位:μm)

工作物の断面図曲線のことを粗さ曲線と呼びます。ここから、キズと見なされるような大きな凹凸部分を避けて基準長さLだけ抜き取ります。
このグラフの平均値m(つまり真ん中)からのズレの面積をLで割ったもの、もっと簡単にいうと「粗さ曲線の中央m(工作物の表面)から平均でどれだけデコボコしているか」、がRaの値です。

Rz (十点平均粗さ) (単位:μm)

先ほどもでてきた粗さ曲線の山頂部と谷底部をとります。山頂の高さの高い順に5番目、谷底の低い順に5番目までの値をとり、高い方5つの中央mからのずれの平均とと低い方5つの中央mからのずれの平均を出します。その二つを足し合わせたものがRz(十点平均粗さ)です。

Rz (最大高さ) (単位:μm)

さきほどからなんども登場している粗さ曲線から、おおきなキズを避けて基準長さLだけ抜き出した時に、一番高い部分と一番低い部分の高さの差がRz(最大高さ)です。

旧JIS規格と新JIS規格って何が違うの?

2001年に現在使われているJIS記号に変更されています。しかしまだまだ混同されたり、旧JIS記号を使われている場面もあります。
まず、現在のJIS記号になるまでには二回の変更がありました。

以下は三角記号と新JIS記号の「Ra (算術平均粗さ)」「Rz (十点平均粗さ)」「Rmax (最大高さ)」の3点との比較表です。

旧JIS記号
表面粗さの区分値
基準長さL(mm)
三角記号 Rmax Rz Ra
▽▽▽▽ 0.05S~0.8S 0.05S~0.8S 0.25
▽▽▽ 1.6S~6.3S 1.6S~6.3S 0.8
▽▽ 12.5S~25S 12.5S~25S 2.5
50S~100S 50S~100S 8
特に規定なし

加工方法

上記の図面記号の加工方法部分に表せるのが以下の記号です。行いたい切削の方法により記号が異なります。

加工方法 記号 参考
外丸削り L
Lathe Turning
面削り LFC Facing
中ぐり B Boring
平削り P Planing
フライス削り M Milling
平フライス削り MP
Plain Milling
リーマ仕上げ DR Reaming

筋目方向

以下は筋目方向についての記号一覧です。加工例にもある通り、加工によって使用する記号が変わるため、どの加工を使用予定か確認が必要です。また「M」と「P」は加工方法と同じため加工方法は「フライス削り」など言葉で表す場合が多いです。

表面粗さの記号の周りの値は何を指している?

上記でご紹介した記号を図面へ記載するときは位置によって記号の向きに決まりがあります。これは製作時に図面を確認する際に一番見やすいようにすることで、加工のミスが起きないようにするためのものです。これを守ることにより、ミスを防ぐことができます。

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